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風が少女へ語る時  作者: 胡桃パンの元
第4章 普と伯
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第42話

よ、よろしくおねがががががががが

すみませんでした!(ジャンピング土下座)


「え……? どういうこと?」


確かに普は(ふう)を呼んだはずだった。

だが、ここにいるのは紛れもない(はく)で。

前に手当てした包帯もそのままだった。

「こ、これは……一体?」

(せつ)も驚いた顔をしている。(せつ)にも理由は分からないらしい。


だが、

『会いたかったよ~(ふう)さ~ん!』

突然玉兎(ぎょくう)は伯のほうへ跳びその体を抱きしめた。

『げっ!? 玉兎』

『元に戻ってる~。そんな(ふう)さんも大好き~♪』

『は、離せぇぇ~く、苦しい~……』


この状況と似たものを【イルカわくわくランド】で、見たことがあった。その時は、(ふう)が玉兎に抱きしめられて苦しそうにしていたのだ。

玉兎は、今、伯のことを(ふう)と呼んだ。

元に、戻っているとも。


「ねえ……あなた、(ふう)なの?」


普の言葉にその場の空気がぴんと張り詰めた。

全員の視線が伯に注がれる。


伯は下唇をぎゅっと噛んで、決まりが悪そうに眼を背けた。

それが答えのようだった。


「何、それ……私にずっと隠してたの?」


伯は俯いたまま答えない。

友達を作るお手伝いだなんて言って、突然現れた妖精は大きな隠し事をしていたのだ。

普は(ふう)が何の目的で、何のために普に近づいてきたのか、わからなくなった。


『風神、もういいだろ? 素直に話しとけよ』

『隠し事はよくないよ?』

そんな金烏(きんう)と玉兎の言葉にも反応しない。



直後、召還した時と同じ、もしくはそれ以上の風が巻き荒れた。

前が見えなくなるほどの突風に一同は顔を顰めた。


普は風を起こして威力を相殺させようとしたが、それでも止まる気配のない爆風に膝をついた。

その時に伯が玉兎を引き剥がして立ちあがったところを見た。

悲しそうな表情を薄っすらと浮かべ、普と顔を合わせることなく空へ飛んだ。

「ま、待っ……くっ」

声を張り上げるもこの風の中話すことは厳しかった。




気がつくと風が止んでいた。

金烏と玉兎の姿も見えない。

ふと、(せつ)が普の顔を覗き込んできた。


「あ、普さん。そ、その、金烏様と玉兎様は追いかけて行ってしまったようで……す」

「……うん」

さっきまでの風が嘘のように消えて、音までなくなってしまったみたいに自分たちの声だけが大きく反響する。


「ま、まさか伯様が(ふう)様だとはわ、私も、し、知らなかったもので……」

「……うん」

頭の中はなんだかすっきりしていた。二人が似ているとどこかで思っていたのかもしれない。

「そ、その……私、何の役にも、立たなくて……すいません」

(せつ)の目に涙が溜まっていた。自分を責めているのだろう。

(せつ)が謝ることなんて何もないでしょ?」

「そう、でしょうか?」

「うん」


私は、知らなかったんだ。


(ふう)が私の前に現れた本当の理由を。


知らなかったんだ。(ふう)がそんなにも正体が露見する事を怖がっていた事を。


怖がっていたんだ。だから、本当の事を言わなかった。見せなかった。


何故だろう? その理由を教えてよ。


私は、(ふう)、あなたの口からそれを聞きたい。


あんた、本当は金烏以上に怖がりじゃないの。


この時ほど、相手のことを知りたいと思ったことはなかった。





刹那、寒気がした。





嫌な感じだ。


振り返って空を見上げると空が渦を巻いていた。

空が黒い渦を巻いて闇を生み出す。


「な、何、あれ?」

その闇は球になって黒い煙を巻きあげていた。


「と、とうとう来てしまわれました」

その中心から、人影がゆっくりと降りてきて、真っ直ぐに学校の屋上に降り立つ。


『久しいな、(せつ)よ。任務を放ってお遊びとは、楽しそうだな』


黒いローブをかぶった大柄の男は開口一番にそう言った。

(せつ)は、怯えるように後退する。


「ぎ、暁闇様……」


とうとう、(ふう)を連れ戻すために(せつ)たちへ命令していた親玉が出てきたらしい。

普の頬を冷や汗が流れ落ちた。



A:なあ、これってなんのコーナーだっけ?

B:確か……登場人物を呼んだり、作者の悪口を言ったりしていたような……?

A:あー、そんな昔のことは忘れたぜ。じゃ、新しいコーナーでも作るか?

B:いや、そもそもここ、あとがき。

A:だよなー。

B:少し落ち着いたな、A。

A:2年の月日は長かった。

B:それな。

    続く……?

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