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風が少女へ語る時  作者: 胡桃パンの元
第2章 ゴールデンウィークは遊園地へ!
13/44

第13話

よろしくお願いします。

誤字・脱字等ございましたら、教えていただけると幸いです。


『ひゃぁぁああ! お化け怖いぃぃぃい!!』

お化け屋敷の中、

『ぎゃあああああ!! 来なぁいでぇぇえええ!!!』

私は、お化けの怖さなんて隣でひっついてる奴のせいで、全く感じなかった。

『びぇぇぇええっ!!』

いまや、何の威厳も威圧もない金烏(きんう)が半泣きで私につかまっていた。

『うひゃぁぁああっ!! でたぁぁああ!!』

何故こうなった……

______________________________


『むふふ。冒険隊、しゅっぱ~つ!』

(ふう)が一番に茂みを抜け出し、歩きだした。

それを慌てて(せつ)が追いかける。

「ふ、風様。ま、待って下さい!」


(あまね)もその後を追おうとすると、金烏が普の服の裾をつかんだ。

普は金烏の方に振り向く。

「……何?」

『う……先、行かないで。怖い……』

なんとも弱々しく見上げてくる姿は放って置きたくなくなる。

しかし、普はそんな甘くない。


「いやよ」

その一言で切り捨てた。

金烏の表情が見る見るうちに悲しみに染まる。

「いきなり追いかけてきて、迷惑よ。先に行ってほしくないなら説明して。私達の前に現れた理由をね」

すると、金烏は涙のたまった顔をこすりながら頷いた。

普はよし、と金烏に手を差し伸べる。

金烏がその手につかまり立ち上がった。

そして普が道を振り返ったとき、(ふう)(せつ)の姿は見当たらなかった。

「え……先行ったの!?」

『……みたいだね』


何はともあれ外に出るということは変わらない。

普は金烏を連れて外に出ることにした。

「じゃあ、行くわよ。話は歩きながらで良い?」

こくりと金烏は首を縦に振った。


「そうね……、いきなりで悪いけど来た理由は?」

普は何となく(せつ)と同じだろうな、と察しながらも単刀直入に聞いてみることにした。

『風じ…あ、(ふう)を連れ戻しに来た』

小声で金烏はそう言った。

予想通りだと思いながら、普は次の質問をする。


「ねえ、前から思ってたんだけど……(ふう)って何者なの?」

その質問に金烏は黙った。

答えていいのかわからないようで、きょろきょろとあたりを意味もなく見回す。

(せつ)金烏(きんう)(ふう)を捜していた。(せつ)が言うことが本当ならば、金烏(きんう)は【太陽神】で妖精の中でかなり偉い立場のはずだ。そんな金烏(きんう)がただの妖精を捜しているはずがない。


「知ってるんでしょ?」

普が金烏の目を覗き込んだ。

『風じ、ふ、(ふう)が言ってないなら、言うべきではない。……と俺は思う』

答えが聞けず、もやもやした気持ちはあった。

だが、それ以上追及するべきではない、してはいけないと普は判断した。

「仕方ないわね、次。何故【太陽神】のあなたが、そんな大物が来たの?」

『それは……』


 う~ら~め~し~や~~


『ひっ!』

金烏の声が裏返る。

「……え、あ。怖いんだ」

普は無表情で金烏を見る。

『こ、こここ怖くな、なんてな、ないもん』

金烏の手が普の服を握りしめたまま震えている。

 そういえばここ、お化け屋敷だったな。私、ボケたのかな。


 呪う~~呪う呪う呪う呪う呪う呪う~

『ぴぎゃぁぁああああ!!』

「いやいやいやいや、驚きすぎでしょ」

また別の方からも声が妖しく響いてくる。

その度に金烏は奇声を上げる。

 ガコンッ

どこかで物音がすると、

『ひゃっ!! あばばばばば』

普に抱きついてくる。

この状況に普は困惑の表情を浮かべた。

 ちょっと待て、これってお化け屋敷で怖がる彼女を安心させる彼氏みたいじゃない?

 私、女だから!立場逆でしょ!! そもそも彼氏どころか友達ゼロだし!!


***


「ふ、(ふう)様。あ、普さんと金烏様が、ま、まだ来てません」

一方、(ふう)(せつ)は、普たちのだいぶ先を歩いていた。

『だいじょ~ぶだヨ! 普が何とかすると思うしネ』

「ですが……」

(せつ)が心配そうに後ろを振り返る。

『むう~お化け屋敷の中で金烏といたら、楽しいけどうるさいんだよネ~』

 ウォオオオオッ

急に何かの獣の鳴き声が聞こえてくる

「ひゃっ、あ、ちょっとびっくりして、しまいますね」

『だネ~でも今は、お化けよりも普のちょっと困った顔が見たいかナ~』

(ふう)が宙を回りながら、にやりといたずらをする子供のように笑った。


***


『お化けいやぁぁぁああああああ!!』

金烏はもう涙を流しながら普につかまっている。

「う、動きずらい……」

さっきからずっとこの調子だ。

進みはしているものの、ペースは遅い。

 コンッ

普が何かを蹴った。

「ん? 何だろう……あ、骸骨ね。よくできてるなぁ」

普はもう、怖さなど隣の煩さで吹き飛んでいた。

『ぎゃぁぁあああ! 頭蓋骨ぅぅううう!!!』

その代りに金烏が泣き叫んでいたのだった。


そんな調子で進むこと数十分、ようやく外の明かりが見えてきた。

「や、やっと出口だわ」

色々と普はもうヘトヘトだった。


A:よっしゃー!!

B:どうしたんだ?そんなに嬉しい事でもあったか?

A:俺らの出番が来たんだぜ!忘れられ、捨てられると思っていた。この作者に!!

B:うむ、確かにまた出番が回ってくるのは良い事だな。

A:だろ?あとがきに俺らの努力をつぎ込んで面白い話にしてやるのだ!!

B:……いや、無理だな。

A:何故だ!俺の努力を無駄だと言いたいのか、お前!!

B:前も言ったはずだ。これは、あとがきだと。

A:はっ!お、俺の努力がぁぁああ!!!!

B:憎むべきはこの作者だ。

A:おっしゃ。そうと決まれば仕返しだ!復讐だぁぁああ!!

B:俺もそう思っていたところだ。

A:おうよ!今は珍しく気が合うじゃねえか。

B:お前に言われたくないがな。

A:とにかく行くぞぉおお!作者の首を刎ねるのだ!

B:おー!!

A:いざ行け!目指すは作者城だ!!

B:おー?そんな魔王みたいな立場だっけな?

A:部下の犬、猿、雉よ!進め!進めぇえ!!

B:ん……?桃太郎?

A:囚われのピ○チ姫を取り返せ!

B:もうなんだよ!何か分んねえぞ!マ○オか!!

      続く……?


B:読んでくださりありがとうございました。

A:ありがとな!!

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