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弓兵はモンスターを駆る?  作者: 狭凪
第三章

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 おい、あのNPCのしゃべり方はなんだ?


 いや369の正式稼動は俺も喋ったところは初めてなんですよ。調整したと言っても人格データの種撒いたくらいで拾った子供を育てたみたいなもんですよ? まあ、成長過程にこっちの映像とか見せてましたけどラップのデータは……、わお、なんかありました。やっぱりクッさんに頼んだのが間違いだったっすかね?


 六に頼むとか完全に大間違いだろ。で、もう一方のほうはきちんと動いてるか? そっちも予想外だと困るのだが。


 そっちは大丈夫っすね。美人なNPCを口説いたりしてますけど概ね紳士的に行動しています。こっちは紳士然に行動するようにしたっすから。


 はあ、この調子では他のNPCもどうなっているのか不安だ。


 それは、まあ……あれじゃあ不安もでますか。でも他のはきちっと育てたっすから軍隊並みに……したらまずかったすかね?


 ……一応自意識はあるんだよな? 命令一辺倒とかではなかったら許可は出す。


 そこは大丈夫っす。どっかのギャルゲキャラからどう育てたらいいか学んだっすから。


 ……不安しかない。

「あぁぁぁああぁぁ~! なんだあの野郎。いきなりキルしやがって、いやいきなりキルするのがPKだが町中でやるのは第三陣だな!! 一陣は情報優先で各地に散らばってるし、二陣はPKギルド外の連中にゃ厳しいからゼッテー三陣だな! 武器も防具も貧弱だったなおい! くそあいつゼッテー許さねぇッ! 初デスがPKとかくそムカつきまくりで毒状態にして五千兆回ぶん殴って瀕死になるたびにくそ苦回復薬を鼻から流し込んで後悔いや今からこの()をブチこんで――」

「落ち着け馬鹿者」

「あ痛っ」


 手当たり次第に矢を取り出してどれにしようかと悩んで、最後に出した黒曜石巨人用破壊の矢を取り出したところで正気に戻らされた。正気に戻ったから散らかした物を片付ける。


「と言うかコクーンさんなにかロストしてないんですか? PKされたんですよね? その武器からは無くなってないんですか?」

「ん? 袋の中はだいたい85%がそこら辺で取れる鉱石か鋼材で10%が適当に作った武器で5%が薬だな。あっ、1(スタック)から数個消えてる」

「PKの旨味がないひとだなー」

「ゴミ泥な人ですね」

「強いのにゴミ泥ってヘドロですね」


 こっちは被害者なのにすごい言われようだ。まったく、鉱石だってただじゃないんだからこれも出費だ……。


「ん? じゃあさっきのは何処にあったんですか?」

「さっき? ああ、あれスキルの方に収納してるからデスペナでもPKされても無くならないんだよ。あとは他はロストしないファームの中に入れてる」

「じゃ、じゃあ、高レアを手に入れたら、ファームに入れたら無くならないじゃないですか。ふ、ふふっ」

「ステペナも経験値ペナもそんな無いしな」


 ステータスを確認するが種族と職業のレベルが1、2上がっているくらいで、そんな稼いでいないからレベルの経験値ペナは気にならない。

 スキルの方はかなり酷使してたから色々と上がっている。スキルポイントも貯まっていたからどう取っても支障は出てなかったはずだ。



[name:コクーン]

種族 人間 女 Lv17

職業:アーチャー Lv12

副職業:テイマー Lv10


STR:32

VIT:30

INT:21

SPD:39

RES:23

TEC:41


[スキル]

