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弓兵はモンスターを駆る?  作者: 狭凪
第二章

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 お茶汲みに連れられて行った先は停留所のような、と言うか馬車みたいなものだから停留場と言ったほうがいいのか?


「竜車駅と言うそうですよ」

「さらっと心を読むなよ」

「心じゃなく考えを読んでいるんです。長年連れ添わないと心までは読むことはできませんよ」


 考えを読むことすら相当のもんだと思うがな。

 竜車駅に入るとクエストの開始の合図が流れた。


「よう! あんたらが護衛をしてくれる冒険者たちかい。最近街道が物騒になって簡単に行き来できないようになってなあ。四人も来てくれるなんて嬉しいよ」


 どうせ用意されたテキストだと思ったが引っ掛かるものがあった。


「……四人?」

「ああ、そうさ。さっき来た彼女らと一緒にしてもらうよ」

「あっ、このクエストの最後に直近に同じクエストを受けると同クエスト内に纏められると書いてありますね」

「へぇ、そんなクエストもあるのか」

「じゃあ、準備の方はできてるかい? 出来てるなら直ぐにでも出発するが?」


 お茶汲みの方を見て許可を出す前にすでにウィンドウから許可を出していたのでNPCのおっさんの話が進みだした。


「んじゃ出発するからあんたらも出る準備をしてくれ」

「は~い! メグメグぅでっぱつしまぁ~す!」

「メグメグ、準備と言われているのですから武器を装備してください。早く」

「え~、バトルが始まってからでいいじゃん~。邪魔だし可愛くないし~」

「はあ、それで死んでも知りませんからね」


 隣の扉から見知った顔が出てきた。見知ったと言うか忘れてたのに一瞬で記憶が引き上げサルベージされるほどのインパクト。名前から声から喋り方、それに装備品のどぎついオレンジの女性、アイドルレギオンのイマドキアイドル系プレイヤーのメグメグ。

 それと数週間? 前に会ったメグメグのバーターになってしまったラファロー。彼女はイベント時からおとなしめのブルーカラー、当て嵌めるならスカイブルーのような色の装備を身につけている。


「あれあれ~? 同じクエストを受けたって言うのは君たちのことだったのか~い」

「……お久しぶりです」

「おや? コクーンさんの知り合い何ですか?」

「たまたま顔見知りだってだけだ。フレンドでもないな」

「そうだよ~。てゆ~か、アイドルの私達とフレンドになるってファンの子たちからしたら羨ましがられることなんだよ? それを蹴ってるのは君と君の相棒くらいだよ」

「私の方も蹴られてますね」


 いや、常時知られたくないし、こいつの場合ログインしたら直ぐにファームにやって来そうだし。まあ教えてないからこれないが。

 ただ面白そうってだけで寄ってこられちゃファンにPKされかねん。過激なファンが付いてるか知らないけど。


「そうだ! いま申請を送ればいいんだ♪」


 そう言ってピョコピョコと弾みながら操作してフレンド申請を送ったようだが、こちらには届かない。


「……受け取り拒否とかマ? アイドルだよ? 直接会って送ったのになんでなのよ!」

(私の方はすんなり通ったことは黙っておきましょう)

「それより竜車を取りに行ったおっさんを待たせてないか?」

「それよりって何よそれよりって!」

「そうですね。いくらNPCでも待たせ過ぎると何が起こるか分かりません」


 そんなこんなで女二人、外身女、外見女のある意味女性だけの即席パーティでの合同クエストが始まるのだった。


「それよりって何よ! 無視しないでよ! 私アイドルだよね? 私アイドルなのよ~!!」

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