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101 魔道具開発②

 自然魔力吸収機構を使わず私自身の魔力だけで動かすためには、防御結界のサイズが大きすぎる。

 そのため、後で変更するとしても、とりあえずは小さなサイズで防御結界を展開するように魔法陣を作ろう。

 10センチ四方で厚さ1センチなら1秒あたりの魔力量は0.1なので、私の持つ魔力量でも数十秒は展開できるね。

 マルチスレッド化された自然魔力吸収機構は無し。目視指定展開機構も無し。持続時間指定も無し。防御結界の展開は無限ループの中で行う。魔力供給を止めると結界展開を停止する。

 この仕様で新たな魔法陣をちゃちゃっと描いてみた。元々のベースがあって、そこにある装飾を削っていく作業なので割と簡単に完成したよ。

 魔法陣を記憶し、テスト発動してみると小さな小さな防御結界が展開された。もっとも本来の魔法陣はスタートアップにほんの少しの魔力を流せば良いだけなんだけど、これは常に意識して魔力を流し続けないといけない。集中力が途切れた瞬間、防御結界が消えてしまう。魔法陣としては欠陥品だね。


 次の作業は、この魔法陣を鉄板に白インクで描いて、それに沿ってミスリル(ひも)を貼り付けていくというものだ。予想通り時間がかかった。もういやだ、この作業。

 スイッチについては、照明の魔道具を分解したときにオンオフのスイッチを部品としてとっておいたので、これを流用しよう。ちなみに実験で使っている魔石もこの照明の魔道具に付いていたやつだ。50万エントの魔道具を壊したんだからできるだけ活用しないとね。なお、壊した件でお母様からすげぇ怒られたのは余談だ。


 さて、うまくいくのか?緊張の一瞬だ。スイッチをオンにすると魔石からの魔力が魔法陣に流れる。

 魔法陣の直上に10センチ四方の小さな防御結界が現れた。やたっ!成功だ!

 消えることなく展開し続ける防御結界をうっとりと眺めていた私だけど、次の作業を想像すると憂鬱になるね。

 まぁ、実験には成功したんだから少しは余韻(よいん)(ひた)りたい。


 さて次だ。

 横70センチ、縦2メートル、厚さ10センチにパラメータを変更した魔法陣を描く。これ自体は楽勝なんだけど、それをミスリル(ひも)で鉄板上に貼り付けていくのが…。

 新たな鉄板になんとか頑張って貼り付けて、さっきの実験用鉄板と交換する。スイッチや魔石はそのままさっきのものを使おう。

 実はここまでの作業に一か月かかっている。ふぅー。


 気を取り直して、さぁ起動テストだ。

 これまでの苦労が(むく)われるかどうか、緊張の瞬間です。

 スイッチオン!

 マジックガードの防御結界と全く同じサイズの大きな結界が現出した。しかも4秒間ではなく、魔法練習場にある防御結界装置と同じように結界を維持し続けている。

 大、大、大成功!報われた、報われたよ、あの苦労が…。


 なお、起動後のパラメータ設定があるもの(ストーンキャノン等)やメニューが出現するもの(アイテムボックス等)、目視指定で対象物を指定するもの(鑑定魔法等)、脳内イメージが出現するもの(マジックサーチ等)なんかの魔道具化は難しいだろうね。

 タイムストップは魔道具化できそうだけど、スイッチのオンオフに片手がふさがるからダメかな。まぁ、奥歯にスイッチを取り付けて『加速装置』とか言ったりするのも楽しそうだけどね。


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