第34話
もうすぐクリスマスですね。
……この話は真夏ですが。
平日のよく晴れた昼過ぎの事。
家々の入り組む住宅街。
人通りは少ない。
交差点を通り過ぎてゆく車はまばら。
歩行者用信号が赤く光っている。
「チックしょー! 金烏のやつ。思いっきり蹴ってきやがった」
頭を押さえて信号が変わるのを待つのは【雷神】鳴神。
「むふふ、普は今頃何してるかナ~」
その向かい。同じく信号を待つのは風だ。
車が互いの正面を横切ってゆく。
その車の列が止まったかと思うと信号が青になった。
それに気づいた両者は正面を向き、そして、互いの
目が合った。
信号は青なのに二人ともピクリとも動かない。
驚いた顔でポカンと突っ立つ姿は何とも間抜けだ。
「な、なんで鳴神が……」
「う、嘘だろ……、あ…ま……?」
次の瞬間には両者実体化を解き、宙へと飛びあがっていた。
雲一つとない晴天。
蒼い蒼い空が怪しいほどに空を満たしている。
『どうして鳴神がここにいるノ?』
『それはこっちの……』
予想外の人物を見つけたと驚く鳴神は、違和感に気が付いた。
空を見上げて眉をひそめる。
雲一つとない晴天。
『あんた、風神だな?』
『さあ』
鳴神が敵意を露わにして雷電を身に纏った。
風の周りには、ざわりと風が吹き始めた。
『あんた、マジで風神か?』
風の表情がその言葉で一変する。
『ああ、そうだ』
風から子供らしさといった表情が消える。
『マジか。見間違えたぜ』
鳴神の身体に今までの比ではない電気が走る。
辺りの空気がピリピリと震動する
蒼い空が一瞬で雷雲に覆われた。
ゴロゴロと重い雷鳴がなり響き、冷たい風がびゅうびゅうと吹き荒れる。
風は来るであろう攻撃に身構えた。
『おらぁああああああああ!』
鳴神の叫び声と共に、激しい爆発音のような轟音と光が一気に風を襲う。
『っ!?』
発生させた風をバリアのように展開し、それを食い止める。
だが、衝撃をすべて吸収することはできず風の盾は霧散する。
『ちっ。キツイ』
想定よりも風の耐久力が低いことに、鳴神は首をかしげた。
『んあ? あんれ~? 風神、こんなもんでやられてくれんなよ? それとも……』
再び鳴神が攻撃態勢に入る。
止める気はさらさらないようだ。
『無理な人型になってるせいで全力出せねえとか?』
『……』
風は罰が悪そうに鳴神から視線を外した。
にやりと鳴神が見下すように笑う。
『へへっ、当ったりいぃぃいいいい??』
風が気を逸らした一瞬のすきを狙って、ごうっと頭上の雷雲が低く唸って雷が落雷する。
『があっ』
風はそれをまともに食らった。
『え~。防戦一方とかマジねえわ』
鳴神はつまらなさそうに右の頬を掻いた。
と、ぐわんと音をたてて風が竜巻のように回転を始めた。
その中心は風。
『はああああああああああああっ!』
辺りの空気と雲を巻き込み、吸い込んでどんどん巨大化する。
『っぐお!?』
鳴神は堪えてはいるもののじりじりと流され始めた。
空に展開していた雷雲は竜巻に吸い込まれ、そして一つの巨大な竜巻が出来上がる。
『あ、ち、ちくしょっ!!』
必死に耐えていた鳴神だが、竜巻の風の威力に為すすべなく巻き込まれる。
『よく嵌ってくれた。鳴神。切り刻まれろ』
中心にいる風の合図で竜巻の内部はさらに勢いを増し、三日月型の風の刃が大量に形成される。
それは竜巻の中を縦横無尽に飛び交って鳴神の頬に腕に足に切り傷を負わせてゆく。
『がっ、あっ、いてっ』
斬られた個所から鮮血が弾け飛んだ。
無駄に動けばさらに怪我に見舞われる。
竜巻の中は視界が悪く、攻撃が来る位置も距離も分からない。
見えない攻撃に悪戦苦闘する鳴神だが、
『へへへ、いってえなあ。でもよ』
つうっとたれる血を拭って、
『前のあんたはもっと痛かったぜ?』
ふっと不気味に笑った。
A:あとがきスタート!
B:前のあとがきでクリスマスだとか言ってはいたが、今の方がクリスマスに近いな
A:サンタに手紙は渡したぜ!
B:……やっぱり信じてるのか。
A:俺の家、煙突がないのにどっから入ってくるのか、今年こそ見てやる!
B:はいはい。お気をつけて。
A:んで、写真撮ってもらって、サイン貰って……
B:サンタクロースってアイドルか何かだっけ?
A:んで、それからソリに乗っけてもらうんだ!
B:た、楽しそうな夢だなあ。
A:だろだろ!?Bの分もサンタに頼んでやろうか?
B:……遠慮しておく。
A:えーもったいねえなぁ~
B:…………Aよ。
A:んあ?なんだあ?
B:……いつまでもその心を忘れるなよ。
A:な、なんだよいきなり……
B:忘れるなよ
A:お、おう。
続く……?




