116 5年進級
今年は高等学院の最終学年である5年生になる。
例によって友人たちは全員Aクラスだ。もちろん私もね。
今までは学院のイベント(武術大会や魔法研究発表会など)には全く関与してこなかったけど、今年は何か参加したほうが良いのかな?
でも無理か。死ぬほど忙しいからね。
お兄様の立ち上げた魔道具の事業は極めて好調だ。私の忙しさの元凶でもある。
照明の魔道具は製造したものが全て出荷されているし、防御結界装置の軍への納品も順調だ。
ドライヤーは売れ行きが良すぎて、リヒャルトさんが毎日残業している。もちろん残業代は出してるよ、ブラック企業じゃないからね。
うちの財力は多分だけど全貴族家の中でもトップクラスだろう。銀鉱山の収入もあるしね。
もうね、『億』という言葉が『万』と同じ感覚で使われているよ。どんだけ金持ちだよ。
ここで今後の私の行く末を考えるにあたり、これまでの実績を振り返っておこう。
まず、魔法陣を使って魔法を発動できること。私以外にも以下の友人たちが同じように発動できる。
・リヴァスト侯爵家のアレン・フォン・リヴァスト
・シャミュア子爵家のルーシーメイ・フォン・シャミュアと妹のロザリー・フォン・シャミュア
・ライアン準男爵家のペリーヌ・フォン・ライアン(もうすぐペリーヌ・フォン・シュトレーゼンになる)
・平民のブレンダ
あと、もちろんお兄様であるシュミット・フォン・シュトレーゼンも。
私だけがマスターしている魔法陣として
・鑑定魔法
・アイテムボックス
がある。この二つはメニューに古代語が表示されるから、友人たちには教えていないのだ。
友人たちもマスターしている魔法陣が
・ファイアボール(火属性攻撃魔法)
・ウォーターボール(水属性攻撃魔法)
・ストーンライフル(土属性攻撃魔法)
・マジックサーチ
・タイムストップ
・マジックガード
・ストーンキャノン
などなど。
このうち私が開発した魔法陣が
・探査魔法のマジックサーチ
・時間停止魔法のタイムストップ
・防御結界魔法のマジックガード
・戦略級攻撃魔法のストーンキャノン
だね。あとは友人たちには教えていない飛行魔法のエアーフライトがある。人間は飛べないけど。
魔道具開発では
・照明の魔道具(製造担当は工房長でもあるクラレンス氏)
・携帯型防御結界の魔道具(製造担当はシャルロッテ嬢)
・ドライヤーの魔道具(製造担当はリヒャルト氏)
ってところだ。
たったこれだけ?って感じもするし、これだけの実績を上げたのかって感じもする。
今18歳で今年19歳になるんだけど、成人前にあげた成果としてはなかなかのものだよね。