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127 ボートレース大会の準備②

 草レースでは岸側からスタートし、沖合でUターンして戻ってくるって感じでやってたそうだけど、観客のことを考えると岸沿いにコース設定したほうが良いね。

 スタート兼ゴール地点には幅100メートルで5段の階段状の観客席を設置する。これはそのつど設置しては撤去するのではなく、永久設置の許可を王宮からもらった。ここの土地の所有権は王国自体にあるらしいので…。

 一人当たり1メートルのスペースとすると500人は収容できる。なお、詰めればその倍はいけるかもしれないので、それに見合った強度設計を行った。


 コース設定については、(いかり)を沈めてそれにブイ(浮き)を付けることで、スタート兼ゴール地点及び折り返し地点の目印とする。それを二組設置することで二艇が並走できるようにしたのだ。二艇が同じコースを走ると危ないからね、特に折り返しのとき。

 一艇ずつのタイムアタックよりも、二艇が競ったほうが観客も興奮するはずだ。


 あと、馬車のために駐車場のスペースを拡充するのはもちろん、観客の迅速な大量輸送のためにシャトルバスを運行する。特別に荷台部分を長く作って一度に10人を運べるように改造した五輪自動車を作ったよ。後部に二輪だったのが後部四輪になっている。これを10台作って王都のシャトルバス乗り場と湖の駐車場を往復させる。10台あれば一度で100人運べるので、一回の往復で一時間かかるとしても朝から昼まで3往復すれば300人は運べる。自前の馬車や乗合馬車で来る人もいるから、そんな感じで良いんじゃないかな?

 競技開始は午後1時だ。観客たちの昼食はいつもの屋台たちに加えて、焼きそばや串焼きなんかを提供する食事(どころ)を設けることにする。屋台だけでは多分無理な人数なので…。


 とにかく、第1回大会なんだから試行錯誤だよなぁ。今回の経験を次に生かすためにも色々と試しておきたい。

 あれ?なんで私、どっぷりはまってるのかな?

 おかしいな。しかも会場設営やシャトルバス製作でかなりお金を使ってる。なにしろこのあたりは会場運営費では(まかな)えないので、うちが費用を出してるんだよね。1000万のスポンサードとは別に…。


 五輪自動車は自動車製作業者さんに無理やりねじ込んだ仕事だけど、業者さんも面白がってたから良いか。ちなみに推進器は後部に二台設置してるので、運転者含めて11人乗っても最高時速50キロメートルは出るよ。

 今後はこの新型を乗合馬車の業者に売り込んでいくらしい。1台5000万エントだけどね。

 つまり、うちが10台発注したということは5億を支払ったってことになる。あと、100メートル幅の観客席の設置や駐車場の拡充、食事処の開設にも1億くらいかかってる。

 お父様やお兄様の了解はもらってるけど、なんとも豪気(ごうき)なことです。あ、シャトルバス料金は無料だよ。


 まぁこのあたりは設備投資であって、消えてしまうものじゃないから良いんだよ。10台の五輪自動車については乗合馬車業者に中古車として売っても良いし、うちが乗合バス事業を始めても良い。

 なお、大会は5月開催で今はまだ2月。準備期間は長いようで短い。てか、3月に学院を卒業することになってるけど、忙しすぎて卒業式の感慨とかなさそうだ。

 あー、信じられない。自分で仕事を作ってるような気がする。いや、気のせいじゃないな。どう考えても自業自得です。


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