表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弓兵はモンスターを駆る?  作者: 狭凪
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/91

63

『さぁてさてさて! ドヴォン選手の戦斧! ザイン選手の直剣! 両者の技術から生まれた破壊力は見事! 流石培ってきたものが違うと言うことでしょう!』

『ですがコクーン選手の発想力と言うものを侮ることは出来なません。情報によりますと使用する武装の内8割ほどオリジナルの機能が備わっていると言うことです。彼女は両名とは違う物を見せてくれるのはないでしょうか』


 大きく期待を寄せてくる解説と実況の二人の言葉が頭蓋の中を素通りしながら用意されていた鎧人形の前に立つ。よほど自分が作った武器に自信があるのか――いや、まあこの二人がしそうな目論見は俺も作ったことがあるが、いざされてみるとあまりにも穴だらけである。

 と言うのも、VIT+500の鎧に合計耐久1500の人形がVIT+1000の合計耐久3000と倍になっている豪華仕様とか俺を落とすのにドンだけ躍起になっているんだよと文句を言いたい。もったいない。まあ、重量的に一人では装備(持て)ないアレ運ぶのを二人にして別物にしているとは気づかなくしているけど、これ鑑定を始めから持っているプレイヤーには無意味なんだよな。別物だってわかるし、物言いをすればイカサマだってことがばれるんだから。

 でも俺はやらない。だって、そんなことしたら武器(玩具)を使うことが出来ないじゃん。


『おやコクーン選手はなにやら何も持っていない手から周囲に武器をばら撒いてますね。何の意味があるんでしょう?』

『あれはパフォーマンスですね。スキルを使用して作ったはいいが使用しなかった武器をあえてああすることで、自分の製作作業時間を表しているのでしょう』


 俺のケッサクな武器(玩具)を取り出す前に一応のおさらい。と言うか喋りたいけど、この周囲に被害を出さない仕様の結界の作動中は声も遮断するから独り語り(モノローグ)で説明するとしよう。手品スキルを成長させるついでに。

 まず第一にこのゲームには様々な自然法則ルールが存在する。ゲームだから摩訶不思議、インゴットにトンカチ叩きつけていれば剣ができたり、皮を撫でていれば鎧が出来ると言ったスキルが行う不思議法則わからない。地道に鋼を叩き鍛鉄、溶かして形成する鋳造して武具を作ったり、なめし、乾燥、型紙を作り切って縫製を経て皮鎧を作成したりと現実に沿った物理法則あたりまえ。そして、属性が関係する鉱石と怪物を揶揄する魔物の素材、それに現実にはない魔法によって起こる超越法則ありえない

 第二にプレイヤーが最初にかち合うのが不思議法則だが、それはスキル依存でお手軽に出来るがゆえに出来がいいものは作れないがそこそこ使えるものが簡単に出来るためそれに頼り続けることもあるだろう。その反対にプレイヤーが次の段階としてたどり着く物理法則なのだが、これは現実世界に則るので多少作業時間は省かれるが時間がかかるが天下五剣のような業物を作ることが出来るが当たり外れも多い。

 そして第三に今回、というかなんか最近作ってた素材のみで属性が付くことがあった超越法則なのだが、一定の法則を外れなければ名剣を量産できるのだがこれはほぼマネーパワー(意訳)となっていて素材の消費が激しいのに目を瞑ればあのくそでかい岩の巨人――は言いすぎだがアタランテとは善戦できるだろう。勝てるとは言えない。


「それを今回全部まとめて使用したこちら! スキルによって精錬されて上位素材の大群となった武器を使用、溶かして叩いてまた固めて、最後にどっかんしたビックリドッキリウェポ~ンッヌ!」


 いままで取り出していた赤青半々の武器をジャグリングして横一列になった瞬間に挟み込んで入れ替えると左右半々と色が違う大剣を掴んでポーズを決める。


『おっとぉ……、あれは保持の刻印だけで派手な大剣のように見えますがいったいどうしたのでしょう?』


「ふん、やけにパフォーマンスをすると思ったらただの大剣じゃねえか」

「流石に敷居が高くて引くに引けなくなったのでしょう」

「ちげぇねぇや。あんな小娘に唆された連中も難儀なこって」


 鉛玉をぶちこみたくなるほどウザイ老害は置いといて、こちらのことに取り組もう。イカサマごと輪切りにしてやるぜ!

