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色んな人々の思い出話  作者: 源泉温泉
2/2

彼女は天使のようだった番外編2


11

「コアラ〜♩コアラ〜♩」

楽しげな歌声が聞こえる。

「美恋ってコアラ好きだったっけ?」

「ん…何とも、初めて見るから楽しみなだけかな?」

「何故疑問形…あ、着いたよ」

ワニ園から少し離れた場所にコアラ園は、

あった。

中に入ると絵本通り、コアラが3匹木に捕まって……… 眠っていた。

「動かないわね、可愛いけど…」

「あ…ここに解説が書いてある。コアラは1日に18時間から20時間寝るらしい」

「寝てるの、1日18時間も!寝過ぎよ…」

「コアラは、毒素の強い食べ物を食べるからね仕方ないよ」(解説より)


まさかの動かない動物2連発である、流石に空気が重くなる。しかも間が悪いことに、

ワニの餌やりまで後30分はある。

「…」「…」

よし決めた。

「美恋カンガルー園に行こう」


何故私は今まで思いつかなかったのだろうか、カンガルーは朝は起きてるじゃないか。

「大丈夫よね?動いてるよね?可愛いわよね?」

「大丈夫、多分…」

さっきの出来事のせいで自信が持てない中、カンガルー園に向かった。


12

「望、動いてる!可愛い…」

「よ…良かった」

20匹位だろうか、カンガルーが柵の中を

自由に駆け回っていた。

「あ…あのカンガルーポケットに子供がいるわ、中に入ってる子供は更に可愛い…」

「確かに可愛い…」

「私と望もいつかはあんな感じになるのよね

楽しみだわ…、 私も子供産んだらポケット作って入れよかしら…」


「ははは…そ…その話は今日の夜にして…」

「ふふふ…楽しみ…」

悪戯っぽく笑う嫁、私には刺激が強すぎる

話だ。


ポケットに子供を入れるなんて可愛いけど

人間には縁の無い話だ、エプロンみたいなのを体に巻いてその中に赤ちゃんをいれれば…いや危険過ぎる。


「絶対人間の赤ちゃんも入れたら可愛いと思うんだけどなぁ…」

「危険だから絶対しないで!」

「私が子供を産む頃にはそんな時代になってるかもしれないよ?」

「考えたくもない時代だなぁ…」


そんな事が流行する時代に生まれた赤ちゃんを私は哀れむだろう。

「将来の設計図も立てておかないとね、

どんな時代になるのか分からないんだし」

表情から見てわかる嫁の冗談が、真剣に考えなければいけない事のように感じた。


13

まぁそうこうしてるうちに30分が過ぎた。

「もうすぐワニの餌やりよ!」

よほど楽しみにしているのか、はしゃぐ嫁。

「ワニは動いたら凄いよ…、一回図鑑で見たことが……あ…」

あまりネタバレはよくない、嫁の反応が楽しみだ。

「〜」(今からワニの餌やりを初めます)

「望…何て言ってるの?」

「分からない…」


目の前では、餌やりをする係的な人が、

釣り針に肉を掛けている。どうやら今から

餌やりを始めるらしい、美恋も行動から察した様子だ。

係員が何か言いながらワニの目の前に肉を垂らす、ワニは動かない。


「動かないじゃないの…きゃあ!」

美恋が叫んだ瞬間にワニが飛び跳ねた、

バシャーン!音と共に凄まじい水しぶきと共に水槽の水が溢れでる。

しっかりと目を凝らすとワニは、口でエサを加えていた。凄い力だ…。

「普段から頭だけ出して獲物を狙っているのか恐ろしい…、って美恋?」

少し体が重くなったと思ったら、横にいたはずの彼女が私に後ろから肩に手をかけて震えている。


「ワニって…恐ろ…しい…わね…」

その後もワニは飛び続け、飛ぶたびに美恋も飛びついてきた。


「〜」(これで終了です)

「終わりかぁ…、ワニって生で見ると迫力が全く違う」

「……ワニ……恐ろしぃ…」

どうやら嫁にはワニに対するトラウマが出来たみたいだ。

「そんな怯えないで……ってもうお昼か、

美恋 どっか食べに行こ!」

「私が先導するわ!望、付いてきて!」


今まで気づかなかったが時刻は1時30分を過ぎている。

楽しい時も時間の流れは、早いもんだ…、

いや待てよ気温が上がってきてる気がする。私だけかな?


