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一日跨いでゲームにログインした。えっと今日は何するんだっけな……? なんだろう、一日ログインしなかったからか前にしようとしたことを忘れてしまった。歳か?
「う~ん、なにかしたいとか思ってたのはたしかだと思うけど……」
考え事のため歩きながら牧場を見回り、ウサギ達を集合させる。うんうん唸りながら始まりの町に歩みを進めるとゆっくりの行軍なので雀や犬どもが襲ってくるが、その程度にやられるうちの子達ではないので出てきてはやられ、襲っては天に還っていく。
「とりあえずギルドに来たものの今日の目標が見当たらない」
「こんにちはコクーンさん」
「うわぁおっ!? なんだ変態3号か。今日はどうした? 今のところ明星はログインしてないが」
「今日は明星さんは関係なく、スキル入手のためにギルド来たんです。それでスキルポイントのために依頼をこなしていたんですが、ちょっと残った依頼が詰まっていまして」
「手伝って欲しいと」
「そのついでに竜車が使えるようになるみたいで」
「それたぶんついでじゃなくメインだと思うが」
「そうなんですか? スキルポイントが欲しかったのでいろいろできる範囲で受けてたらイロイロできるようになってましたね。特定のNPC販売の値引きとか」
「依頼をクリアしていくとそんな特典が付いてくる場合があるのか」
俺の場合レギオンハウスで武具を作ってNPCのフィラミアに頼んでギルドに納品、売却してから初回クリアポイントが入ってからは反復だけしているからお金くらいしか増えてない。その分も金属の購入に回してるから自転車操業並みに入ってくる分も雀の涙程度で、それも飼料や携帯食料に回したら霞くらいしか残らない。
なので手伝うことにする。スキルポイントにお金、経験値とデメリットはないから一石いくつだろう?
「なら早速申請をしまして、さあ、行きましょう!」
「依頼は受けなくて良いのか?」
「コクーンさんが来る前に受けておきました」
「俺が来なかったら他の誰かでも誘っていたのか?」
「いえ、コクーンさんならこの時間にログインしたらこの前ログアウトした時から間が空いたので近況から次の目標を見つけるためにテイムモンスターを育てながらギルド来るって分かってましたから先に受けました」
「そ、そうか」
「はい!」
流石明星に関しての情報収集が得意な変態3号。その名に恥じない変態っぷりだな。
いまはあまり気にならないからいいが……、とりあえず依頼をクリアすることに集中しておこう。
「あ、コクーンさん?今、空腹度が減っているから果実タイプが多いのでそれから食べたほうが良いですよ? 依頼は長めですから」
「いや、確認で聞くんじゃなくて断言で言うなよ」
「?」




