132 ボートレース大会当日④
表彰式と閉会式が最後にあるので、運営側としてはまだ気は抜けない。
凸の形の表彰台に3チームの代表者が並んでいる。
運営事務局長の手で金メダル、銀メダル、銅メダルが渡されていく。
ちなみに表彰台やメダル授与も多分この国では初の試みです。他国は知らないけど。
DJ…じゃなかった実況担当者が渡される賞金の額を発表していくと、観客席からため息と歓声があふれ出した。
これで第2回以降の大会に出場したいという人が、さらに出てくるかもしれないね。
運営事務局長が閉会宣言をしたところで、第1回大会は大成功で終了した。
おっとまだ終わりじゃないな。
王都行きのシャトルバスの運行や会場の後片付けなどやることはまだ山ほどあるよ。
今、午後4時くらいだけど、シャトルバスのピストン輸送が4往復で4時間以上かかるからね。夜の8時か9時くらいまでは終わりません。
帰りのバスを待つ人たちが時間をつぶすためにも食事処は撤去できないけど、屋台の店主さんたちも夜まで頑張って開けておいてくれるようで感謝です。屋台の人たち、今日中に王都に帰れるのかな?
簡易トイレは明日撤去することにして、今日のうちは残しておこう。ここに野宿する人もいるかもしれないからね。
観客席と湖上のブイ、ピットの桟橋それに食事処の建物などは永久設置許可を得ているので撤去不要だけど、簡易トイレや放送室のプレハブは撤去する。
永久設置の公衆トイレを建てたほうが良いかもしれないな。以前は観光客は貸しボート屋さんのトイレを借りていたらしいけど、今後この湖を訪れる人が多くなれば貸しボート屋さんも大変だからね。
そういえば貸しボート屋のおじさんの成績は36チーム中26位だったよ。残念がっていたけど、第2回大会への意欲はさらに燃え上がってるみたい。まぁここに住んでるわけだから練習し放題ではあるよね。少しダイエットしたほうが良いのでは?というアドバイスが口から出かかったけどなんとか飲み込んだ。
アレンの運転する三輪自動車で帰宅の途に就いたのは夜の10時頃だよ。もうね、全員ヘトヘトですよ。しかもこれだけ働いても無報酬、思わず社畜という言葉が脳裏に浮かんだ私だった。