第16話
よろしくお願いします。
誤字・脱字等ございましたら、教えていただけると幸いです。
読んでくださりありがとうございます。
観覧車からの景色を十分楽しんだ後、私達は観覧車から見えたあのドームに向かっていた。
その途中で風がゴーカートやメリーゴーランドの方にすっ飛んで行くということがあった。
どうしても言うことを聞かないので仕方なく乗るはめになり時間がかかったものの、やっとドームにたどり着いたのであった。
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「あ~ま~ね~!! アイスほし~い!!」
風が店の前を通った時、そう言って暴れ始めた。
「もう少しで始まっちゃうわよ」
「せ、席が無くなってしまいます」
風は頬を膨らませる。
「ほしいほしいほしい!!」
地面に足を打ちつけてバタバタと暴れる。
普と雪は顔を見合わせた。
「仕方がないわね。お金は渡すから自分で買ってきてね」
財布から小銭を出すと、普は風に手渡す。
「わーーい」
小銭を受け取った風は店へと走って行った。
「そろそろ始まっちゃう!」
「早く席を探しましょう」
一方、凛子達は普達のすぐ傍にいた。
少し離れた所に見える店に一人の男の子が元気に入っていくのが見えた。
「あ、アイス食べたい!」
桃花がその店を指差す。
腕時計で時間を確認しながら詩織は首を振った。
「後にしましょう。時間がありませんし」
『また後で、たまうさちゃんも食べる~!』
凛子達三人はまだ玉兎と一緒にいた。
【イルカショー会場入口】と書かれた扉をくぐり、玉兎含む四人は会場へと足を踏み入れた。
「あらやだ。席が埋まっちゃっているじゃないの」
人でいっぱいの客席を見て、凛子がそんな事を言った。
普と雪は風をおいて、会場内を歩いていた。
席はほとんどが人で埋まっている。
「お、遅かったですね」
「そうね……空いてる席がないわね」
普達は辺りをきょろきょろと見回した。
「あ! は、端の方ですが、あ、空いてます!」
「ほんと!? ありがと雪」
二人は雪が指さした方へと向かう。
「ま、まだあってよかった、です」
「ほんとね…………げっ」
普は急に歩みを止めた。
自然に体に力が入る。
普達の目の前に現れたのは凛子たちだった。
凛子達は学校で不必要に普に絡んでくるいわば、いじめっ子だ。
「……あら、東間さんじゃないの? 新しいお友達と遊園地に来てたのね」
凛子達の視線が冷たくなる。
「あはっ前からのお友達は~? あ、ごめ~ん。いないんだったね~」
桃花が普を嘲笑った。
「桃花、失礼ですよ。でも事実でしょうけど」
「あははは、詩織もひどいじゃ~ん♪」
いつも通りというべきか、普に突っかかる三人。
そんな三人に雪は真剣な表情を浮かべ、一歩前に出る。
「そ、そんなに人をいじめるのが好きですか!?」
珍しく雪が叫ぶ。
凛子達は言葉を繋ぐことなく黙った。
どことなく悔しそうに雪を睨んでいる。
ぴょこっ
三人の後ろから突然ウサギの耳のようなものが現れる。
いや、それは本物のウサギの耳のようだ。
『あれれ? 聞いたことある声だけど~誰だったっけ』
凛子、桃花、詩織の誰でもない別の声が普と雪の耳に入る。
雪はその声にポカンと口を開いたまま突っ立つ。
「ぎょ、玉兎様……?」
『お? おお~~!! 雪ちゃん! たまうさちゃんだよ、覚えてる?』
凛子達の間から、玉兎が顔を出した。
「は、はい。も、もちろん!」
雪がぱっと笑顔を浮かべてそう言った。
「うさぎちゃん、お友達なの……?」
桃花が玉兎に訊ねる。
『うん! よく遊んでいた友達!』
「雪、妖精の友達?」
普も雪に小声で訊ねる。雪はにこにこと微笑みながら頷いた。
「は、はい。【月神】玉兎様です。金烏様と対の存在と言われています」
「こ、今度は【月神】!?」
普は額に手を当て、また厄介なことが起こりそうだと頭を抱えた。
「むわぁぁああ!! 普~! アイスの買い方分からないヨ!」
そこに元気いっぱいの風が小銭を握ったまま、超特急で駆けてくる。
また、変なのが戻ってきたと普が溜め息をついた、その時。
『はっ! この声は……風さ~ん♪』
玉兎が突然大きく跳んだ。
まるで空を飛ぶようにふわりと跳躍する。
人の上を飛び越え、風の目の前で華麗に着地してみせた。
「む、っむわ!? 玉兎!!」
風が玉兎に気づき、逃げようとするも時すでに遅し。
玉兎に風の体は簡単に捕まり、抱きかかえられてしまう。
『ん~! 風さ~ん、会いたかったよ~』
「むわぁあ、離せぇぇええ」
風が玉兎の腕の中でじたばた暴れている。風の小さな体は、玉兎によってがっちり抱えられている。
そこへ、普と雪、それから、凛子達が玉兎を追いかけてきた。
「急にいなくなっちゃったからびっくりしたよ」
「ほんとよ、今度はちゃんと言ってちょうだいね?」
凛子達は追いかけてきたというより玉兎が跳んだ時に姿を見失っていたようだ。
『あ~暁闇や金烏からは聞いてたけど、ちっちゃい子供になってる~~!! 可愛い~。そんな風さんも大好き~♪』
玉兎は嬉しそうに声を高ぶらせる。
「は、離せぇぇ~く、苦しい~……」
一方で、風はだんだんと力なく、ぐったりとしてきた。
可哀想に思う気持ちはあるが、いいぞ、もっとやれと思ってしまうのは何故だろう……
B:どうもー誰かさんBと、美少女ロリっ娘Aちゃんで~す。
A:ざけんなっ!!てめえ、前のあとがきを引きずってんじゃねえよ!!!
B:でもなーこういう事は利用するに限る!!
A:やめろぉぉおお!!
B:そんなこと言ってると作者に消されるぞ!
A:なっ!?なんでだよ。
B:ふっ、作者が不必要なキャラを置いておく必要はない。
A:つまり、俺達も必要ないとされたら……
B:作者によって消されるだろう。
A:こ、怖い事言うなよ……
B:しかしその可能性が無いとは言えない。
A:ぐむむ、作者め……俺はてめえを恨んでやる!!
B:おいおい、消されたいのかよ。
A:はっ!そうだった!訂正、作者野郎、俺を消すならBを消せ!!
B:何言ってやがんだぁぁぁあああ!!!!
A:ふっ、俺が生きるための踏み台となりやがれ!
B:なるわけないだろ!第一にお前が一人で何をするんだ?
A:うーーん……お色気?
B:ぶはっ
A:なんだよ!!
B:誰が見んだよ、そんな性格が捻くれた馬鹿なんて。
A:捻くれてねえ!馬鹿でもねえ!!
B:いや、確実にお前は馬鹿だ!
A:ぐすっ……花子、馬鹿じゃないもん。ヒドイよ……花子泣いちゃう。
B:ぶ、ぶはっ、だはははははははは!!は、腹が痛えぇぇぇええ!!
A:笑うなぁぁああああ!!!!
続く……?
B:ところで、お前、花子って名前?
A:違えよ。Aから始まってねえし。