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弓兵はモンスターを駆る?  作者: 狭凪
第二章

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『最終イベント〜! 開始二時間前だよ〜♪』



 軽い弾んだ女性の声で全体アナウンスが流れる。

 俺とティグアは街として形が出来てきた最初の場所の中央。一番始めの建物である集会所にある会議室に数人集まっていた。



「さて、レギオンハウス持ちの代表者は集まったみたいだな。時間は無いが自己紹介から始めよう」



 その中の真っ黒な装備にかためられたフルプレートの男が話を切り出した。



「まずは俺、『切断龍団ニズホグ』のレイブンだ。後ろのは相棒の和魂にぎみたま。では次」


「はいはーい! 私は〜、アイドルレギオンのぉ〜、絶賛売り出し中のアイドルぅ! メグメグで〜す」


「同じくアイドルのラファロー」



 レイブンの相棒である和魂は胸当てに手甲と脚甲を付けた軽装で、速さや回避に重点を置いている格好だ。二人とも戦闘を考えている感じで、見た目的には地味な色合いだ。

 それに対してメグメグとラファローの装備は軽鎧だがそれぞれオレンジにマリンブルーと主立った色合いが派手で、そんな色をした素材があっただろうかと考え込んでしまいそうだ。

 注視しているとメグメグがウインクをしてきた。



「じゃあ僕らだが、生産レギオン『絡繰技師団』の枯山水と」


「みほんたたらだ。まあ一応できるが戦闘にはあまり期待しないでくれ」


「私らは料理レギオン『器用な料理人テクニカルクッカー』のシルビアです」


「ゲーテデス。料理バフは期待してくださいデス」



 四人とも布装備、オーバーオールにエプロンやコック服と職業にあった装備を着ている。


 おっと、次は俺らの番だ。



「俺はレギオン『流転の八雲』のコクーン。ちなみに逆アバだから。そんで後ろのは」

「私はティグア。銃士なので射線には入らないように」



 生産レギオンはこちらを、と言うか装備を観察してきている。料理レギオンのシルビアは手を振ってきている。



「『影の道』のX」

ズィー



 記号だけの名前に単純さが伺えるが、彼らは合法暗殺レギオンらしい。

 開設時に一つ一つ挨拶に来た。彼らの流儀は偽らずに正々堂々PKすると言うことらしい。



ワタクシは『軍乙女ヴァルキリー』のグラキエルと申します!」

「せっしゃはあぶりえうという」



 縦ロールだ! 縦ロール巻きお嬢様系の人みたいだ。髪の色が水色だから完璧とはいいがたいが言葉遣いがお嬢様風だからそこは見逃してやろう。そしてもう一人のほうだが、ドワーフ族であるディレンナより少し小さい姿の甲冑を着込んだ女の子が居た。甲冑といっても胴と肩の部分しかつけてない甲冑と袴姿だ。なんかエロイ感じがする。



「現レギオンのレギマスとサブマスの自己紹介が終わったところで互いに連絡を取り合うためにフレンド登録を行うが良いかね? イベントが終わった後は消してくれても構わないよ」


 そういうとこの場に居るプレイヤーからフレンド申請のメッセが届いた。各人それを承認して、全員分の登録が終わったところで話を切り出してきた。

 取り合えず聞きながらフレ設定で生産レギオンと正規暗殺レギオン以外のメンバーは一時承認状態にしておく。今後かかわりを持つとしたならここら辺だと思うからな。アイドルレギオンだとか女性限定レギオンだとかは面倒になりそうだし、レイブンらは何か依頼しに来たときに本登録にすれば良いかな。


「それでは約二時間後に始まる最終イベントについてどう行動するかを決めようではないか」

「俺ら生産レギオンは敵のドロップからアイテムを作って前線に送り出すくらいしかないな」

「私らも同じく料理バフを行うくらいしかないね。いまもレギオンのみんなが素材を受け取って料理を始めたりしてるからそれを続けていくって感じかな?」

「影の道のあんたらは?」

「偵察での敵の種類を見分ける。他には奥のほうの敵を少し減らすというくらいか」

「偵察は重要だが、守りのほうはどうする? さすがに一、二匹の討ち漏らしもなしとは行かないだろうから」

「レギオンメンバーの中でそういったことに突出しているプレイヤーを中心に」

「鷹の目保有者の櫓からの俯瞰視点のものも必要に」

「鷹の目は遠くのものを見るとしてしか見られてなかったが、他の視覚補助のスキルと組み合わせが出来るということが掲示板に流れてから、レギオン内で何人かが取得して育てているものの、未だ5レベル付近の者たちしか居ないうえに、そのものはほとんど後方支援用の魔法スキルを持たないものが多い」

「視界の範囲が増えても攻撃が当たるわけではないという声が多いこともあって、前衛と後衛のプレイヤーは持たないこともあって」

「生産レギオンもレベル上げのついでと取っては居るがそのほとんどが上位レベルのメンバーであるから出すわけにも行かない」

「料理レギオンも同様の状態でね。そっちに回す余力がないわけ」

「そうなると前線などで俺たちのところにいったん情報を集めて」

「でもそうなると情報伝達の速度が」


 白熱する話し合いの中アイドルレギオンが出て行っている。俺も木の板に遊撃に当たると書いておいて出て行くことにする。しかし、まとまりないよなレギオンマスター同士の会合だし。

 それよりか、俺らのところで何が使えるか倉庫に確認しに行かないと。特にベラのヤツが無駄に必要にならないアイテムを量産しているうえに、自分のポーチにしまわないから倉庫に溢れていて何がなんやらとわからない状態だからメンバーに整理してもらっているが、どこまで使えるものがあるのやら?


[フレンドチャットに呼び出しがかかっています]

[Y/N]


 なんかチャット(フレンドの一定の人数がいっせいに発言できる)が開いたんで留守電モード(入っていることは知られずにログを見ることが出来る)にしてレギオンハウスに急ぐ。

 今後わかることはこれでわかることになるから、後でメンバーにも伝えて自由に動いてもらおう。

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