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転生した女性SEの異世界魔法ライフ  作者: 双月 仁介
社会人編(1年目)
140/303

140 防衛準備

 防衛作戦についての陛下の裁可が下った。

 私の提案通り、敵を辺境伯領とシュトレーゼン領の間で迎え撃つべく、通信の魔道具を使って辺境伯へ命令が出された。住民避難と遅滞防御そして撤退だ。

 敵のほうも大兵力だからこそ動きは遅い。難しい作戦だけどなんとかやりきってほしい。


 アレンとルーシーちゃんと私は一台の三輪自動車を交代で運転しながら、昼夜を問わない強行軍でシュトレーゼン領の領都にあるうちの屋敷に到着した。馬車で一週間かかる行程がなんと二日で着いたよ。

 後ろが荷台なので運転者以外は寝転がっていられるしね。まぁ振動でおちおち寝ていられなかったけど。

 執事兼代官のセバスティアンさんとも久しぶりに会えたよ。少し()けたかな?


 続々と辺境伯領から到着する避難民たちを収容する建物の手配や、川にかかる橋を破壊する準備などセバスティアンさんは大忙しだ。

 翌日、私たちは三輪自動車で辺境伯領との境目である川へと視察に向かう。

 橋から少し離れた場所に小高い丘のような場所があり、橋までの距離はおよそ1キロメートルくらいかな?対岸に展開するはずの敵部隊へ魔法を撃ち込むにはちょうど良い距離だね。


 丘の上の平らな場所でかつ川(や橋)が観測できる位置にアイテムボックスから防衛拠点を出した。

 一辺10メートルの鉄板で囲まれた簡易トーチカだ。高さは2メートルほどで天井も鉄板で塞いでいる。上から見ると正方形で四方向それぞれに鍵付きの頑丈な扉とのぞき窓がある。

 たとえ包囲されても内部から四方向へ魔法攻撃できるように作っているのだ。鉄製なのは弓矢による攻撃への対処ね。なお、防御結界も配置して魔法攻撃にも鉄壁の守備を誇る。

 扉も城門破壊用の破城槌(はじょうつい)でも持ってこない限り破られないようになっているよ。


 この簡易トーチカは魔道具でお金を稼げるようになったころ、私のポケットマネーで作っておいたものだ。ずっとアイテムボックスに入れっぱなしになってたけどね。

 まさに『こんなこともあろうかと』作っておいたものだよ。エンジニアが生涯で一度は言ってみたい言葉だね。やっと言うことができて嬉しい。


 アレンとルーシーちゃんは初めて見るので目を丸くして驚いているけど、私が中へ入ると一緒についてきた。

 床も鉄板なので坑道戦術(地面を掘り進める作戦)も使えない。

 備え付けられた照明の魔道具のスイッチを入れて中を見回すけど何もない。このトーチカの目的は、戦略級魔法を発動する魔法使いを守ることと、誰が発動しているのかを隠すことだから。特に後者。

 あ、何も無いとは言っても、トイレだけはあるよ。これだけは必須だからね。

 私の説明に納得するアレンとルーシーちゃん。


 アイテムボックスに入れている水や食料があれば、このトーチカに数週間は籠城(ろうじょう)できるようになっている。

 さぁ、帝国軍来るなら来い。目にもの見せてやるよ。


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