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色んな人々の思い出話  作者: 源泉温泉
1/2

彼女は天使のようだった… 番外1



1

私の告白を美恋は、笑って頷いてくれた。

それから一ヶ月後に私達は式を挙げた…。

私の親以外に参列者が誰も居ない結婚式、

美恋の親は来なかった。

まぁ色々事情があるんだろう。

今年の1月の出来事、もうそれから11ヶ月が過ぎた。


昔と違う とても明るくなった部屋でパソコンのメモ帳と通帳を確認する、よし計画通りだ。

(この日の為に沢山短期の仕事をこなしてきた…)

机の上に置いてあるパソコンに映る、もう10回は読んだ 初めての激安海外旅行と書いてあるサイト。


「望〜ご飯よ!」

「ああ…分ったすぐ行くよ!」

パソコンを、閉じて美恋が作ってくれたご飯を食べに向かう。食べ終わりが話をしても、 いい頃だ。

とっても美味しいご飯を嫁に感謝しながら

食べ終わる。


「ねぇ美恋」「なーに?」

「新婚旅行かない?」「え…」

まるで、お化け屋敷に入って驚かされたような顔をする、私の嫁。


「どう…どうしたの!急に…熱は無いわね」

「だってそろそろ結婚して1年近いし…

美恋は行きたくない?」

「そりゃ…私だって行きたいけどお金が…」


「2人で8万2000円の格安飛行機プラス

ホテル付き ツアー 2泊3日 その他諸々全部合わせて…12万円で行ける…」

「安… 流石日本だわ…」

「謝らなきゃいけないこともある、ごめん

自分が旅行したいが為にお金を節約してた」


11ヶ月ずっとお金が今月あまり稼げなかったと嘘をついてずっとお金を貯めてた。

だからあまり遊びに行けてない。

「その位気にしなくてもいいわよ、それよりも新婚旅行は、日本の何処に行くの?飛行機に乗るなら 北海道?あ…沖縄もいいわね…」


「え…と、オーストラリアの自然が多い所」

「はい?もう一回言って」

「オーストラリア」

「望って…英語喋れたっけ?」

「少しは勉強したから大丈夫!」

こうして2日間滞在を予定する。新婚旅行の日程が決まった。

ちなみに日程は、1週間後だ。

2

行くと決めてから1週間が過ぎた。その間パスポートを申請したり荷物を用意したりして過ごした。

「美恋まだ2日しか経ってない気がするんだが…」

「私もよ…」

お互いに楽しみで仕方がなかったみたいだ。

「飛行機何時だっけ?」

「7時」

「チケット持ったし…財布も…」

「忘れ物は、無いわ!」

胸を張って嫁が言うなら確実だろう。

「んじゃ行こうか」

私達は、空港に向かった。

3

着いたのは、4時30分位。

ゲートで、パスポートを拝見してもらい、

大型の荷物を預けた、特に何もなく通る事が出来た。

「次は小型の荷物検査ね」「あ…けど」

小型荷物の検査場所には、大量に人が並んでいた。

「待つしかないわね…」

「仕方ないか…」

軽く30分は並んだ。だんだんと、順番が近くなってくる。

時計を互いに見ると6時を指していた。

「早く来てて良かったね…」

互いに言葉が重なる…。


「あの時のデートみたいね 懐かしいわ…」

「まだ結婚して11ヶ月しか経ってないよ」

「………望から11ヶ月でロマンチックな心が

失われたわ…」

「恥ずかしいし…」

周りに人が沢山居るのに聞かれたりしたら、更に恥ずかしい。

「懐かしいわ…って言われたら普通あの時の夜をお互いに思い出してキスするのが定番でしょ‼︎

あの時が望が勇気を出して告白してくれて、その後に初キスした最高の思い出なんだから‼︎」

「美恋 声がでかい…、落ちついて…」

背中を軽く叩いて 嫁を宥める私に対して 周りから嫉妬の目が大量に飛んで来た…。

4

特に問題もなく、小型荷物検査は終わった。飛行機に乗車も出来た。

予想はしていたが、座席の間はかなり狭く

