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うわぁぁぁぁぁぁ!!
年が開けているぅぅぅぅ!!
気を付けろJ○J○!!
敵のスタンド攻撃だ!
右を向けば肉塊虫の触手祭り。左を向けばミートワームの捕食行為。前を向けば巨大ミミズ対中型巨人の戦闘。
どうしてこうなった?
『お前のせいだよ!!』
「知ってる!」
現状を打破するために集められた全員に指を指されたのでサムズアップして応える。木片やら生ゴミやら投げられた。ぐぬぬ。
と言っても話し半分で飛び出した俺の責任でもあるが、巨多対一が得意なキャラビルじゃないし、ゲリラ戦するには混戦が酷いしどうするべきかね。
「まずは第2段階と見るべきだろうね」
「そうなのか? 前でも手こずりそうな感じであったのにこれが2段階とあったと言うことなのか?」
「そうみて間違いはないでしょう。生物上の問題ならエネルギー源の脂肪がなくなれば補充するのは明白。ならばそのために何らかの設定がされていても可笑しくはなく、それがあの状態かと思われます」
「でもぉ? あれだけで終わるわけないよね? だってレイド用のモンスターなんだから。こうボカスカ殴られて脂肪を失くされて、それで終わるモンスターだったらつまらないよねぇ?」
「まて、それではまだこれからあるのか?」
「あるでしょう。千切れた肉片もあれの一部で、討伐判定出てないなら、可能性は1つくらいはあるものですよ」
そんな事今言われたってねぇ? やっちゃったもんはしょうがないから、バフかけてけバフ。俺できないからできるやつらはよ!
そんな風に補助かけれるやつらを見てたらまたゴミを投げられた。ぐぬぬ。
「で、これ以上ひどくなると確定しているわけだけど、サイズが色々だから今がちょうどいいと思うんだけど、俺ラストまでサボってていいか?」
「働け元凶」
「アイアイ了解」
各個撃破に時間が掛かっている場所にうちのレギメンを配置して、そのちょっとした空白の時間に前回の自爆ポイントに残した俺の火薬箱を回収してから戻ると、なにやらマッスル化しているモンスターの乱入が行われていた。
「可能性の1つが実現したよぉ?」
「まじないな?!」
千切れた肉片も死んでいないのなら食ったモンスターに寄生して操れると言うことか。トリルコロだかなんだかのカタツムリに寄生するやつっぽいな。
それぞれの肉塊対応の上に耐久強化されたモンスターはかなり無理じゃね?
「しかもあのモンスター群を肉片に近づけると回復と言いますか、増幅と言いますか、吸収して元の大きさになりそうなんですよ」
妨害と回復を担っているのかあのモンスター群。
「そういえばあなたここ数分見なかったのですが、なにをしていたんですか?」
「散歩」
冗談なのにドロップした肉片を擦り付けて来やがった!? マジで生肉の感触がリアルで気持ちが悪いんだけど!
「で、あれらは対応出来るんですか?」
「一匹なら爆弾巻き付けてダーイするんですけど、知ってます? 俺弓兵な訳でそんじょそこらの大火力マンじゃないから一網打尽なことは出来ないんだよ」
「あれ? この前鍛冶バトルで披露した超越武器って使えないのか?」
あー、あれね。
「潤沢な資材と幸運と偶然があってそこに偶然を持参して出来た代物だから手持ち分だけじゃできないんだよ」
「なるほど。君のホームではまだそこまでは出来ないんだね。それじゃあ、一網打尽の準備を今してるから、コクーン君は露払い。いや尻拭いしてきてくれるかな?」
「え~?」
パイ投げの要領で肉片を投げつけられた。もう俺に対するツッコミが投げやりになってきたな。肉片だけど。
そんなわけで、一足跳びで木の上に飛び上がり周囲から湧いてくるマッスル共を牽制に矢で射っていく。だけど、いやぁ……マッスルなわけだから通常の木の矢が刺さんない刺さんない。オモチャの矢で撃っているのかみたいに面白いほど刺さんないけど何匹かのヘイトをこちらに向けれてるから大丈夫だろう。
へーっい、熊さん熊さんキレてるね! 猪さんはデカいよ! 鹿さん、いやはやっ!? ちょっと待って、ふざけられないからそんな速さで来ないでよ。ほら猪も本気出して突っ込んできてるじゃん!
「だから隣の木に逃げて爆弾ポイッ」
俺が乗ってた木に体当たりや角で突くをしてきたものどもに爆弾を投下して一気に焼いた。そのついでに耐久性が減ってた木も倒れ、熊も潰されたがまだ生きているため爆弾ダーツを目に当てて虫の息にすると別プレイヤーが止めを差した。ラストアタック等々は言わないし、放置してたら肉塊に食われるから放置も出来ないんからね。