14

「ご飯〜♩ご飯〜♩バイキング〜♩」

先程の泣き顔は消えて、すっかり笑顔で鼻歌を歌う嫁。まだバイキングかどうか分からないんだけどなぁ…。


美恋の食欲がそうさせるのか、着いた所は

バイキングだった。多分価格は2000円位。

室内だが机は木でできており、周りの草木がジャングルで食事をしているかのような雰囲気を出している。


「美恋何で分かったの?」

「ワニを食べたいとゆう、本能かしら

私には分かるのよ、バイキングの場所が…」

ドヤ顔で語るが、相変わらず謎が多い嫁だ。

「バイキングはね、まずは全てを見るの」

普段行かないのに、どこから情報を仕入れてきたのやら…。

言われて見渡すとかなり人気の場所がある。

「あ…カンガルーのステーキだ」


食べているすぐ横にカンガルー園があるのにも関わらず、肉が置いてある…。


「望、カンガルーって美味しいの?」

「分からない…食べたことないから」

(さっき見たのに全く気にしないんだ…、まぁそりゃそうか)

「あ…美恋、ワニのスープがあるよ」

「うわぁ〜私食べてみたかったんだよね」

余り人気が無いが…美味しいのだろうか?

ちなみに野菜コーナーでは、見たことが無い野菜と果物がいっぱい並んでいた。

15

「カンガルーは、牛肉に近い味がしながらもソースの味が染みわたっていて、ワニは鶏肉に近い味がしてとっても美味しい…」

「なら良かった…、確かに牛肉と味と感触が似てるね」

肉系の他に野菜があったが 野菜は、一部例えようがない、今まで食べたことが無いような味がする物もあった。果物は特に言うことなしだ…。


「ごちそう様でした!」

2人分の声が響く。

「またいつか来ようか…」

「次は、ポケットに子供を入れてね!」

頼むからそんな時代が来ないで欲しい…。

16

店を出ると、時計は3時を指していた。日差しが店に入った時より強い気がする。

「うーん!さあ!どこ行こうかしら」

「美恋…暑くない?」


今日ずっと長袖を着ているのだが、暑くて仕方がない。美恋は、ワンピースに長袖のパーカーを着ている。暑くないのか?


「暑くないけど…、半袖一応持ってきたからあそこで着替えたら?」

「うん…そうするよ」

着替えながらある事に気付いた。


ん…待てよ、そういえば日本は夏だよな、

あまり読まなかったけど、オーストラリアは確か日本と季節が逆って、書いてあった

気が…、そして日本との時差は1時間。


「しまった!忘れていた」

急いで美恋の所に向かう、彼女が日焼けしないか心配だ。

「はぁ…はぁ…美恋」

「どうしたのそんなに急いで」

「美恋落ち着いて聞いてくれ、この国は今夏だ…。このままじゃ日焼けする」

「夏…か…オーストラリアは夏ね…」

私の心配を他所にして、美恋が何かを思いついた顔をした。

「望…海行こ!日焼け止めも、ゴーグルも、水着もあるわ」

(この近くに海あったんだ…、とゆうか女の子って日焼けとか気にする筈じゃ…)

まぁとにかく どうやら美恋の方が、オーストラリアの知識は多いようだ…。


17

「望〜シュノーケリングあるらしいわよ

私やりたい!」

「待っ…て美恋まだ着替えてもないし、日焼け止め塗らないと後で肌が痛いよ」

気づけばもうシュノーケリングの値段を見に行っている。

仕方がないか、日本で海に行ったこと無いから、よほど楽しみなんだろう。

「約1800円位する…」

「えっと、1つだけ貸して貰って2人で使わない?」

「うん!そうするわ」

とゆうわけで次は海でシュノーケリングをする事が決まった。


そんな事があり今は、更衣室

私が先 美恋が後で着替えると決めた。

「速攻で着替えてくるから」

男の水着は簡単だ、海パンを履くだけなんだから 3分位で着替え終わった。

「次 着替えてくるからちょっと待っててね」

それから10分経過

(ちょっととは一体?)

中で倒れたりしてないか心配したが、入ればその時点で犯罪である。だからこうやって炎天下の中待つしかないのだ。

「暑いな…、その辺りの日陰に退避しよ」

待ってればご褒美があるはず、そう信じたい

それから2分後に嫁は出てきた。


ただ単に日焼け止めを塗って海パンを履いただけの私に対して、白いビキニにパーカーを着て少しだけ、身をさらけ出した嫁が更衣室から出てきた。

その姿はまるで…例えようがない美しさだ。嫁のグラビアが出たのなら私は100万円でも買うだろう…。

「望 行きましょ」「…」

「何見とれてるのエッチ」

「あ…いや…あの…ごめん!」

「まったくも… さ!海行きましょ」

海に行くまでの景色より、嫁に目がいってしまう私だった。

18

綺麗な砂浜、綺麗な海、綺麗な嫁、言うことなしの3点セットが目の前に広がっている。


知識が無いので確かなことはいえないけど、砂浜からでも海の底が見える海なんて、日本にはもう沖縄しか残ってないんじゃ無いだろうか。


「シュノーケリングどっちからやる?」

美恋に言われて意識が戻る、目の前にはシュノーケリングの準備をしている現地の人が、沢山いた。

現地の人にも人気ということは、少し泳いだ所にある海の底には、素晴らしい景色が広がっているんだろう。美恋ナイス!