 部品製作スキルの様々なパーツをふんだんに使ったフルギミック仕様の大剣を弄くると色事に上下にスライドさせる。二段階に分けて、表面に見えないようにコーティングした刻印に魔力を流すと合わせて爆炎の文様が浮かび上がり、揃えると保持の刻印が爆炎を留めるように輝く。


心は熱く(ヒート)!』


 正義のヒーローのオモチャみたく音声を発するが、オモチャとは違い刀身の赤が輝き3m程の火柱をあげる。それを鎧人形に叩きつけると火柱が巻き付き上空に昇る火の竜巻に変わった。

 それが終わる前にすぐさま手の中で大剣を半回転させると同じように刀身をスライドさせると氷結の刻印が浮かび上がる。


頭は冷静に(クール)!』


 刀身にダイヤモンドダストが舞い散るように纏うそれを振るうと鎧人形を巻き込んで氷の道を作る。ギシギシと軋む音が耳に届いてくる。

 そして最後のギミックの柄を回転させると柄頭に破砕が浮かぶ。


当たって砕けろ(ブレイク)


 前から通り抜けるように一撃、折り返して同じように一撃を与える。氷結によって霜が付いた鎧人形に前後合わせて二閃の斬撃エフェクトが入り、キリッと決めポーズを取るとエフェクトから罅が入り鎧人形が砕け散った。

 完全に耐久値が消し飛んだことで光になった様子を顎が外れたような驚いた表情で固まっている前組合長二人にドヤ顔を向けておく。


『おぉぉぉぉぉっとぉぉぉぉ! いったいなにが起こっているのでしょう!? ドヴォン選手が真っ二つに、ザイン選手の使い手が破砕した鎧人形を文字通り跡形もなく粉砕したぁぁぁぁぁああ!!』

『あれは二種類の属性、しかも反対の属性を使用したことで耐久値を減らし、最後の攻撃で破壊したのでしょう』


 先程とはうって変わって嵐のような歓声に包まれるなか、二人の男性が近づいてきた。


「お、お前……、それをどうやって」

「その前にそれを買い取らせてくれ! 幾らだ!」


 どうせゴミになるから手持ちの財布だけでいいと言ったらすぐに投げ渡され大剣を取られた。


「こ、これか、あの……」

超越武器オーパーツなの…………か?」


 大剣を掲げただけでパキンッと折れ刀身が消え去った柄だけをまた違った呆けた顔をしている。その目の前で紐を緩めた財布をひっくり返して中身をそいつらの足元にぶちまける。


「き、貴様ぁ……」

「いやだから壊れるから財布だけでいいっていったのに律儀に中身まで渡すから返す。あとその柄要らないなら返す金で買ったと言うことで」


 ギシギシと音を立てていたし、爆炎の刻印を使ったときから耐久値が秒速で減りはじめていたから財布だけでって言った。因みに刀身(赤)と刀身(青)、それと柄は別々のパーツなんで、柄はリサイクル可能だったりする。


『これは計測を行うこともなくコクーン選手の勝利と言うことですね』

『鎧人形の残り耐久値が全て無くなったことでいまだに原型を保っている両名とは比べ物にはならないですからね』


「くっ……、こんな小娘に……」

「こんな……、こんな……」


 信じられないことが立て続けに起きたことにより、歯を食い縛り憤る。今までが無駄だったかのように呆ける。そんな二人に俺は、


「ふはははははっ! その顔が見たかった! 優越と傲慢と驕りの満ちたその顔が屈辱に染まる顔を!」


 返してもらった柄を持ちながら顎をしゃくれたようにして煽りまくる。到底女性がしてはいけない顔だが中身オッサンだから関係ない。左右のサイドステップからバックステップ、ダッシュキャンセルからのジャンプして後ろに回りぐるっと一周半して煽り散らす。


「量産品作っていざ逸品ワンオフ作ってもイカサマしようとしてもそれを上回られた気持ちはどぉぉぉんなぁぁぁぁ?」


 さらにセルフドップラーしながら煽り散らしているとクエストクリアのお知らせが届く。数個の有用な鉱石、鋼材と共に何やら目を引く物があった。


『黒曜の林檎』

・黒曜石で覆われた不思議な林檎。食べることは出来ない。しかし薄くなっている場所から見えるなにやら林檎は腐った様子もない。使用用途は不明。


 こんなことが書いてあるんだがどう見ても黒曜石の塊にしか見えない。

 っと、こんなくそ爺に構っている暇はなかった。変に長いイベントだったから時間食った。明日は早かったんだった。これから一週間ログインする時間がなくなるし、今日しようとしたファームの移動が出来なかったから一週間後かぁ~。さっさと戻って回収しておこう。あとレギオンメンバーにファームが無くなるから気を付けろと送っておこう。ベラは……、まあいいか。

 ちょ~っと自分的にも内容的にもチュートリアルが終わった感じが出来てきたので次の話から趣味を暴走したいので4月まで更新がって今まで通りやね

 ってことで新しいキャラをごろごろ出していきたい感じなんで優しいかたはプレイヤーネームと使いたい武器と簡単な性格を活動報告のやつに書いてくれたら破城槌抱えたドリンク飲んだ感じで更新頻度が上がるかも

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