プロローグ
「……ん、なんだこれ」
日々を平凡に過ごす高校生、洲崎琢磨は暇していた。ごく普通の、何処にでもいるような高校生であるような彼は、いつものように自室でベットに寝転がりながら携帯をいじりソシャゲに明け暮れる。そんな毎日を過ごしていた。しかし、この日はいつもとは違った。
いつものようにツイッターでゲームの攻略情報を集めていると、フォロワーのRTが目に入った。それは、近日公開という新しいゲームの宣伝。
「ソーシャル・リアル・ゲーム……SRG?」
有名な会社の新作らしい。しかし、情報はまだ非公開とのことだ。この会社のゲームは好きだったので、とりあえず事前登録だけ済ませようと思った。ツイートのURLをクリックする。しかし、そこから様子がおかしい。スマホの画面が暗くなり、中心に読み込み中のような円とローディングという文字が表示される。
「なんだよ。スパムか?」
しかし、その不安はすぐに解消された。すぐに読み込みは終わり、画面にWelcome to SRGという文字が表示され、あと32時間というカウントダウンが始まった。今は3/30の12時なので4/1配信ということだろうか。
ツイッターで情報を調べる。しかし、いくら探しても宣伝ツイートしか見当たらない。事前登録完了と同時にツイートされているのだろうか。しかし、配信の2日前に発表するとは……
気になったが、これ以上気にすることはなかった。今はそれより、高校に上がったばかりの自分が新学期まず何をするか、そればかりを気にしていた。とはいえまだ1週間以上あるのだが。昼間だがもう昼飯も食い終わり眠くなったので、昼寝することにした。携帯を机に投げ、布団に潜る。
投げられた携帯が、勝手に起動した。画面には、SRGインストール中の文字。それは1分も経たず終わり、一つだけ画面上に文を表示させる。
<SRGへようこそ。最期のひとときをお楽しみください>