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風が少女へ語る時  作者: 胡桃パンの元
第2章 ゴールデンウィークは遊園地へ!
17/44

第17話

よろしくお願いします。

誤字・脱字等ございましたら、教えていただけると幸いです。

読んでくださりありがとうございます。



「は、離してぇ~~……」


(ふう)と出会ってまだ日は浅い。

だが、その中でこんなに疲れた顔をした(ふう)は初めて見たような気がする。

「ぎょ、玉兎(ぎょくう)様、す、少し力を抜いたほうが……っ」

『ふえ? ……あ! (ふう)さんしっかりして~!!』

______________________________


(ふう)はようやく玉兎から解放された。

「はあ、はあ、はあ……。本当に死ぬかと思った……」

(あまね)はそんな(ふう)を見ながら、ふと思った。

「……(ふう)、普通に喋れるのね」

声が小さかったからか、その言葉は(ふう)達には届いていないようだ。


「あら、この子、東間さんの親せきか何かかしら?」

凛子が冷たく普にそう言った。

「うるさい子だね、あはは」

桃花と詩織がその隣でクスクス笑っている。


「お前らムカつく」


突如、凛子達は吹き飛んだ。

「「「きゃぁあああっ!?」」」

何が起こったのか、凛子達は理解できていない。


ただ、普には声が聞こえていた。凛子たちを吹き飛ばした風の流れも見えていた。

確かにあの声は(ふう)だ。

だが、いつもの(ふう)ではない気がした。


「おお~、跳んだネ~むふふふ」

次には(ふう)はいつも通りだった。

(ふう)さんヒドイッ! 私のお友達なのに~」

玉兎(ぎょくう)が頬を膨らませる。

「わはははっ! イルカショ~が始まっちゃうヨ~」

「あ~、無視した!」


凛子達に怪我はないようだが、何があったのか不思議そうに首を傾げている。

(ふう)がごめんなさい、と一人心の中で謝る普。

「……あれ、そういえばどこかで」

普は額に手を当てた。

普の記憶が何かを訴えている。

それが何なのか曖昧で分からない。


 ザッパーン


突如、激しい水の音とともに陽気な音楽が流れ出した。

『会場にお越し下さった皆様。本日は【イルカわくわくランド】にお越しいただきありがとうございます。長らくお待たせいたしました。当パークのメインイベント、イルカショーの始まりです!』

