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反魂のネクロ ~スケルトンになった少年、魔物の遺骨を取り込んで最弱から最強へと成り上がる~  作者: 手羽先すずめ


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高位の会話


 少年は上手くこの窮地を脱して通路へと逃げ込んだ。

 大半の探求者はそれを追い掛け、この場には私を含めて数人しかいない。


「よう。もしかして手ェ抜いたか?」

「なんのことだい?」


 炎剣を担いだ康虎やすとらの問いに、とぼけて返す。


「わかってんだろ? お前のほかにもやる気のねぇ奴がいるしな」


 視線が若手の三人組へと向かう。

 たしか少年と共闘してバジリスクを討ったとか。

 数少ない、少年に同情している高位探求者。


「そういうあんたはどうなんだい? さっきの一撃、本気には見えなかったけどね」

「はっ……まぁな。確かめたかったんだ。あいつがあの時のあいつのままか」

「それで? どうだった?」

「なんにも変わっちゃいなかったよ。びっくりするほどな」


 ため息交じりに康虎は続ける。


「あのケリュネイアの能力。あれを減速じゃなく加速のほうで使っていれば、こっちの戦力を一気に一桁まで減らせただろうに、あいつはそうしなかった」

「それだけ本気なのさ。誰も殺さず、人間に戻ろうとしてる」

「とても正気の沙汰とは思えねぇな。あの状況でテメェよりまだ他人の命を優先してやがる。こっちは殺す気で来てんのによ」


 またため息をついた。


「まったく、気が進まないったらねぇよ」

「なら、どうするんだい? 止めるかい?」

「まさか。あいつが民間人に危害を加える可能性がある限り、永遠に討伐対象だ。それは揺るがねぇ。気は重いし進まねぇが、仕事は仕事だ。割り切るさ」

「なら、もしその可能性がなくなったら?」

「さぁてな。そん時はそん時でまたどうするか決断するしかねぇさ」


 そう言って康虎は歩き出す。

 少年が逃げていった通路へと向けて。


律子りつこ


 私の名を呼んで、振り返る。


「お前はどうする?」

「どうするもなにも、あんたと一緒だよ。私の責務を果たす」

「本当にそうか? まぁ、いいけどよ」


 止めていた足を動かして、今度こそ少年を追いにいく。


「おい、そこの三人組。ぼさっとしてねぇで行くぞ」

「は、はい! おい、行くぞ!」

「わ、わかってるってば」

「やれやれ」


 康虎が三人を連れて去る。

 一人残った私は、深いため息を吐いた。


「私も探求者だ。自分の責務は果たさないといけない。だから、もし最悪なことが起こっても私を恨まないでおくれよ、美鈴。ギリギリまで待ってみるからさ」


 言い訳のように独り言を呟いて、私も少年を追って足を動かした。


§


 身に迫る火炎を、身を翻して躱す。

 紙一重のすれすれを火炎が過ぎ、両翼を羽ばたいて体勢を正す。

 先ほどから逃げの一手を貫いているが、なかなか振り切れない。

 変わり果てた未来の世界で、人類のトップクラスにいる人たちだ。

 生半可なことではどうやっても逃げ切れない。


「戦うしかないか、気は進まないけどな」


 高度を落とし、通路の地面に舞い降りる。

 こちらが止まると、あちらも警戒して止まる。

 目の前にはまだ何人もの探求者が得物を構えていた。

「どうしたもんか」


 時の減速で一時的に距離を離しても、魔法やなにやらでいつの間にか追いつかれている。

 先回りされることもあるくらいだ。

 戦って、一人一人無効化していくしかない。

 面倒な作業だけど、この場を切り抜けるにはそれしかない。


「どうか頼むから、死なないでくれよ」


 覚悟を決めて、探求者たちへと突っ込む。

 数多の魔法を放たれて作られた弾幕を、引き裂くのは簡単だった。

 ケリュネイアの黄金の魔力を込めた一刀。

 その黄金の一振りはたやすく障害を振り払い、俺の道を切り開いた。

前のが完結したので、また新しい作品を書きました。

馬鹿にされてきた冒険者、存在しないはずの魔法で無双する ~外れスキル【コピー】の発動条件を満たしたらゲームの中にしかない魔法を次々に現実世界で再現できるようになりました~ です。

よければ読んでいただけると幸いです。

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新作を始めました。こちらからどうぞ。魔法学園の隠れスピードスターを生徒たちは誰も知らない
― 新着の感想 ―
[一言] 人を殺せば魔獣に落ちる?高位冒険者も同じならば、人の倫理を守る主人公を殺そうとするならば、高位冒険者が魔獣に落ちてると思います。
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