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弓兵はモンスターを駆る?  作者: 狭凪
第三章

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 日付が変わってゲーム内早朝に手持ち荷物を整理してから特効の準備を終わらせる。


「袋の中は鉱石類と植物のみ、よし! 服装も初期装備、よし! 一応の準備もよし!」


 声だし確認してもひとり。

 とまあ、時間の関係上自由にログインできる俺と違って他の人は就寝中すいみんぐなのでソロである。

 今回もまた組体操をしているゴリラ達を横目に森の奥に走っていく。前回は偶然とたまたまの必然で見つけたが進行方向と速度からあの肉塊の現在位置を割り出しているので最速で向かうことができる。


「それにしてもあの肉塊はいったい何なんだろう。他のモンスターに食われていたし、それに対して反撃をしようとしなかったが、何を切っ掛けに襲って来るんだ?」


 ブヨブヨのような見た目でアメーバ並みの速度で動いている肉塊は草食動物からムシャられてたが、反撃らしい反撃と言うよりも移動に重点を置いているのか無視してそのまま進んでいた。たぶん攻撃してもある程度まで無抵抗なのだろう。


「おっ、発見発見。……う~ん、移動跡の草木がなにもなってないな。補食するってわけじゃないのか?」


 マップに肉塊が来た方向を書き込んで後で調べる旨をメモったら肉塊に目を向ける。一番でかいところで3mちょい、体長は5mくらいの大きさ。多分でかくなるかもだが下手したら1つの町くらい潰せそうだ。

 来た道には挽き肉大の肉片が付着していで若干蠢いている。見てみると筋肉質モンスターからドロップする謎肉だった。


「うげっ、そっちの方かよ……。きもちわりっ」


 ぐるぐると回りながら観察していると後ろの方からブツリと肉を破って鹿の角が出てきた。そこからうぞうぞと肉塊が動いていくと頭蓋から頸骨から大腿骨やら骨格標本が出てきた。取り込んで肉を奪っていくタイプの補食? 方法らしい。


「さて、どのようにダメージが与えられるかな?」


 HPバーが見えるから倒せない敵ではないようだ。だが拾った枝で突き刺してみたり短剣で切り裂いてみてもHPが減った様子もない。しかし注視してみるとHPバーは前後している。これはHP減少のエフェクトではないようだが、前後する理由はなんなんだろう。

 あらかじめ用意していた松明に火を灯すと肉塊に近づけてみる。表面の様子は若干煤が付くが様子がわからないから思いきって付けるとプラスチックが燃えたような臭いがしてブツブツと水疱ができだした。

 しかし未だこちらへの反応はなく、離すと別の部分の肉に覆われ消えていく。HPの様子はあまり変わりなくダメージを与えられたようには思えない。バーは前後しているが。


「よぅし、本命いきますか。粘着性可燃溶液~」


 前に影ドラゴンに叩きつけた物をこんどは肉塊に叩きつける。反応をまだ示さない肉塊に松明を投げると勢いよく燃え出した。さっきより数倍の面積を焼き出した炎に対し少しばかり止まって様子を見ている感じだったが数分しても消えないとわかったのか全身を震わせ始めた。


「おっ、始めての反応。これは辛い様子と見た……ってはあっ!?」


 震えが更に大きくなった瞬間、前方の方から肉が延び上がり後ろまで包んだかと思ったら痰を吐き出すかのように燃え上がっている溶液を後方に勢いよく吐き出した。そのせいで後ろの樹木が燃え出してヤバいと思ったがその次の瞬間には俺自体がヤバいのだった。

 そう、肉塊が襲ってきたのだ! はあ? いったいなにが切っ掛けで襲って来やがった!


「だめだめ、俺は触手責めはノーサンキューだから」


 一昔まえの触手モノのような巨大スライムの蠢きから上下左右様々に体を触手状に伸ばして絡め取ろうとしてくる。


「いやー、やめてー! ランボーするつもりでしょ! 映画みたいに! 映画みたいに!!」

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