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125 船外機後日談

 三輪自動車と船外機の推進器は全く同じものだ。だからこそ船外機の開発速度が速かったわけだけど。

 実は推進器の魔道具の売上はそんなに多くない。三輪自動車の製造台数に依存するからね。

 私としてはあくまでも趣味で作った魔法陣で、(リヒャルトさんの休日を忙しくすることで)魔法陣開発のプレッシャーを軽減することが目的だったから、売上とか全く気にしてない。


 でもお兄様はこの推進器をもっと出荷できるように、他の工房なんかと打ち合わせしてたみたいだ。

 船外機の設計図と推進器の現物を渡して、船外機を製造してもらうための工房を探してきたよ。要するに委託生産だね。

 ただし、推進器の魔道具はブラックボックスになっているので、魔法陣の秘密は守られている。


 年末に船外機の最初の生産分である50台が納品されてきた。

 委託生産の手数料は1台あたり20万エントらしいけど、高くない?材料費や塗装費用も含んでいるから、そうでもないのかな?

 推進器の原価は3万程度なので、1台あたりの製造原価は23万になる。うちではこれを小売店へ50万で出荷するので、販売単価は80万エントにしてもらった。

 販売ルートとしては船や船に関する道具類を販売している店の中で、うちと取引している自動車製造業者さんや魔道具店店主さんの評価が高かったところを選んだ。


 受注生産ではなく、店頭に並べて一般販売する形にしたので、誰でも気軽に買いにいける。

 例の貸しボート屋のおじさんにもすぐに教えてあげたよ。速攻で買いにきたらしい。貸した手漕ぎボートにトラブルが起きた場合(オールを湖に落としたとか)、そのボートのもとにすぐに駆け付けられるので重宝(ちょうほう)しているとのこと。

 川や海、湖で魚を捕る漁師さんからも好評で、一通り普及するまで売上が落ちることはなさそうだ。


 貴族や大商店なんかの裕福な層は色々と工夫を()らしたボートを特注して、あの湖でスピードを競うレースを開催して楽しんでいるらしい。…って、貸しボート屋のおじさんが言ってた。おじさんもレースに出場したいから、新型のボートを手作りしてるって言ってたけど、なんかすごい楽しそうだったよ。

 レースは船の性能と操縦者の技量を競うもので、推進器は全員同じものを使うというルールだったので、なんとなくボートレース…というか競艇を思い出したよ。


 実はロザリーちゃんとブレンダの二人が船外機にはまっていて、シャミュア家の伝手(つて)で知り合った工房と組んでレース用の船を作っているらしい。

 ルーシーちゃん情報だけどね。

 あの二人、以前に湖で遊んだときもめちゃ喜んでいて、なかなか帰りたがらなかったんだよなー。まったく、どこにツボるか分かんないもんだね。

 でもレースに出場するときは応援しに行かなきゃね。


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