机も小さい。

私は、窓側 美恋はその横だった。

「後は飛び立つのを待つだけか」

「恥ずかしい…公共の場で…皆んなが見てる中で……」

さっきと立場が逆である。

「ほら美恋体起こして、もうすぐ飛び立つだからシートベルト閉めないと」

ぼーとしていて気づかなかったが、もう出発し前の機長のアナウンスが聞こえてきている。

「え…では離陸します!」

飛行機が動き出した。外の景色を、見てなくても振動で分かる。

ジェットコースターのような振動が、体に伝わり飛行機が飛び立った。

5

まだ飛び立って10分位しか経ってない気がするが、そろそろ夕飯の時間なのか、スチュワーデスが料理を配っている。

「ビーフorフィッシュ?」

定番の質問がもうすぐやってくる。

「望、なんて言ってるの?」

「肉か魚かって言ってるの、美恋はどっちが食べたい?」「お肉かな…」

「じゃあビーフだね聞かれたらビーフって、答えて」

やっと私達の番がきた。

「ビーフorフィッシュ?」

「ぶ…ブーフ!」「違う違うビーフだよ」

「ビーフ…!あ…貰えた。」

お互いにビーフ 飲み物はコーヒーを選んだ。

オレンジ色のトレイに四角い箱とパンと

コーヒーが置かれる。

「四角い箱は主食のビーフ、パンにはバターが………無い…」

「ちょっと探してみる」

目の前にある物の中でバターの可能性があるもの

目についたのは四角形で1cm位の小さな袋、砂糖ではなさそうだ。


「何この小さな袋、バターの代わりかしら?

どれどれ」


「えーと これ何て書いてあるんだ…?」

袋に書いてある字が小さくて見にくい。


「へぇ 飛行機ってバターの代わりに胡椒なのね 初体験」


「ペッパー 美恋これ胡椒だから肉にかける…」


「胡椒パンって結構イケるわね、こんな食べ方を思いつくなんて流石国内の飛行機だわ…」


いいえ思いついたのは貴方が初めてです。


バターが無いのは何故だらうか、コーヒーにつけて食べる事が出来るからだ。

それを嫁に伝えるのは、帰ってからにすると決めた。


そして時刻は、就寝時間。

「美恋このマスクを目につけて」

「何これ?」

「これを付けるとぐっすり眠れるからほら」

真っ黒のアイマスク、飛行機は完全には暗くならず所々光がついている。

光を気にせずにゆっくり寝れるようにしてくれるのがこのマスクの特徴だ。

「マスクをつけても明日が楽しみで眠れそうにないわ…」

「カンガルーとワニが見れる場所に行くから楽しみにしてて」

「カンガルーは日本に生息してないから見るのが楽しみ…、きっと可愛いわ」

「少し眠くなってきた……おやすみ美恋」

「ふふふ…おやすみなさい…」


目の前が真っ暗な中、久しぶりに柔らかい

感触が口に伝わる。

その後中々寝付けなかったのは、きっと寝る前にキスをしてきた嫁のせいだ…。


6

「は!」

いつの間にかぐっすり寝ていたようだ、アイマスクを取り横の美恋を見る。

しっかりと寝てるようだ…。


目の前の画面の現地到着予想時間を見ると、後2時間…。暇だからといって美恋を起こすわけにはいかないし何をしようか。

結局海しか見えない外の景色を見ながら、1時間が過ぎた頃。

「ただ今より朝食を配ります」


「美恋起きて」

「うーん…あ!おはよう…」

「朝食がもうすぐ配られるから、机出しててね」

「ビーフだよね?」

「朝食は何も言わなくていいよ」

その言葉は、帰りに間違えずに言ってくれ

たら完璧だ。

7

朝食は砂糖の入っていないバナナケーキ。

甘く無くて 味が無くて 感触だけが楽しめた。

しかも味のお陰で目を完全に覚ますことができた。

「着陸しますー」

アナウンスと同時に天井についている赤い

ベルトのランプが点灯する。


着陸の影響で機体が少し揺れる、30分前位に朝食を食べた体に響く。じゃあ私よりはるかに吐きやすい嫁は?


