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風が少女へ語る時  作者: 胡桃パンの元
第3章 水の加護を持つ少女
19/44

第19話

よろしくお願いします。

誤字・脱字等ございましたら、教えていただけると幸いです。

読んでくださりありがとうございます。


ゴールデンウィークが終わり、早数週間がたった。

早い? そんなこと言わないでくれ。こっちにも都合というものがあるのだよ。


(あまね)は今、学校のプールの掃除を任されてしまっていた。

クラスで一人ずつ掃除を任されることになっているのだが、普はそれを決めるとき、ぼろ負けしたのだ。

……じゃんけんを。


『むふふ、普弱いネ』

「だまらっしゃい」


カビや虫で汚れたプールを何人もの生徒できれいに掃除をする。

それが終わると、体育の授業でプールが始まる。

______________________________


最近はだんだんと気温が高くなり、蒸し暑くなってきている。

太陽の光が照りつけ、汗がとめどなく湧きでていく。


「あっつ~」

普はブラシで水のないプールの底をこすっていた。

汗が額から頬をつたっていく。

それを拭いながらブラシで力いっぱい磨いていく。


「なかなか取れないし……」

磨くのを一時中断し普は一度溜め息をついた。


「ちょっと一年、サボってたらダメよ! しっかりしなさい」

「は、はい。すいません」

普はまた掃除に取り掛かる。


今声をかけてきた先輩は、清水(しみず) 美野里(みのり)。水泳部のエースで体形は良いし、顔もよく、しっかりものなので後輩に慕われ、男子に超もてるという凄い先輩だった。

先輩の周りは何故か輝いて見える。

ちなみにこの掃除は自ら志願したらしい。


……私、水泳部じゃないんだけど何で掃除しなきゃならないんだろう


『む~普がじゃんけん負けたからだネ!』


嫌な奴が来た。


「何よ(ふう)。っていうか何? 心読めるの!?」

『むわ? そんなわけないヨ~、声に出てたしネ』

【風の妖精】(ふう)はある時から普にひっついてくる、しかも騒動を起こす迷惑な奴である。小学校低学年あたりの幼い男の子の姿をしており、宙に浮きながら、時々くるくると回っている。

普には半透明にみえるのだが、他人からは(ふう)の姿は見えていない。


「えっ、声に出てた!?」

『むう、普って結構声に出てる時あるヨ?』

「嘘っ!?」


「ちょっと、今度はどうしたのよ。独り言? もしかして体調でも悪い?」

また清水先輩に声をかけられた。

独り言ではありません、妖精と話してましたって言えるはずもない。

「あ、いえ。何でもないです。……ボソッ(あなたのせいで怒られたじゃない!)」

『僕、知らな~い』

(ふう)はクスクス笑い、風を巻き起こして消えた。

後で覚えているがいいわ


「わっと、今日は風が強いわね。早めに切り上げようかな」

清水先輩が突然の風に驚きながら呟いたのを普の耳は見逃さなかった。

(ふう)、ナイスだ! おやつを増やしてあげよう。


その後もプールの掃除は続き、ようやく終了した時には既に空が夕焼けで赤く染まっていた。

プールは水を入れればもう完璧。

生徒たちは疲れ切った表情を浮かべてプールサイドに座り込んでいる。

よし、ぐーたら一族と呼んで差し上げよう。


きらきらと輝きながら清水先輩はそんなぐーたら一族の前で手を何度か叩いた。

「はいはい、注目。プール掃除、お疲れ様でした。皆さんのお陰で思ったよりも早く掃除を終了することができたわ。どうもありがとう。それじゃあ、これにて解散にするね」

最後にもう一度ぱんっと柏手を打ち、生徒達がそれを合図にプールを後にした。

ぐーたら一族が妙に帰るのが早いのは気のせいか?


