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風が少女へ語る時  作者: 胡桃パンの元
第4章 普と伯
37/44

第37話


私は、大変な事件に直面してしまった。


目の前に、倒れている人を見つけたのだ。

普通の人なら助けようと思うんだけど……

何で……着物?

何このイケメン。

______________________________


今日は(ふう)がいない一日だった。

天気が急変して、体育が校庭じゃなくなって体育館に急遽変更になったり、雷や竜巻で大騒ぎになったりしたけど……これにあの奴が関わってない事を祈る。

とりあえず、あとでぶっ飛ばす。


私はいつも通る階段を上って家路を急ぐ。

坂や階段が多い田舎町なので、階段の数はかなり多い。

階段を登りきってしまえば……まあ、まだ上り坂があるんだけど、階段よりは疲れない。

すぐ家に着くだろう。


そろそろ蝉の声が聞こえ始める時期になってきた。

もう時期、蒸し暑い夏がやってくる。

夏休みは宿題早く終わらせてゆっくり休もう。


そんなことを考えながら階段の上にたどり着く。

いつもなら人などほとんどいないような場所である。

薄気味悪い、と近づこうとしない人すらいる。

だが、今日は違った。

「誰……この人」


男の人が倒れていた。

それだけなら驚くこともまだ少ないかもしれない。

だが、この人は何か違った。

着物を着ているのだ。

倒れている人の年齢はたぶん(あまね)と同じくらい。


気絶しているのか、眠っているのかわからない。

しかし、目は閉じられているが一目でわかる。

この青年、めっちゃイケメンだった。

端整な顔立ち、整った輪郭。

アイドルグループなんかでテレビに出てくるような、そんな印象を受けた。

だが、アイドルという華やかさはなく、爽やかでミステリアスな雰囲気があった。


そして、一番に目を引くのが長い髪。

(あまね)も髪は腰まであり、手入れも毎日きちんとしている。

この青年はそれ以上に長く、膝辺りまで髪がある。

にもかかわらず普以上にさらさらの髪だった。


「な、なんとも羨ましい……」


いやいや、今はそんな事を考えている時ではないと思いなおし、その青年の傍に座りこんだ。

「あ、あの……大丈夫ですか?」

青年に反応はない。

小さく揺すってみる。

「ゔ……」

小さかったが声が聞こえた。


「うわ~美声」

普は変な所に感心していた。


「ん……うう」

しばらくすると青年の目がうっすらと開いた。

「あ、起きた。よかった」

普は一安心し、ほっと息をついた。

対してその青年は驚いた表情で普を凝視している。


「ねえ」


普が少し話を聞こうと声をかけるとびくりと飛びのいた。

「あ、驚かせちゃった? ごめんね」

普は慌てて謝った。

青年の方も逆に焦って頭を下げる。

「いや……お、俺の方も騒がせたみたいで……」

 まあ、何と透き通った声。声優目指さない?


普の脳裏にチラリと何かの記憶が横切った。青年の方をじっと見て、その何かを思い出そうと必死に頭を回転させる。

「いきなり質問して悪いけれど、如何してここで倒れていたの?」

普の質問に青年は口を閉じた。

「言えないんだったら、別にいいんだけどね」

「その、すまない」

青年は俯いた。長い髪がさっと靡いて、瞳は宝石のようにきらきらと輝いている。

普は、青年から目が逸らせないでいた。


「あなた、名前は? 名前なら大丈夫?」

普がそっと訊ねる。

「えっと……」

青年は緑の瞳を揺らした。

「それも駄目?」



「……(はく)

ぼそっと青年の口からそう聞こえた。


「……え? は、はく?」

普はこの前見た日記を思い出していた。

そこに確かに、はくという名前が載っていたのだ。


「私は、普。突然だけど、あなた、私を知ってる?」

幼いころ書いた日記にでてきた、はく、という名の人物。言われてから、改めて青年の雰囲気を感じれば、今にも消えてしまいそうな繊細さがあり、人とはどこか違う気がした。

そう、(せつ)金烏(きんう)玉兎(ぎょくう)たちのような。


普の問いの後、しばらく静寂が続いた。

「……どうしてそう思う?」

それは知っているという答えにも取れた。


「日記。昔の日記に、はくって名前があった」

「別人かも」

「そうかもしれない。でも、あなたを知っている気がする。それにあなた、妖精と似た感じがするわ」

伯は目を見開いて驚いた。

「気配感知……」

妖精の言葉を出して変に驚かれない。

この人は普通の人間じゃないと普のなかで決定付いた。


伯が着物に付いてしまった砂を払う。

と、傷が見えた。

「ちょ、ちょっと、怪我してるじゃない!?」

「え。別に大したこと……」

「ばい菌が入るとダメよ。手当てしてあげるから家に来なさい」

「い、いやいやいやいや、本当に大丈夫だし」


「む。私に手当てされるのが嫌なわけ?」

普が脅迫にも似た睨みを送る。

「そうじゃないけど!」

「なら、決まり。色々聞きたいし、引きずってもつれてくわよ」

「……怪我人にそれはひどい」


普がそっと伯に手を差し伸べた。

「ま、兎に角、あなた立てる?」

「そのくらいはできなくてどうする」

伯がゆっくりと立ち上がった。


目線はほとんど普と変わらない。

少し伯の方が上。ただそれだけ。

身長165センチ程度といったところか。

いや……もう少し低いかもしれない。

「男なのに背、低いわね」

「うるさいな」


普は、伯を半分ひっぱるような形で家に連れていった。


A:ハローハロー!

B:恒例(?)のあとがきの始まり始まり

A:ま、つまんねえけどな!

B:それを言うな。

A:それは置いとくとして俺は今年の目標がようやく決まったぜ!

B:遅っ……。

A:だって!作者の投稿する周期遅すぎなんだよ!

B:ま、まあそうだが。で、肝心の目標は?

A:『本編より面白いあとがきにする』!

B:……本編を超す……だと……!?

A:そうなったらもう俺らが本編と入れ替わるっきゃないだろ!

B:お、おう。

A:待ってろよ~本編デビュー!!

B:が、がんばれー(棒)

作者:フハハハ、そう簡単にいくかな?

A:は!この声は作者!!

B:ラスボスかよ……。

作者:貴様らの様なザ・脇役キャラが作者に楯突く事などできるまい。フハハハ!

A:なにおう!おいB!あいつをぶん殴ってやろうじゃねえか!

B:ザ・脇役……胸が痛い。

A:……へこたれてんじゃねぇええ!

作者:どうせ出来っこないだろうが、せいぜい足搔くがいいさ!さらばだ!

A:覚えてろ作者ぁあああ!絶対にお前を倒してやるぜ!!

B:……本当に何?このコーナー。

A:あとがきに決まってんじゃん!

     続く……?

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