弓Lv19 短剣Lv19 鏢LV11 縄LV11 素手LV2

無属性魔法Lv5

鷹の目Lv19 梟の目Lv17 鷲の目LV17 隼の目LV6

アクロバティックLv18 ダッシュLv22 腕力★ 速力★

手品Lv20 奇術LV4 識別Lv25 鑑定Lv20

鍛金Lv17 錬金Lv15 鍛冶LV19 工作Lv21 部品製作Lv15 彫金Lv16

耐毒Lv14 耐痺LV2 耐眠LV3 耐乱LV4 耐死LV9 耐暑LV13



 ちょくちょくスキルは取ってたみたいだからスキルポイント減ってんな。


「あと服どうするんですか? えっとインナーと言ってもおっぱいが出ちゃってますけど?」

「別に恥ずかしくない。中身男だし、全裸スタートでブツ漏らすゲームもしたことあるからそんな気にしない」


 あれはモロ出しのモロ出しで衝撃的だったが、ゲーム性と操作性でストレス貯まったからうっぱらった。ダイブ式なのに動きがボタン割り振りみたいなとか今時ないわ~。動きづらくてないわ~。

 ともかく、女性陣が煩いので初期装備に着替える。そうか、俺ウサギコート以外気にしてなかったが、カワラギから適当に買った装備以降更新してなかったのか。


「移動した先で揃えればいっか。急ぐ感じでもないし初期装備でいいか」

「2着しかないんですね」

「巫女服があるから実質3着」


 あれ飾りっけが多いから動きづらいのなんのって、改造したけど。


「さて行くか」

「あ、入り口は……」

「もう対処した。わかってるなら対応は楽だしな」


 待ちPKしてるプレイヤーはすでに箱に詰めて適当に飛ば(出荷)しておいたから安全である。新天地目指してレッツゴー!






:::::::


 ところ変わってチェントロのごみ捨て場。そこに置かれたゴミ箱がガタガタと揺れて蓋が開いた。


「なんなんだいったい。いきなり木の板が降ってきたと思ったらゴミ箱に飛ばされたぞ。な、なにを言っているか自分でもわかんな――」

「HeyHey、どうしたなにしたここにいた? 反撃食らってゴミ捨て場。許されてる行為、みんなしてる総意、だけど反撃食らったねsorry」


 そこに現れた人物は紅白の装備を纏い、背丈を越える大鎌を肩に乗せてステップを刻んでいる。顔はフードを被っていて確認は出来ない。それを見たPKプレイヤーは武器を構える。


「これはお前のせいか!」

「NONO、それは勘違い。見えない場所感知外。そこから食らってBYE-BYE!」

「なんだよそれ。てかなんなんだよお前!」

「何だかんだと聞かれたME。じっくり見ていけDoyounowショウミー」

「誰なんだと言ってんだ! NPCの癖にさっさと教――」

「僕の名前はミロクマル。お前みたいなやつ取り締まる。職業処刑人(ディミオス)であ~る。僕を倒せば無罪放免、だけど意味内、無理なメ~ン。すでに君は死んでるYO!」


 おかしな言動だがその職業に見合った仕事をすでに終えていた。PKプレイヤーのHPバーが砕け散っていているが肉体(アバター)はまだ健在であった。だが、それもすぐに変わるだろう。そのことを不思議に思ってプレイヤーは自分のステータスを確認するとすべての能力が半減していた。その現象は職業故ではなく、武器によって起こったと考え付く。それほど禍々しい感じをしてたほどだ。


「な……は? 状態『死亡(弱体50:50(ハーフ))』……弱体の継続時間、1日って何だよ……」

「これにてお仕事終了、全部完了! BANG! Year、さっさと戻って待機だYO!」


 指鉄砲をした瞬間に肉体は砕けてプレイヤーは死に戻っ(リスポーンし)た。そしてそのNPCは背景に解けるように何処かへ去った。

ちょっといろいろばら撒きすぎたのでデータを拾い集めてます。

久しぶりに出したステとか町の名前とかキャラクターの性格や種族がすっぽ抜けてたとかあったんで。

明星お前獣人やったんや!?(久しぶりに出したからと言うわけではなく、イベント時にはヒューマンで構想してたとはお口メッフィー)

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