普はプールの出入り口にいる生徒達の塊がもう少し空いてから出ようとそのままベンチに座っていた。

ただ待っていても暇なのでぼーっと空を眺める。

あ、飛行機雲だあ~

普が暇を持て余しているとその視界にひょこっと影が映った。

「あわっ!? 清水先輩!!」

「そんなに驚かせちゃったか、ごめんごめん」

目の前にいたのは清水先輩だった。

爽やかな笑顔で暑さが吹き飛びそうだ。


二つ年上の高校三年生の清水先輩は、普には自分よりもずっと大人っぽく見えていた。

そんな彼女がわざわざ何故普のほうへ来たのか考えて、施錠するために早めにプールから追い出そうとしているのかと思い至る。

「す、すぐにプールを出ますから……」

普は清水先輩の雰囲気に慌ててしまった。

「あー、そんなんじゃないから普通にしていいわよ?」

「……はい」

どうやら思い違いだったらしいと、自分が恥ずかしくて普は少し俯いた。


「いや~、空を見てるから気になっちゃって。いきなり先輩が来たら吃驚しちゃうよね? ごめんね」

「い、いえ、とんでもない。人ごみが苦手でここにいただけなので」

「そうなの? 実は私も」

清水先輩は笑いながら普の言葉に同意した。

それは、普にとっては意外なことだった。

この学校で、清水先輩は美人で運動神経もいい人気者だ。男女ともに、たくさんの人が彼女と親しくしており、人付き合いは普と当然比べ物までもなくずっと上手なのだ。


「そ、そうなんですか!?」

「ええ。勝手にちやほやされているだけ」

「……それ、私に言っていいんですか?」

初めて話した相手からそんな秘密の様な事を聞いてよかったのかと不安になる普に対し清水先輩は何も気にしている様子はない。


「なんか、私と同じ匂いがしたからかな。私は、清水 美野里。あなたは?」

「一年の東間 普です」

「よろしくね。普ちゃん」

清水先輩がにこっと柔らかく笑う。

そうしてみるとまつげは長いし、目はパッチリしているし、スタイルだっていい清水先輩は確かに人気者といわれても納得がいく。


キラキラとオーラが漂って……あれ、先輩の周りのキラキラに何か気配がする。

『気づいたのか?』

『こっちを見てる?』

『そんな訳ないよ!普通の人間に私達が見えるはずないもん!』

清水先輩の周りをとても小さな光が飛んでいた。

そして、(ふう)(せつ)達と似たような頭に直接響いてくる声が聞こえてくる。


え、清水先輩もしかして、いや、確実にこの子達妖精よね!?


清水先輩は妖精のそんな声に気づいた様子はなかった。


B:どうも!誰かさんBと花子ちゃんで~す!

A:おい、てめえ!

B:では、では、新章?突入しましてあとがき企画「キャラの本音」を開催します!

パチパチパチ(どこからともなく拍手の音)

A:俺を放っていくなああ!

B:では、今日のお客さんは【雪の妖精】雪ちゃん!!

雪:ど、どうも。よ、呼んでくださってありがとうございます。

A:なああああああああああああああああああ

B:ああ、そこの叫んでいる人は無視していいからね?

雪:は、はい…?

A:てめえええええええええええええ!!

B:今回は出番がなかったけど、最近どう?

雪:え、えっと、暑くなってきたので体調が悪いです。

B:それはやっぱり雪の妖精だから?

雪:は、はい。季節によって力が左右されるので、ま、まだまだ修行が足りないと思っています!

B:季節によって力が左右って大変ですね。

雪:夏に力が弱まっていくので、逆に強まっていく妖精とはなかなか仲良くなれなくて…

A:雪ちゃん?この人の言う事を聞いては駄目!

B:突然何を言い出すんだお前は?

A:この人は、あなたを騙すつもりよ。お願い、信じて…?。

雪:そ、そんな……騙されていたなんて……(すごく信じやすい)

A:この人は裏で私達をあんなことやこんなことをしようと企んでいるの!

B:勝手に人をそんな扱いするなぁぁああ!!

雪:ひどいです!雪で凍ってしまってください!!はあっ!!

ビュウウウウッ!!吹雪で凍るB。

A:わーいわーい!ざまーみろ!!がははははは!!

雪:……も、もしかしてあなたもですか…?

A:え、あ、ちょ…

雪:凍って下さい!!っは!!

カキーン……二人仲良く氷付け

     ……続く?

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