「美恋からしていいよ、私は後でするよ」

「了解!」

とまぁシュノーケリングってまず、足のヒレから着けるのだがこれが以外と足が入りづらい。頭はゴーグルとシュノーケルだけだから簡単なのだが…。

「望…入らない!」

「押すからじっとしてて」

かなり力強く押し込んだらようやく入った。

「さぁ泳ごうか」

と言った瞬間嫁が転んだ。

「歩き辛い!」

エラを着けると砂浜で転びやすくなるそうだ理由はエラの上に砂が乗るからだそう。

(美恋の体験談より)


「美恋…海まで運んであげる」

「おんぶが私の理想よ」

その言葉待ってました!と言わんばかりの

反応速度、少し羨ましい…。

「う〜んよっこいしょ、軽いね…」

「ふふーん、体重にだけは気をつけてるからね」

砂浜から海までは近い事が多いもんだ、少し残念…。

「ここで降りるね、ありがとう!」


美恋が先に海を泳いで行く、私も後に続く

海に潜ると、大きい岩が沢山あってそんなに深くはない。(美恋は、大丈夫かな?)

「岩…魚…海が遠くまで見えるのが凄いわ」

「海の中を見ながら泳いでいって遠くまで行かないでね 頼むから」

「大丈夫よ」

それにしても深くはないが岩の表面のデコボコが酷い、よく見ると岩の無い部分もある。

(結構危ないな…、水の中の景色ばかり見ていたら足を滑らせそう)

「凄い〜 水の中に魚が泳いでる‼︎生きてる‼︎」

「何の種類だろ?」

私の回答を聞く前に既に嫁の顔は水の中に…(ん?急にジタバタしてどうしたんだ)

「美恋 大丈夫?」

「シュノー…ケルに水が入ったわ…大丈夫

少し立って水を出せば やば…立てな…助け…て」

後で本人から聞いた話だがエラを着けたまま海の中で立つのはかなり困難を極める。

海の中で混乱した大抵の人間は、反射的にバタ足をしてしまう。そうするとエラが変な方向に曲がって余計にバランスを崩してしまうらしい。

「美恋⁉︎」

私は急いで嫁の方に泳ぐ!

沈みかけている手を掴んで引き上げた。

「げ…げほげほ…あ…ありがと…う げほ…」

「大丈夫?と…とりあえず砂浜まで運ぶよ」

「大丈夫…げほ…私1人でも行けるわ、心配げほ…しない…で」

どっからどう見ても強がっている。

また溺れるかもしれないのに。

幸いここは、私の身長なら腰から下が海に浸かる位だ。

私は嫁を平らな岩がある場所に引き寄せて、大丈夫だと言い張る美恋を、少し欲望が混じった手を使って お姫様抱っこで持ち上げた。

「きゃあ!」「ご…ごめん」

「おんぶの…次は、お姫様…抱っこね…エラも着いて…て……王子様に…助けられた…、気分みたいで…最高に幸せ…だわ、げほげほ」

冗談を言える位には、落ちついたようだ。

美恋をとりあえず陸まで運び、近くにあった椅子に寝かせる。だいぶ落ち着いた様子だ。

「シュノーケリングはちょっと早かったかな?」

「まずは…歩き方と泳ぎ方を聞いてから泳ぐべきだったわね…」

「失敗は成功の元って言う言葉があるから、大丈夫だよ。」

「あはは…便利な言葉ね、今更だけど助けてくれてありがとう」

「どういたしまして〜」


その後は、ヒレは着けずにシュノーケルだけを着けて、回復した美恋と綺麗な海を少しだけ泳いだ。

19

「あ〜楽しかった!」「良き良き…」

美恋が満足してくれて良かった。一時は、

どうなるかと思ったもんだ。

「んじゃ、そろそろホテル行こうか」

「待って望、スーパーだけ行かせてお願い」

「まぁ…いいけど、ホテルに荷物置いてから行こうか」

〜ホテル行きと英語で書かれたバスに乗り込み。席に座った瞬間余程疲れが溜まっていたのか私の意識は途切れた。










































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