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まさかお前が

「マスターのお孫さんが・・・レヴィさんがダンジョンで謎のモンスターに襲われているみたいです」


 --レヴィが・・・モンスターに・・・!


「なんじゃと?!こうしてはおれん!すぐに向かう--」


「いけません!いくらお孫さんの危機とは言えマスターがギルドを離れるというのは--」


「じゃったらマスターなんてやめたるわい!儂はギルドなんかよりレヴィちゃんの方が大事なんじゃー!・・・マルロ、今からお前がマスターじゃ。任せたぞ。--レヴィちゃん今いく--」


「ダメですって!!なに言ってるんですか?!今調査隊を選出して派遣しますから」


 マスターは孫のピンチということで自分が行くと聞かず、それをマルロさんが必死になって止めていた。


 にしてもレヴィが・・・あいつには一回助けてもらってるからな、こんなところでじっとしてられない。


「その調査隊・・・俺を選んでくれませんか?レヴィには借りがあるんです!」


「・・・ほう、お前さんすでにレヴィちゃんに会っておったのか」


「はい!あいつには--レヴィには前に助けてもらいました。その時の借りを--今度は俺が、あいつを助けたい!お願いします!」


 俺はマスターとマルロさんに頭を下げ必死に願い出た。知り合いが危険な目に遭ってるかもしれないのにみすみす聞き逃すなんて俺は出来ない。あとで後悔するのは嫌なんだよ。


「蓮さん、お気持ちは分かりますが貴方はBランクになったばかり、危険です。せめてAランク冒険者の同行がないと--」


「--Aランクならここにいんだろ?」


 マルロさんの返答に、バルクが自身を指差し答えた。


「・・・そうですね、では調査隊のリーダーはバルクさんにお願いしましょう。しかし規定人数は5人以上です。あと1人Bランク以上の冒険者がいなければ--」


「--オレが行こう」


「いやー流石ですね!カッコいい!」


「・・・あんな奴になんで協力なんか・・・」


 この声・・・聞こえてきた3人の声。妙に小物臭い2人と、どこか高圧的な青年の声。こいつ・・・まさか?!


 徐に背後を振り返ると、そこにいたのはなんと--俺が初めて戦った相手、ディアス・ネディナと、その取り巻きだった。


「・・・オレが行く。これで5人だろ?問題あるまい」


「ディ、ディアス?なんでお前が・・・?てかお前Cランクだろ?」


「いえ、ディアスさんは一昨日Bランクに昇格しています。なので問題はありません」


 ついこの間までCランクだったのにもうが上がったのか・・・やっぱ努力家ではあんだな。


「でもなんでお前俺に協力してくれんだよ?敵だったろうが」


「ふん。たまたま聞こえてきたからな。それ以上でもそれ以下でもない。勘違いするな、君の味方になった訳じゃない」


 君・・・か。俺が命令したとはいえちゃんと見下す性格直そうとはしてんだな。前は貴様とかゴミ冒険者とかだったしな。


「それでも助かるよ、ありがとうディアス!」


「いいか、あくまでも今回のみだ!次の魔導祭では一撃でのしてやる!心しておけ!」


「・・・さっきから思ってたけどツンデレ?」


「積ん出れ?なんだそれは?技か?」


「いやごめんいいや。なんかアリアさんともこんなやりとりした気がする」


「ほら!懐かしく同窓会すんのも良いが後にしろ!さっさと準備して行くぞ」


 バルクが手を叩きながら俺達を諫める。危ない、本命を忘れるところだった。なんだかんだ流石はリーダーって感じだな。


 すると、マスターが俺達の元にやって来て--


「お前さんら、レヴィちゃんを--いや、危険な状態にある冒険者の仲間達をどうか頼む!」


 マスターが平冒険者に頭を下げる。言ってしまえば社長が社員に下げているということだ。素直にすごいと思う。


「よし!んじゃあさっさと準備して、さっさと行ってさっさと助けて帰んぞお前ら!」


 こうして俺たちはそれぞれ身支度を済ませ、レヴィ達が向かったダンジョンへ出発した。

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 馬車に揺られながら俺たち、特に俺とディアスで会話をしていた。


「そういえば取り巻き2人はどうしたんだよ。置いてって良かったのか?」


「コロニスとカーフのことか?あいつらはまだBランクには到達していないからな。仕方がないが置いて来た」


 なる程、炒図的なポジか。てかあいつらそんな名前だったんだな。ずっと知らずに取り巻きとか助さん角さんとか言ってたわ。覚えたよ、クラリスとカープ。


「そういえばディアス、よくこんな短期間でBになったな。すごいよ」


「なんだそれは?俺は最低からBになりましたという当て付けか?」


「違う違う!・・・まぁそう聞こえるか。ごめん」


「--君に負けたからだ」


「--えっ?」


「君に負けてからオレは、自分が驕り高ぶっていたことを学んだ。それに、ギルドでも言ったろう?君を一撃でのす為だ!そのために研鑽を重ねたに過ぎん!」


「あっそ。まぁでも、そのおかげで今こうして一緒に来てくれてんだ。ありがとう!」


「・・・君はほんとにあれだな。そういうことをいう時は躊躇がない」



「そのかわり悪口も躊躇ないけどな!おいらと初めて会った時も不審者呼ばわりして来たし」


「いや急にぶん殴って来たら十分不審者だろ?」


「なっ?!こんなん冒険者間では挨拶みたいなもんだよな?ディアスもそう思うだろ?」


「・・・普通に不審者だと思うが。それと急に馴れ馴れしいな」


「えぇー、そうかなー?なぁディアス!お前の魔法てどんなんだ?見せてくれよ!」


 エトラがグイグイディアスに詰め寄っている。それに対しディアスはあからさまに嫌そうな顔をして突き放すという光景が何分か続いた。多分エトラなりにディアスを輪に入れようとする気遣いなのだろう。ムードメーカー的なポジションということだ。そう考えると3人のチームって結構バランス取れたいいチームなんだな。


 夜が更け、今夜は道中で野営をすることになった。皆で焚き火を囲み持ってきた食料を分け合う。こういうのも意外と悪くな--


「おい、ディアスと言ったか?お前パンを取りすぎだ!もっとわけ合うという精神を持ったらどうだ?」


「ん?自分が取ったパンをいちいち千切って渡すのか?何故だ?」


「--お前野営をしたことがないのだろう?こっちは計画的に出しているんだ、ばかすか食うな!」


 ルニア兄貴とディアスが揉めている。どうやらディアスが1人でパンを食べ続けていることが気に入らないらしい。それに対しディアスは理由がわからないみたいだ。多分普段は取り巻き2人が譲ってるからわかんないんだろうな。目に浮かぶ。


「バルク、お前からも言ってやってくれ!この常識知らずのぼんぼん様に」


「まぁまルニア、お前カリカリしすぎだって!ディアスも、先輩冒険者のアドバイスはしっかり聞くもんだぜ!」


「・・・分かっ--分かりました」


 おお、あのディアスを黙らせた。流石のリーダーシップ。そしてそのディアスは黙ってパンをもぐもぐほう張っていた。--食うのやめねぇのかよ。ルニア兄貴も同じことをら考えていたらしく、見たことのない形相で右手を握っていた。


 やめて!殺伐としないで!No MORE暴力!


 --と、こんな感じで微妙な距離感のまま3日が経過し、俺たちはようやく目的のダンジョンへと到着したのだった。














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