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書き始めてから十年経ってた
時間の流れ怖
今月は90まで書く(宣言)
まず一当てしたあとに走り出す。サイが暴れた後の状態なので木々が倒され、見張らしは良くなっているが少しは時間が作れるだろう。
袋からポイポイと必要なアイテムをばらまきながら倒れた木を越え丘を越え、
「あら嫌だ。あなた意外と速いのね」
『グマァァッ!!』
いつの間にか先回りされていて腕を振り下ろしてくるクマに対して、棒高跳びの要領で弓を地面に叩きつけ回避をする。弓が1本お釈迦になったが、HPがお釈迦になるよりはましだし予備はまだまだある。
まだ戦う準備が仕込み終えていないので必殺技を発動、バフ強化で移動速度を上げて手早く、はしょれる所ははしょって準備する。
そして二度目……まあ、二度目邂逅。目の前の方向から現れたクマ。速いと言うかワープしてきたと言った方が当たりかも知れないが、最低限の準備は出来ているから今度は構える。
「さて、一勝負願おうか」
『グァマァァァッ!』
いつもの変な機構を付けた多芸の【器用な武器用】ではなく、一能力に沿わせた戦闘用の手甲を装備している。能力は単純。
「よいしょぉっと!」
タイミングを合わせて突進してきたクマの眉間とマズルの間に、スレッジハンマーのように軽く跳んで叩きつけると、手首から間接部が固まり叩きつけと突進の勢いで体が一回転。無防備な背中側に飛んだら能力を解除。指を曲げた状態で再発動して固定してクマの背中に鉄の爪を立てる。黒曜石の毛皮に指が埋まりその下に線を引いていく。
一瞬の交差だったが、防御力を現在の最大限に上げていたが高跳びに使った腕が痛み出したので折れたかヒビが入った的な判定を貰ったらしい。HPも削れている。それにいちいち反応している暇は無いようで、クマがふらついたが若干のHPだけですぐに振り返って腕を叩きつけようとするから『バックダッシュ』を使ってすぐにその場から離れる。
今回装備しているのは背面から腕の関節の固定、指先を尖らせ簡単な近接攻撃が出来るようにしている。一応防具の作成が可能なおれだが本職程ではないので防御の方はそこそこ。そう言えば金属製の防具を作ってくれる知り合いが居ないな。あとで探すか。
ヘルスポーションを飲んで怪我とHPを回復。横に走り倒れている木から跳んで同時に三本矢を射ると追いかけてくる熊に当たりHPを削ったが、気にせずに向かってくる。まだ2割も削れていないからか、投げている爆弾を気にする様子もない。
「ほんと理不尽さにいやになるね。前にバグ技みたいに倒した女神様を思い出すよ」
『グマァァァアア!!』
「あれ?なんか怒ってない?なに、女神様の眷属的なサムシングの方でしたか」
『グマッグマァァ!』
「ちょっと待って。君徒手空拳だったよね。いきなり魔法使うとかずるくない?」
ポロっと溢しただけの言葉に反応して、クマの野郎が毛を逆立てて電気が走っているように見える。そこから空中に電気の杭の様なものが浮かんで二、三度瞬いた次の瞬間にクマから放たれた電気が周囲の杭に当たりそこからさらに広範囲に撒き散らされた。
ギリギリ電気の属性とそのモーションには見覚えがそこそこあったから、鉄製の弓と矢を急いで用意して避雷針代わりにしたのでなんとか通電くらいで済んだ。残りHPの半分持っていかれたが。
・・・・・・意外とこのゲームのキャラクター耐電性が高いな。レベル的な要素で耐えているのか?
「っと、考えてる暇は貰えないか」
「グマッ!グマ!」
クマの奴が次々電気の珠を作り出してはそこから電気を放ってくるから、こちらも負けじと後ろに下がりながら矢を放ってチャフの様に阻ませ、目的の場所に誘導する。……少しずれたから修正修正。
最初の時にアイテムをばら蒔いた所の一つのへ来たので煙玉を爆発させ、文字通り煙に巻く。