心配になって横を向くと、ベルトをしないで口を押さえる嫁の姿。


「美恋 シートベルト付けて」

「うぇ…、ベルトつけたら更にやばいかも…」

「袋用意したからこれに吐いて‼︎」


目の前の景色が、ガタン!とゆう大きな音を立てて着陸した。

「うぇぇぇぇぇ…」

真横からは大きな声が聞こえた。


そんな事が機内であり吐いたものを捨ててトイレに嫁を行かせてから入国審査に向かった。


「とゆうわけで荷物検査も異常なし入国審査も大丈夫で無事に着きました空港の外!」

ちなみに入国審査は日本語が出来る人だった

「私は無事じゃ…無いわよ…」

「スッキリした?」

「今は最悪の気分…」

「そこに椅子があるから休憩してから行こうか」

それから10分後…

「もう大丈夫!、吐き気も無くなったし、

これからどこ行くの?」

「動物園、ワニ園とカンガルー園と

コアラ園があるらしいよ」

「私、全部本で見たことしか無い……んー

ワニか…うん!楽しみ 食べるのが…」

最後の方は聞かなかった事にしよう。


「行こうか」「うん!」

私達は、タクシーを呼んで動物園?に向かった。


8

タクシーの中、過ぎ行く景色を見ながら思う日本って狭いな…。

「オーストラリアの道路って広いし、信号があまりないし動物が多いわね。あ!牛と馬がいるわ」

「初めて海外に来たけど、日本以外はどこの国もこんな感じなのかな?」

「行った事がないから 分からない〜♪」

「ぐはぁ…」

嫁の言葉が胸に刺さり、それを引き抜けないまま、タクシーは動物園に着いたのだった。

9

降りた場所には、看板が立っており 。

ようこそワニ園へ!と日本語で書かれてある。

「日本語よ!日本語‼︎」

「観光客が多いからかな?所々日本語が書いてある」

周りの客を見渡すと、日本人がちらほらいる気もする。

見渡している間に美恋がパンフレットを持って来た、ため息をつきながら。

「これ殆ど英語だわ…」

「あ…けどこれ絵があるよ、多分この赤い点は現在地だね」

「よく分かるわね…」

地図は割と日本と近い感じだった。絵と記号と少しの日本語で大体場所が分かった。

「美恋どこ行きたい?」「ワニ‼︎」

ワニ園でワニは食べれないと、後でいい聞かせると決めた。

10

「とゆうわけでやって来ました!ワニ園」

最初に選んだのはワニ園である、ワニ園とは名前の通りワニが沢山いる所だ。

今こうして見渡すだけで人間の平均身長より長いワニが約10匹もいる。

「うわぁー!大きい…」

美恋と最初に見に行ったワニは、この園で一番大きいワニだ。

「望 このワニ名前なんて言うの?」

「え…とね、Boss(ボス) crocodile(ワニ)

だね」

「ワニって全然動かないのね、頭しか見えないし… 私全体が動いてる所見たい‼︎」

どこで知ったのか上目遣いで、こちらを見る嫁、断れる訳がない。

「後でエサをあげるらしいからその時には、動くよ」

「本当!楽しみだわ…」

その後も、全く動かないワニを見て回った。

「まだエサやりには時間があるね…、コアラ見に行こうか?」

「うん!」

ワニの次は、コアラか…少し嫌な予感がするな…。そんな思いを抱えながら、コアラ園に向かった。










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