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弓兵はモンスターを駆る?  作者: 狭凪
第二章

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 おもいっきり折れた武器を持ち体を震わせる二人。かなり怒ってるとみた。

 まあ俺の所為なんだけどね。


「テメェ! 何しやがる!」

「いくら余所者でもやっていいことと悪いことがあります! と言いますか、身内でも刑法ものですよ!」

「おもいっきりやってやった。今は反芻している」


 紅い縄鏢を持ってビシッと決めポーズをとる。

 何気ない腕の降り下ろしから一瞬の内に縄鏢を取りだし、最大加速度で二本の武器に叩きつけた感覚が完璧に決まったので感覚を忘れないように思い返す。意味の無い行為だったから忘れよう。


「反芻してねぇで反省しろ!」

「そして何故私達の武器を壊したのか」

「え~、それ俺になんかメリットあるの? ぶっちゃけた話俺の武器より弱いけどそれが売りなんだろ? 量産品を競い合って面白い?」


 ギルドに持ち込むってことは量産品の買取と言うわけで何で言い争ってたのかわからないんだけど、誰か説明してくれない? このタイプのクエストって話長いから基本的に聞き流しているんだけど。

 こそってこの騒動のあらましを教えてもらったらなにやら先代やら先々代やらの因縁で喧嘩しているらしいが、どちらもそんな喧嘩し合えるような腕を持っていないらしい。え、なにそれくそうぜえ上司の喧嘩引きついでるだけなのこのクエスト主達。やめなよそんなの。


「と、簡単にはいかないわけで、先々代組みは若かったなと思い出になっているのだがまだまだ現役の先代組みが喧嘩腰なわけで、それに睨まれた当代組みはしぶしぶと」

「くそうぜえでしょう」

「くそうぜえな。なんだその害にしかならない連中」


 のほほんとジュースをすすって受付嬢さんと世間話している。いやあどこの場所にもいるもんですなくそ上司ってのは。まったくああいうのは後の代にへんなもの残して自分らは圧迫するだけ圧迫して放置。アンド失敗したら激怒するんだから邪魔なだけなんだよな。隠居して趣味に走ればいいのにこんな世界なんだから。


「で、煽るだけ煽って追い返したんだけどよかったのアレ」

「いいんじゃないですか? 毎回顔を合わせるたびに気まずい顔した後の嫌々ながらの喧嘩もこちらも気がめいるって物ですよ」

「そういうものですか。めんどくさいですね」


 喧嘩と突発的なクエストの所為で忘れていたんだがここらの様子を聞きにきたんだっけ?

 忘れてた、忘れてた。この町、ベテルラニの町の情報を集めておこう。ぶっちゃけあれらに関わりたくないだけなんだが。

 さて、牧場に戻るか。


「ちょ~っと待たれよ外の人!」

「待ちません外の人ですから」

「待ちなさいと言っているでしょうが! あ、あなたには聴きたいことがあるのです!」

「俺の方にはないのです! 着いていって幸せの壷なんてものを買わされたくないので」

「壷なんて売りません。と言うか壷に付与したってあんな砕けやすいのにつけたって意味がないです!」


 なにやら急いた様子で現れた付与師の当代代表。あまり会いたくないしクリア条件が見えないから長期放置したいと思ってたクエストだった。

 しかし、いきなり話しかけてくるし、これはキャンセルのループイベントなのだろう。仕方ないから近くの喫茶店で話を聞くことにした。詰まらない話ならブッチしよう。



 まあなかなかに面白かったんで若干の悪戯心で手助けをしてあげることにした。と言っても俺の錬金のレシピを教えただけなんだけど。これで結果が軟着陸か墜落かは運次第だね。

 帰るか。

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