第35話
メリークリスマス!
なんだか雲行きが怪しい。
今日の天気は晴れだってテレビで言っていたのになぁ。
黒い雲が青い空を今にも覆い尽くそうとしている様子をぼんやり眺めながら普は溜め息をついた。
「あ、普さん。授業が始まりますよ?」
雪が普のところまでやってきた。
最近はよく雪と一緒にいる。
風の事とか色々な事情を知っているからか、心おきなく話せる一人の……友達、である。
雪が普のとこをどう思っているのか分からないため、普ははっきりと断言していいのか分からない。
「はーい。今行くから」
はっきりと友達だ、親友だ、と言えるようになりたい。
雪はにっこりと天使の様な柔らかい笑顔を浮かべている。
……まず、私、雪の可愛さに遠く及ばないな。
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次の授業は、運動場での体育である。
体操服に着替え、雪と普が下足室へ向かう。
そこにいたのはあの三人組だった。
「あら、東間(普)さんに山戸(雪)さん」
ゆるくパーマがかかった髪を自慢げに揺らす畑中 凛子。
「偶然ですね」
ストレートの黒髪をポニーテールにして束ねた木山 詩織。
「一緒にいこーよ♪」
体育の時間でも可愛さをアピールする島津 桃花。
かつて、普に目を付けてからかってきていたが、いつの間にか仲良くなっていた。
普は未だに慣れないが。
「う、うん。いいよ」
最近はこのように話しかけてくれるが、最初の頃の嫌味な言葉を言ってくる印象が普の心に強く残っていた。
「はい。み、皆で行けば、賑やかで楽しいですし」
対して雪は笑顔で三人に対応する。
これが友達が出来る人とそうでない人の差なのだろうか……?
そんな事を考えながら校庭へ出てみると、先ほどよりも雲行きが怪しい。
「いやね、雨が降りそうじゃない」
凛子がそう言うと、周りも頷いた。
「私~こんな天気の日に体育なんて疲れる事したくないよぉ~」
桃花が口を尖らせて空の雲を睨む。
「で、でも、雨という予報はありませんでしたし……」
困り顔で雪が二人を宥めた。
と、普の頬に何やら冷たい物が伝った。
指でこすってみると、一滴の水。
「あ……降ってきたかも」
「「「「え?」」」」
普の一言で空を同時に見上げた四人はなんとも間抜けだった。
頭上に広がるのはどこまでも真っ黒な空。
まだ青空が見えた先ほどとは大違いの空模様だった。
ぽつりぽつりと落ちてくる雨はだんだんとその雨足を速めていた。
「これからもっと降ってきそうですね」
詩織が少し濡れた黒髪を掻きあげる。
「こんな所で濡れていても仕方がありませんわ。皆さん、一度屋根のある方へ戻りませんこと?」
「だよね♪ 私、濡れるのきら~い」
普達以外の他の生徒も屋根のある建物の中に入っていた。
そこへ先生が慌てた様子で駆けてくる。
「皆さん。今日の体育は体育館で行います。すぐに移動をしてください」
「では、私達も行きましょうか?」
「はい」
「れっつごぉ~♪」
そんな三人の後をとりあえず追う普。
ふと、雪の方を見ると、雪は空を見上げて不安げに眉を下げていた。
「……雪?」
普が雪を呼ぶと、雪はさっきの表情を消した。
「は、はい。すいません。ぼーっとしてしまいました」
「大丈夫? 何かあった?」
「い、いえ、何もないですから、気にしないで下さい」
そう言って笑う雪の笑顔は引き攣っているように見えた。
「……そう、それなら、いいんだけど」
胸に小さな不安を抱く普だった。
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この天気は体育の授業が終わっても続いていた。
昼休みが終わった辺りから天気がおかしい。
あと、一時間もしないうちに今日の授業は終わる。
もうすぐ帰れるというのに気分はのらなかった。
ごろごろごろっと激しい落雷が耳の奥に響く。
窓の外は嵐だ。
落雷と激しい暴風が痛いくらいに聞こえてくる。
いつになったら晴れるのか、と思えば、急に空の雲が晴れていった。
雲間から太陽が顔を出し、あっという間に青空が広がる。
たった数時間見なかっただけの太陽が懐かしい。
いや、おかしい。
普は、風と契約したことで感じるようになった風の動きを見る。
真っ白い紙へ、ぐちゃぐちゃに絵を描いたように、青空の下の風は滅茶苦茶であった。
「――ん」
一体、これは―――
「―――さん」
「東間さん」
「は、はい!」
普はようやく先生が自分を呼んでいたことに気が付き、はっとする。先生は教科書を手にため息をつきながら普を窘める。
「全く、しっかり授業を受けてくださいね」
「す、すいません……」
どうにも心がもやもやする。
A,B:メリークリスマス!!
A:あとがきのはじまり~!
B:あとがきのネタがないから行事に走ったか。
A:んなこと気にすんなって!
B:まあ、そうか。ところで、A。
A:なんだあ?
B:サンタさんは見れたのか?
A:…………。
B:ど、どうした?
A:寝ちまった……寝ちまったんだよぉおお!!
B:お、おう。
A:せ~っかく、花子、起きて頑張ってたのにぃ!
B:あ、は、はい…。
A:サンタさん来るところ見たかったよぉ~!
B:そ、そうですか……。
A:うわぁあああん
B:そのしゃべり方が素なのか……?
A:っは!?
B:……俺ハ何モ聞イテハイナイ(棒)
A:…………よろしい。
続く……?




