第20話
よろしくお願いします。
誤字・脱字等ございましたら、教えていただけると幸いです。
読んでくださりありがとうございます。
待てぇぇええええ! こらぁぁあああ!
何やら騒がしい。
まだ朝早いのに一体何の騒ぎだろう?
ひえ―――!! きゃぁぁあああ!!
何、この声……?
眠くてまだ視界が歪んで……って、は!?
『むわ~こらこらこらぁあああ!!!』
『すいませんでちたぁ! うわぁああん!』
『ごめんなたい~!!』
『許ちて~わああん!』
私、悪夢を観ているのかも……さて、もう一眠り……出来るわけないでしょ!
「こら!! 人の睡眠を邪魔しないでよ!!」
早朝の午前四時、普の部屋の中での出来事だった。
______________________________
普の部屋の中で朝早く騒動が起こる少し前の事。
『みっちゃんに馴れ馴れちい!』
『すぐにそんな人とは縁を切ってもらわねば!』
『わ~い、ちょうちょだ~!』
普の家の玄関先で何やら碧く光る玉(以下、光玉)がいくつも漂っていた。
『よち! 早速行きまちょう!』
『おー!!』
『ちょうちょさぁん!』
光玉達は僅かに開いた窓の隙間から家の内部に侵入した。
よい子は真似をしてはいけないよ?
つまり光玉達は悪い子ちゃんなのだ! ふはははは!!
『あの人間はどこでちゅかね?』
『人間に私達は視えないからゆっくり捜しても大丈夫なのだ!』
『わ~い、わ~い! でっかい板(※テレビ)だぁ!』
光玉達はキッチン、脱衣所などをふよふよと宙に漂いながら確認していく。
『ここもハズレみたいでちゅ』
『む? 何でち、これ?』
『あ! かっちこちのご飯粒だ~』
光玉達はついに階段を上り、普の部屋にたどり着いた。
部屋のドアには普の部屋と書かれたとプレートがぶら下がっていた。
『見ちゅけたでちゅ!』
『みっちゃんの敵は我らの敵!』
『ねえねえ、お腹すいた~』
光玉達はゆっくりと扉を押し開き、小さな隙間から部屋の中に忍び込んだ。
部屋の中では普が何も知らずに寝顔を晒している。
『ターッゲット捕捉』
『ほちょく!!』
『熊さんのパジャマだ~可愛いなぁ』
光玉達はここまで来れば作戦は成功すると確信し、周りを警戒せずに油断していた。
『お前ら誰だ?』
ビクッと光玉達はその動きを止めた。
今までにない、予想外の事だった。
『ど、どうしてこんな所に……』
『我らが視える奴と出会ってちまうとは…不覚』
『おお~お仲間さんだ~』
光玉達に声をかけたのは風だった。
いつも通りの子供らしい服装に少しはねた髪。
緑色の透き通るような瞳がその色を濃くして光玉達を睨む。
『普になんか用事でもあんの?』
光玉達は不安げに固まっている。
光玉達が何やら円になって固まり、こそこそと話したと思えば風の方を自信気に向いた。
『ふん! 上位の妖精でも子供なら大したことないでちゅ!』
『我らの方が大人でちゅから!』
『ねえねえ、遊ぼ~』
風は光玉達の言葉を聞くとピクリと眉が動いた。
『子供……ねえ。俺さ……隠しててもどうでもいい奴には餓鬼扱いされんのが大嫌いなんだよな』
風を中心とする周りの空気がやけに重く、肌にピリピリと突き刺さる。
『こ、この威圧、本当に妖精でちゅか?』
『子供のくちぇに生意気な!』
『うわ~! 凄い凄い!!』
『伊達に長生き舐めんなよ? 餓鬼が……』
風からじわじわと風が発生し、部屋の中の空気の流れが激しくなる。
『おわあああああ!! 風に流されちゃうでちゅ!』
『にゃあああああ!! 探検隊に危機が訪れるのであった!』
『わ~い! 鬼ごっこちよ~! 逃げろ逃げろ~』
光玉達は成すすべなく風に流され、バラバラに部屋の中を飛び回る。
『鬼ごっこか……いいだろ。乗ってやる!』
風は風を霧散させて光玉達を追いかけ始めた。
『待てぇぇえええ!!』
『きゃぁああ!!』
風は遠慮、容赦の欠片もなく、次々に光玉達を捕えていく。
『怖いでちゅ~~!! ひゃっ!!』
『餓鬼扱いした罰としてどうしようか……?』
風がフッっと悪戯気に笑みを浮かべる。
『『『ぎゃぁぁああ!! ごめんなさ~い!!』』』
風の手に捕まっていた光玉も命辛々抜け出し、再び部屋の中を逃げ回る。
全員、宙に浮かんでの空中戦なので足跡はしないが、声が部屋中に響いている。
光玉達と風の声が響く中で、普の寝息がすうすうと小さく聞こえてくる。
いや~、平和ですね~。
『この! ちょこまかと!!』
風がもはや蚊を手で叩きつぶす感覚で手をパンパン叩いていた。
蚊取り線香を用意してはどうかな? うん。
『ひゃぁぁぁああっ!! 潰れちゃうでちゅっ。嫌~!!』
一つの光玉が普のすぐ横を通った。
その時、普の顔に軽くぶつかる。
「ん…………、何……声?」
普の体が寝返りをうち、目をこする。
光玉達と風は必死のあまり普が起きかけている事に気づかない。
うっすらと目を開けた普の視界には何やら部屋中を飛び回る風と、どこかで見た光玉達の姿が映った。一瞬何があったのかわからずに目を瞬かせる。
近くにある時計の指す時刻は午前四時。
追いかけっこの声は止まる気配がない。
「こら!! 人の睡眠を邪魔しないでよ!!」
寝起きの不機嫌さを隠そうともせず、普はそう叫んだ。
『『『『は、はい……』』』』
どうやら、このメンバーでは普が最強のようだ。
A:ど、どうも……くしゅん
B:どう……も……へっくしょん
A:風邪ひきAと、
B:同じくBです。
A:前回の氷が冷たすぎて……くしゅっ
B:風邪を引きましたへっくしょい
A:そんなだせえ咳すんなよ
B:お前だって今更可愛い子ぶるなよ!
A:だ、だって…くしゅっん
B:だっても何も…べっくしょい
(雪:わ、私のせいで、す、すいません……)
B:ちょっと待て。馬鹿は風邪なんか引かねえだろ?
A:花子、馬鹿なんかじゃないのにっ!ひどいよ……くしゅん
B:…………。
A:あ?無視すんじゃねえよ!
B:いや~別に~
A:てめえ!俺の風邪、うつしてやる!
B:俺だってうつしてやる!!
A:くしょっ、くしゅん!
B:へっくしょい、へっくしょん!
まずは二人とも病院に行きましょう。
ついでに精神科もいかかです?
……続く?
A:注射怖いぃぃぃいい!!!
B:餓鬼かよ……