スタッフの人たちが会場に姿を現した。

そして、たくさんのイルカ達が巨大なプールの中で華麗なジャンプを披露する。


「は、始まってしまいましたよ! (ふう)様、普さん」

(せつ)の声に普は、はっと我に帰った。

会場にいる観客はスマホを片手に写真を撮ったり、騒いだりととても賑やかだ。

さらにその観客を盛り上げようとイルカ達が水の上を飛ぶ。


「そ、そうだった!」

普は(せつ)とまだ空いている席に座った。

(ふう)も後から付いてきてその隣にちょこんと座る。

「むう~、普~アイスは~?」

(ふう)は落ち着きなく足をバタつかせていた。

「勝手に買ってきなさいよ」


「あ~ら、こんな小さな子供に可哀想ですわよ?」

普の後ろからそんな声が聞こえた。

普が振り返ると、凛子達がその後ろの席に座っていた。

 懲りない奴め

「何であなたが後ろの席なの!?」

「ふん、私だって東間さんの後ろはごめんですわ」

凛子と普の間で火花があがっている中で、(せつ)が二人を割って入る。

「い、今喧嘩は止めてくださいっ」


そんな中で、(ふう)玉兎(ぎょくう)、桃花、詩織はその三人が眼中になく、イルカショーを十分に楽しんでいた。


『ぴい君の輪投げキャッチです!えいっ!!』

スタッフの女性が輪を一頭のイルカに投げる。

イルカはその輪を見事なバランスで受けとり、女性に返す。


「「「「おお~~!!」」」」


四人が同じ驚きの表情に変わる。

二回目、今度はイルカが失敗すると


「「「「あ~~~……」」」」


今度は同時に落ち込んだ。

そんな四人を見た別の観客達がクスクスと笑っていた。


「席がここしか空いてなかったのよ。文句あって?」

「別にないけど、こっちの事に首を突っ込まないでほしいのよ」

「あら、突っ込む? 可哀想だと言っただけよ?」

普と凛子はその間も睨みあっていた。

「ち、ちょっと、ふ、二人とも、お、落ち着いてください~~!」

(せつ)がその二人の間で困り果てていた。

「大体、あなたは…」

「それを言うならこっちだって!!」

二人の間で火花が一層強くはじける。


「……いい加減に…」

その時、(せつ)の体から氷のように冷たい冷気が漂い始めた。

「してください!!」

その言葉を合図としてその冷気が二人を襲った。


「……あ、や、やってしまいました」


(せつ)の目の前には、氷漬けになった普と凛子の姿があった。

全く止まる気配のない言い争いに、つい能力の一部が発動してしまったようだ。

イルカショーに夢中のためか他のメンバーは気づいていないが、どうしたものかと(せつ)は焦った。


『溶かしてあげようか?』


(せつ)の耳元で声が聞こえた。

「わっ、き、金烏(きんう)様!?」

(せつ)が振り返れば、座席の後ろに金髪赤目の少年がいた。

それは、座席の後ろに隠れた金烏だった。

『お、大声出さないで……玉兎がいる…怖い』

金烏は気づいていない玉兎達の方へちらりと目線を流し、びくびくと怯えている。

「あれ? 外なのに性格が……」

【太陽神】金烏は、太陽の下では威圧的な性格だが、太陽がないと臆病な性格になるのだ。

(せつ)が空を見上げるとすでに日が落ちていた。

「あ……なるほど」




『最後までご覧いただきありがとうございました! またのお越しをお待ちしています!!』

最後にイルカ達の大ジャンプでイルカショーは幕を閉じた。

会場から壮大な拍手が贈られる。

『本日は誠にありがとうございましたー!』


普達が次に気がついたのはその放送が流れた時だった。

「……え? 終わってる」

「……め、珍しく意見が合いますわねぇ」

何があったのかわからず、普と凛子は顔を見合わせた。

(せつ)が隣で反省しながら縮こまっていることには気づかなかった。

「ご、ごめんなさい……」

(せつ)が二人に謝ってきたが、何故謝ってきているのか二人にはわからない。


「わ~い! 終わった!」

「あはっイルカちゃんかっわい~♪」

『うさたまちゃん、楽しかった~!』

「楽しめましたね」

(ふう)達が拍手を送る。


「ろくに見れなかった……」

普は溜め息をついた。

『そだね』

「わっ!? 金烏、いたのね」

『お、大声出さないで……』


普と凛子がよく分からないままイルカショーが終了した。

A:なあ、思ったんだけどよ。

B:どうした?花子ちゃん?

A:それを引きずんな!!…じゃなくて!

B:む?

A:最近あとがきがやたらと長くなってきている気が……

B:確かにな、普通は長くないあとがきが回を増すごとに増えているような気がするな。

A:だろ?このままじゃ、本編より多くなってあとがきと入れ替わるんじゃねえかなぁ~って思う!!

B:おお!そうなれば、主人公の座は俺…俺達のもんだ!

A:てめえ今、俺って言おうとしただろ!!

B:そ、そんな事はない!!……あは

A:あは、じゃねぇぇえええええ!!!!!!

B:ちょっと待て、お前に主人公は無理だ。

A:はあ?

B:お前には【ヒロイン】の座があるじゃないか!!

A:は?いらねえしそんなもん。

B:ズガーン!!ひ、ヒロインだぞ?乙女が夢見るヒロインだぞ?

A:いや、俺、乙女じゃねえし。アクション漫画のヒーローか悪役がいいな~

B:なんだその女子らしくない考え方は……

A:いいじゃねえか、MGL-140でグラネートぶっ放してえし!

B:何の話か分からなくなってきた……

A:え?わからない?それならググれ!!

B:何をだ?

A:AR-57を!!

B:何かさっきと違うぞ……?

A:そんなのし~らね!ははははははははは!!

B:Aが壊れたぁぁああ!?

     ……続く?

B:ところでMGL-140とAR-57って何だ?

A:もちろん銃。

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