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016 アイテムボックス

 申し込んでいた魔法陣の転写が終わったそうなので、昨日ナタリア先生が博物館に受け取りに行ってくれた。使いっぱにしてごめん。でもグレゴール様は多分喜んでる。

 今日はそれを実際に使ってみる記念すべき日となるはずだ。夜中にこっそりと…だけど。


「どうぞ、マリア様。75番の魔法陣ですよ」

 ナタリア先生から受け取った魔法陣はとても細かく複雑で、はたして脳内に思い浮かべることができるのか心配になるくらいのものだった。まじ複雑すぎて、魔法陣を読める私であっても、一見何をする魔法陣か分からないくらい。


「ありがとうございます。額に入れて飾っておきたいくらいの美しい魔法陣です」

 まぁ別に美しさとかどうでも良いのだが、見た目は実際に美しい模様だ。

 これ暗記できるかな?でも暗記すべきものであることは間違いない。アイテムボックスを使うのにいつも魔法陣の紙を持ち歩くってのもなぁ。


 あと、スタートアップルーチンと魔力吸収モジュールについても確認した。

 まぁこれは魔法陣の定番機構なので、あるのが当然か。


 この後、計算の授業(精神的拷問)と魔法の授業を行ったのはいつも通り。

 どうでも良いけど、計算は引き算まで進んだ。先は長いよ(遠い目)。


 その夜。いつも通り寝る直前にこっそりとベッドサイドのランプを点けてアイテムボックスの魔法陣を確認する。

 そういえばランプというか照明装置全般は魔石というものを燃料に使った魔道具ってやつらしい。異世界の定番商品だな。

 異世界もので魔道具の無い世界は無いってくらいだ。マンネリ?いやそれは言わない約束だよ。

 魔法練習場の防御結界を張る装置も魔道具らしいけどね。


 魔法陣を見つめてその細部までしっかりと記憶する。30分くらい眺めてたかな。

 そうして魔力をスタートアップルーチンに流すと脳内にメニューが出現した。やたっ!起動成功。

 まだ何も入れていないので、まずは入力を選択する。ちなみに脳内で思い浮かべれば良いだけ。マウスカーソルとかは無い。

 対象物を指定してくださいというメッセージが出たので、とりあえず羽ペンを指定する。ってまたかよ、いつも羽ペン指定してんな。

 目の前にあった羽ペンがいきなり消えた!

 で、魔法の発動も終了した。


 おぉ!なんか感動した。

 羽ペンがこの世から消えたわけだが、失われたわけじゃない。いや失われると困る。100,000エントだし。

 異次元空間に作られた私専用の倉庫に入っているはずなんだよね。

 取り出せるかな?ドキドキ。


 魔法陣を忘れてしまったので、もう一度しっかり見て記憶する。何度もやってればきっと暗記できるだろう。

 魔力で起動し、メニューを出すまではさっきと同じ。

 今度はメニューから出力を選択する。

 一覧表が表示された。といっても一つだけだが。

 羽付きのペン軸と書かれてある。略称ではなく正式名称で出るのね。


 それを選択すると目の前の空中にいきなり羽ペンが出現した。って落ちる!

 あまり素晴らしくない反射神経の私でもなんとか手に取って落ちるのを阻止する。100,000エントだしな。

 これ取り出すときは気を付けないとやばいな。

 出現座標を指定するような入力パラメータが無いんだよな。設計者出てこい。ユーザインタフェースの使いにくさは改良の余地ありだよ。


 そのあと何回かアイテムボックスへの出し入れを練習してみた。

 といっても3回目までは成功したが、4回目が起動できなかったのは魔力の枯渇だろう。

 鑑定魔法で魔力が空になることはなかったのになぁ。そういえば博物館に行ったとき、鑑定魔法の説明文を読んでおくべきだった。

 起動に必要な魔力量が書いてあったはずなのに…。まぁ今度行ったときに確認しよう。


 あと、出現座標指定が無いと文句を言ったが、間違いだった。

 机上や手の上など出現位置をしっかり見ることで、そこに出てくることが確認できた。すごいじゃん、目視指定だよ。開発者さんありがとう。


 この魔法陣、毎晩3回練習していれば一週間後にはきっと暗記できてるんじゃないだろうか?いや、二週間はかかるかな?


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