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弓兵はモンスターを駆る?  作者: 狭凪
第二章

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 軽くぽんぽんと数時間で作ったからちょいと変かも

 森を駆け巡りながら敵の攻撃を掻い潜っていると敵のパターンが少しくらいは読めてくる。

 あいての数は聞いたとおりの一体、だが俺の身長より頭二つ高い。それなのに身軽であり木々の根が張り巡らされ所狭しと生えている幹が並ぶ森の中を迷い無く走り抜けている技量も高く、ダッシュスキルで無理やり走っている俺とどっこいどっこいのスピードで全然距離が離れない。しかも木々を貫く矢がとにかく煩わしい。木が邪魔する森の中なら遠距離武器は使えないと考えて飛び込んだが、これじゃあ俺の方が不利な状況じゃねえか。


(と言うわけで罠を仕掛けよう)


 他のプレイヤーの喧騒も聞こえない森の中、疾走音が聞こえていた場所で大きな爆発音と数度の爆発音が鳴った。

 追跡者はその音に何も思わず遠くから粉塵が無くなるのを待つ。その間にも索敵や気配などの探知は忘れずに行う。自分が狙っていた逃走者の気配などは少し動いたきりそれから探知に一切引っかからない。

 プレイヤー側の索敵スキルや気配察知スキルにはプログラム内で設定されているポインターを表示しているが、モンスターやNPCのスキルには場所を呼吸音や足音などの動いているのならば当たり前に発するものを利用してそれの居場所を特定している。

 ならば追跡者の探知スキルでつい先ほどまでに居た場所から少し動いただけで引っかからなくなると言うことは、爆発に乗じて逃げたか息を殺してどこかに潜んでいるかだ。前者ならば常時発動しているスキルに引っかからなければおかしいはずで、後者ならば数分待てば息が出来ないことからすぐにぼろを出す。そう判じた追跡者は煙が晴れてから少しばかり待った。だが呼吸停止の限界を超える時間を越えてからも倒れた木々の場所に姿は現れなかった。

 追跡者が持つとあるGMから与えられた反則じみた知識の中でプレイヤーの息を止める行為は一律数分程度でそれを超えるとダメージが窒息のカウントダウンが始まる。これを伸ばすには日常的に泳ぐ漁師や海女などの職業や呼吸系や潜水などのスキルを取らなければ増えないのだが、これまたGMに与えられた逃走者にまつわる職業やスキル構成から判じるに呼吸を整える付属が付くスキルを持っているがこれは長くさせるものではない。追跡者は不思議に思い一射を確認のため放った後何も行動アクションがなかったためその場に赴いた。逃走者が潜んだ場所は爆発によって木々がなぎ倒され、茜色に近い空が良く見える。木々の木漏れ日しかなかった森の中に対して木が倒れたことで沈みかけている日の光が当たったことでその場所に赴いた追跡者の全容を現させる。

 追跡者の形は女性だった。真っ黒なその姿は赤い光を受けてもなお黒く、滑らかな光沢で光を反射させている。しかし、黒い姿には禍々しさは一切なくその姿は細くとも野性味を感じさせる美しさを秘め波打っている髪は水のようにうねり、生物的な構造はしていないだろうが目に位置する場所はパーライトがはめ込まれ光の反射で眼球のようにも見える。

 そしてパーライトの目が動きまわりを探ると視覚のような感覚内に捕らえた物があり、確認のためそちらのほうに進むとなにやら動く物体を発見した。それは削りだした木と紐、そしてバネを組み合わせて作られた遊園地の空中ブランコの絡繰おもちゃだった。そしてそれには木板が立てられておりこう書かれていた。


『馬鹿が見る豚のケツ』


 そこに書かれた侮辱の文字を見た瞬間に手に持った真っ黒な弓で叩き壊した。その瞬間爆発した。




 ひゃっはー! みたかコンチクショウメー! ジャパニーズニンジャ土遁スペルみたか! あと気配を獣と似通わす呼吸法! 取材で隠れ里に三ヶ月体験させてもらった成果じゃ! 遁術しか出来んけどな!


 と、思わず自分が作った罠にかかったことで若干テンションが上がってしまったが、爆風のダメージが若干痛い。この爆弾は大群に打ち出していたものと同じものだが中身だけだ。空中ブランコの傘の部分に同じ構造のものを入れて、止まればドカンって言うくらいの簡単な爆弾だ。でもその威力は折り紙つきだ。なんせ他の爆薬も仕込んでたからな。

 んで、相手が立て直す前にヘルスポーションを服用してHPを回復させ敵に対して識別を使う。



[オプシディアン・アタランテ]

 種:質 性質:??? ???

 ランク???



 オブシ……? えっと、なんか見た目からして黒曜石かなんかか? と言うか性質ってなんなんだよ。新しいワード出してくんじゃないよ!

 とりあえず、敵はアタランテ。ギリシア神話の狩人でアルテミスの加護を受けた美女である。その性格は温厚なんてものじゃなく、求婚者に婚約を賭けて自分と速さ比べで相手が負けたら殺していた。そんな人物である。

 戦闘に関しても俺なんて足元にも及ばないのに、森育ちの俊足持ちとかどおりで引き離せないわけだ。




「ちょっとこれどうすればいいんだよ!」

『がんばれ』『ご愁傷様』『がんばー♪』『南無』『死に戻りに備えるな』『たおせー』『負wけwるwなw』

「やめれこのバカ共」


 チャットに助けた俺がバカだった。

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