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転生した女性SEの異世界魔法ライフ  作者: 双月 仁介
社会人編(1年目)
138/303

138 開戦

 アレンの父ちゃんが王宮で得た情報をアレン経由で得ることができる私だが、どうやらアメリーゴ共和国から同盟の締結と救援の要請があったらしい。

 共和国の兵力だけでは亡国の道をたどるだけなので、この打診についてはこちらでも予測していたそうだ。

 そして我が国はその要請に応えるとのこと。まぁ私でもそうするね。


 とりあえず王国の常備兵力の4個師団の振り分けは、1個師団は辺境伯軍と合流して国境守備につき、3個師団はアメリーゴ共和国へ派遣することになった。

 共和国側の常備軍3個師団と合わせれば6個師団となり、ガルム帝国の3個軍、12個師団になんとか対抗できるはずだ。戦争は守備側が有利だからね。

 攻撃側は守備側の3倍の戦力が必要であるという『攻者三倍の原則』と呼ばれるものがあるんだよ。


 共和国の常備兵力は少ないもののすでに徴兵による動員をかけているので、時間が()つごとに共和国側の兵力は増えていくはずだ。

 問題は時間だね。現時点では3個師団で12個師団を迎え撃っている状況なので、戦力差からすると一発で前線を抜かれてしまう可能性もなくはない。

 現兵力でどれだけ粘れるか、時間稼ぎができるかってことだ。

 当然帝国軍もそれは分かっているので、損害覚悟で前線を抜きにかかってくるだろうけどね。


 ガルム帝国とアメリーゴ共和国の国境は急峻な山脈とその間の谷間を通る細い隘路(あいろ)で接続されている。したがって隘路の両側に検問所というか(とりで)を設けている。

 ここを抜かれた場合、共和国の首都ヨークまでは大河と大きな橋がいくつかあるのみだ。最悪の場合、橋を全て落として時間を稼ぐしかない。

 現在は国境の砦で3個師団が奮戦中のようだけど、援軍が来なければ壊滅するのも時間の問題だろう。王国軍3個師団がはたして間に合うかだな。


 3個師団3万人の移動ともなると基本的には徒歩移動であるため、王国から国境を越えて共和国に入り、そこから帝国国境側の砦に到着するまでどう考えても一か月はかかる。

 騎馬と馬車を装備した騎馬部隊を作れば高速移動できるけど、その場合せいぜい2個大隊1200人くらいの兵力しか派遣できないだろうね。

 そこで我が家が所有する五輪自動車10台と三輪自動車1台を王国軍へ自主的に差し出した。どうせ徴発(ちょうはつ)されるだろうし。

 五輪自動車を所有している乗合バス業者や三輪自動車を所有する貴族家にもうちから呼びかけて、それらを王国軍に貸与(たいよ)するように説得したよ。

 この結果、五輪自動車30台、三輪自動車70台をかき集めることに成功した。運転者も含めて単純計算680人分だ。おおよそ1個大隊分になるね。


 これで機械化機動部隊1個大隊、騎馬部隊2個大隊が編成できる。機械化機動部隊は約3日で最前線に到着できるし、騎馬部隊でも一週間程度で着けるだろう。

 魔法使いを中心とした部隊編成に組み替えて、魔法攻撃力優先で派遣するのがベストだろうね。火力こそが重要ですよ。

 しかも帝国軍としては王国からの援軍が来るのが一か月後くらいだと予想しているはずだから、意表を突く効果も期待できるはず。


 そうしてグレンテイン王国はガルム帝国に対して宣戦布告を行ったのだ。さあ、戦争の時間だ。


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