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「おっ、指定したモンスターを討伐出来たようだな。感心感心」
仰向けで扉から滑り出てきた俺に対して、普通のNPCが喋るような台詞をかけてきたギルドマスター。
「熊が出た」
「あ?なんだって?」
「熊が出たんだよ。真っ黒な熊が」
「熊ぁ?そんなもん依頼書には書かれてなかった筈だが……。見せてみろ」
仰向けのまま最初に渡された依頼書を出すと、ギルマスが内容を見始める。
「あちゃあ。ブラスリノセロスが失敗になってやがる。一応達成判定にはなってるが、こりゃその熊にトドメを取られたな」
「ああん?あの野郎ホントクソでFU◯Kで空気読めねえ(ピーー)野郎が!!……おっと」
ノリでダダを捏ねていたら流石に規制音が入ってしまった。ギルマスも若干引いているので冷静に戻ろう。スンッ。
「一応クリア扱いだからランクアップ出来るが、どうする?」
「まだやらない。それ受理したらここはどうなるんだ?」
「ん?まあ、お前用になっている場所だから消えるだろうな」
「だったらなおさらあいつをぶっ倒すまで上げない」
「お、おうそうか。ならこれは一旦返しておくぞ」
依頼書を渡し返され、ここの状況の説明をしてくれた。どうやら横槍が入ったからかランクアップするか、倒すかしか閉じられなくなったようで、この依頼書があればいつでも入場可能で、依頼書から名前が無くならない限り書かれているモンスターはそのなかに存在しているらしい。
ん?この説明なんか変?的な?
まあ前列があろうが無かろうがゲームの説明なんてこんなもんだろ。もとより事前説明なんて物も無いようなもんだしな。
「そうと決まれば【流転の八雲】メンバー、カモンッ」
『わかった。5番を持っていけばいいんだな』
『無理』
『ウザい』
(未読)
(未読)
『すみません用事があって』
(既読)
『出たくないです』
ちっ、予定を先に聞いてた二人以外ノリが悪いな。まあティグアがインしていた分良かったわ。
「持ってきたぞ。これで良いんだよな?」
「おう。ありがとさん」
ノリが悪い連中の事を考え付いたら、ティグアが入り口の通路から跳んでやってきた。手に持った5番とデカデカ書かれたアイテムポーチを渡されて、中身を確認。適当に番号を確かコレに入れたよな?な記憶で番号を打ったので当たってて良かった。折角持ってきて貰ったのに間違えてたら二度手間だし、申し訳なくなる。
「アイテム補充よし。ステータス万全。よし、行くか」
「ああ」
「ん?」
「ん?」
なんか当たり前に着いて来ようとしているが、これ俺のランクアップ試験だが?来れんの?行けんの?
「試験の当事者しか入れないぞ」
無理だとよ。
「ほい。これ試験的に作ってほったらかしてたヤツ。使用試験で使って見てくれ。これが弾な」
「よしわかった。私の得物のために万全のデータを取ってくる」
まだ火縄銃から進化した程度の銃を袋から取り出して渡してやると、着いてこようとした様子から一変して俺の手からもぎ取るように奪うと振り向くことなく走り去っていった。
「あいつは鉄砲好きなのか?近接職みたいな身のこなしをしているが」
「普段使わないから好きなんだよ。家の方では使う機会がないから」
「そうなのか。惜しいな」
「人のあれこれを惜しいとか言うもんじゃねえよ。そもそも、俺みたいに物理も得意だから」
袋から出したアイテムを握りしめ、出入り口に入る。その先に待はっていたぞとばかりに佇む熊。
「よお。第二ラウンドだ。これも仕様だからずるとか言うなよ」
それに対して先手必勝と握っていたアイテムを熊やその足元に叩きつける。




