第37話
私は、大変な事件に直面してしまった。
目の前に、倒れている人を見つけたのだ。
普通の人なら助けようと思うんだけど……
何で……着物?
何このイケメン。
______________________________
今日は風がいない一日だった。
天気が急変して、体育が校庭じゃなくなって体育館に急遽変更になったり、雷や竜巻で大騒ぎになったりしたけど……これにあの奴が関わってない事を祈る。
とりあえず、あとでぶっ飛ばす。
私はいつも通る階段を上って家路を急ぐ。
坂や階段が多い田舎町なので、階段の数はかなり多い。
階段を登りきってしまえば……まあ、まだ上り坂があるんだけど、階段よりは疲れない。
すぐ家に着くだろう。
そろそろ蝉の声が聞こえ始める時期になってきた。
もう時期、蒸し暑い夏がやってくる。
夏休みは宿題早く終わらせてゆっくり休もう。
そんなことを考えながら階段の上にたどり着く。
いつもなら人などほとんどいないような場所である。
薄気味悪い、と近づこうとしない人すらいる。
だが、今日は違った。
「誰……この人」
男の人が倒れていた。
それだけなら驚くこともまだ少ないかもしれない。
だが、この人は何か違った。
着物を着ているのだ。
倒れている人の年齢はたぶん普と同じくらい。
気絶しているのか、眠っているのかわからない。
しかし、目は閉じられているが一目でわかる。
この青年、めっちゃイケメンだった。
端整な顔立ち、整った輪郭。
アイドルグループなんかでテレビに出てくるような、そんな印象を受けた。
だが、アイドルという華やかさはなく、爽やかでミステリアスな雰囲気があった。
そして、一番に目を引くのが長い髪。
普も髪は腰まであり、手入れも毎日きちんとしている。
この青年はそれ以上に長く、膝辺りまで髪がある。
にもかかわらず普以上にさらさらの髪だった。
「な、なんとも羨ましい……」
いやいや、今はそんな事を考えている時ではないと思いなおし、その青年の傍に座りこんだ。
「あ、あの……大丈夫ですか?」
青年に反応はない。
小さく揺すってみる。
「ゔ……」
小さかったが声が聞こえた。
「うわ~美声」
普は変な所に感心していた。
「ん……うう」
しばらくすると青年の目がうっすらと開いた。
「あ、起きた。よかった」
普は一安心し、ほっと息をついた。
対してその青年は驚いた表情で普を凝視している。
「ねえ」
普が少し話を聞こうと声をかけるとびくりと飛びのいた。
「あ、驚かせちゃった? ごめんね」
普は慌てて謝った。
青年の方も逆に焦って頭を下げる。
「いや……お、俺の方も騒がせたみたいで……」
まあ、何と透き通った声。声優目指さない?
普の脳裏にチラリと何かの記憶が横切った。青年の方をじっと見て、その何かを思い出そうと必死に頭を回転させる。
「いきなり質問して悪いけれど、如何してここで倒れていたの?」
普の質問に青年は口を閉じた。
「言えないんだったら、別にいいんだけどね」
「その、すまない」
青年は俯いた。長い髪がさっと靡いて、瞳は宝石のようにきらきらと輝いている。
普は、青年から目が逸らせないでいた。
「あなた、名前は? 名前なら大丈夫?」
普がそっと訊ねる。
「えっと……」
青年は緑の瞳を揺らした。
「それも駄目?」
「……伯」
ぼそっと青年の口からそう聞こえた。
「……え? は、はく?」
普はこの前見た日記を思い出していた。
そこに確かに、はくという名前が載っていたのだ。
「私は、普。突然だけど、あなた、私を知ってる?」
幼いころ書いた日記にでてきた、はく、という名の人物。言われてから、改めて青年の雰囲気を感じれば、今にも消えてしまいそうな繊細さがあり、人とはどこか違う気がした。
そう、雪や金烏、玉兎たちのような。
普の問いの後、しばらく静寂が続いた。
「……どうしてそう思う?」
それは知っているという答えにも取れた。
「日記。昔の日記に、はくって名前があった」
「別人かも」
「そうかもしれない。でも、あなたを知っている気がする。それにあなた、妖精と似た感じがするわ」
伯は目を見開いて驚いた。
「気配感知……」
妖精の言葉を出して変に驚かれない。
この人は普通の人間じゃないと普のなかで決定付いた。
伯が着物に付いてしまった砂を払う。
と、傷が見えた。
「ちょ、ちょっと、怪我してるじゃない!?」
「え。別に大したこと……」
「ばい菌が入るとダメよ。手当てしてあげるから家に来なさい」
「い、いやいやいやいや、本当に大丈夫だし」
「む。私に手当てされるのが嫌なわけ?」
普が脅迫にも似た睨みを送る。
「そうじゃないけど!」
「なら、決まり。色々聞きたいし、引きずってもつれてくわよ」
「……怪我人にそれはひどい」
普がそっと伯に手を差し伸べた。
「ま、兎に角、あなた立てる?」
「そのくらいはできなくてどうする」
伯がゆっくりと立ち上がった。
目線はほとんど普と変わらない。
少し伯の方が上。ただそれだけ。
身長165センチ程度といったところか。
いや……もう少し低いかもしれない。
「男なのに背、低いわね」
「うるさいな」
普は、伯を半分ひっぱるような形で家に連れていった。
A:ハローハロー!
B:恒例(?)のあとがきの始まり始まり
A:ま、つまんねえけどな!
B:それを言うな。
A:それは置いとくとして俺は今年の目標がようやく決まったぜ!
B:遅っ……。
A:だって!作者の投稿する周期遅すぎなんだよ!
B:ま、まあそうだが。で、肝心の目標は?
A:『本編より面白いあとがきにする』!
B:……本編を超す……だと……!?
A:そうなったらもう俺らが本編と入れ替わるっきゃないだろ!
B:お、おう。
A:待ってろよ~本編デビュー!!
B:が、がんばれー(棒)
作者:フハハハ、そう簡単にいくかな?
A:は!この声は作者!!
B:ラスボスかよ……。
作者:貴様らの様なザ・脇役キャラが作者に楯突く事などできるまい。フハハハ!
A:なにおう!おいB!あいつをぶん殴ってやろうじゃねえか!
B:ザ・脇役……胸が痛い。
A:……へこたれてんじゃねぇええ!
作者:どうせ出来っこないだろうが、せいぜい足搔くがいいさ!さらばだ!
A:覚えてろ作者ぁあああ!絶対にお前を倒してやるぜ!!
B:……本当に何?このコーナー。
A:あとがきに決まってんじゃん!
続く……?




