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[運営より2つメッセージが届いています]
一日置くことになってしまって、ログインしたら運営から届いていたから開いてみる。
[サービス開始から初期発売のソフトが始動したことを確認しました。これよりイベントが開始されます。イベントの詳細は公式掲示板及びギルド、広場の掲示板にて表示されます]
[ワールドマップ西の謎1、2。南の謎3。北の謎1、2、3がクリアされました。マップが対応した程度広がります]
一つ目はイベントの掲示のこと。二つ目はマップが広がったことが書かれていた。
そうか広がったのか。
その前に広場の掲示板に確認しにいこう。
「お前イベントどうするよ」
「参加したいと思うけどお荷物がな〜」
「だよなぁ。救済措置なところだけど、俺らのフレ全員副職取ってるからなぁ」
道すがらプレイヤーが呟いているのが聞こえてきた。なにかしらのペナるものがあるのかもしれない。
広場にある少し大きな掲示板に人が集まっている。だいたい3m以内じゃないと掲示板の情報が見えないが、俺には鷹の目があるので離れた場所から覗く。
『第一次イベント』
ソフトが追加販売にあたり、このイベント予備期間5日以内に新規登録した方及び従来プレイヤーに参加権利が与えられます。
参加を行うと一つの商品が受け取ることができ、上位入賞を行うと豪華商品を受け取ることができます。 参加するには従来プレイヤーと新規プレイヤー(副職なし)の二人一組。ソロで参加した従来、新規プレイヤーにはソロ同士ランダムに振り分けます。
ご参加の意がございましたら指定時間に下記場所にログインしていてください。
第二陣プレイヤーの育成、初期プレイヤーとの差を少しだけ縮めると言った感じだろう。
俺の友人は二陣プレイヤーじゃないし、二人だしなぁ……。まあ相方はいるし。
今日はちょっとした物を作ろう。そう言えばギルドの依頼に鍛冶依頼とか無いかな〜。
「おっ、コクーンじゃないか」
「人違いですよ変態」
「いや〜、何日ぶりだ? お姉さん寂しかったぞ〜」
「寂しかなかったぞこっちは。シリウスたちもいるし」
「なんだよ〜、少しくらい構えよ〜」
「い〜や〜だ〜」
ぐわんぐわんと体を揺らされる。周りにいた男キャラの視線が集まったが、受付嬢の咳払いで散った。どうせ俺とアクロアの揺れるおっぱいでも見てたんだろうよ。
「で、なんでいるんですか? セクハラで訴えられましたか。なるほど」
「疑問系じゃなくて断言された!? 違いますー。ギルド内で唯一のテイマーで古参だから幹部に位置するんだわ」
「変態が幹部だなんて世も末ですな」
なんだと〜。と言いながらさらに揺らしてくる。この人用事で来たはずなのに遊んでていいのだろうか?
「おうコラ、自分の教え子だからって好き勝手出きると思うんじゃねぇよ!」
「あ痛っ!? なにすんのさギルドマスター……」
「簡単に俺の地位ばらすんじゃねぇ!」
「あ痛ぁっ!?」
いつものオッサンがアクロアに拳骨を二回落とした。一発は諫めるためで、二発目はばらしたことによる鉄槌だ。
「オッサン、ギルドマスターだったのか?」
「まーな。他の奴らには黙っとけよ? 素の連中が見たいんだからな」
そう言って口元に人差し指を立てる。
「オッケー。で、鍛冶系で簡単な依頼とか無い?」
「お前鍛冶師志望ってわけじゃないのに何のようで受けるんだ?」
「鍛冶スキルゲットしたから自分なりの武器を作ろうかなって」
「鍛冶だと!? あのオヤジめ! 私の弟子を盗るつもりか!」
俺いつから弟子になったんだろうか? アドバイス聞きに行ったくらいなんだが。
と言うか顔見知りなのか。
「それならこれが良いだろうな」
アクロアは無視して腰から下げている紙束を捲り三枚取って渡してきた。
「素材提供もあるし、余ったらその分は貰える依頼だ。ギルドに足を運ぶ鍛冶師なんて新人を除くとめったに居ないから、たまにこっちから持って行っているやつなんだができるんならちょうどいいな」
「余った素材が貰えるのか。だけどカツカツの材料を出してこないのか?」
「そこは失敗するかもしれんから多めに出すことと明記しているから安心しろ」
「そうか。なら受けるわ」
[制作依頼『黒羽の属性装備』を受注しました]
[制作依頼『簡単には壊れない武器』を受注しました]
[制作依頼『軽くて丈夫な盾』を受注しました]
黒羽の属性装備はカラスのレア素材でこの前作れたから大丈夫だろうが、耐久が高い武器、軽くて耐久が高い盾の条件は難しくなってくる。
武器はショートソードとメイス。メイスは俺でも耐久高くできるだろうが、ショートソードは難しい。盾の方と同時に教えて貰おう。
「これが材料だ。ちゃんと作ってやれよ」
「当たり前だろ」
「あんの爺ぃぃ〜……」
アクロアを無視して鍛冶場に向かう。
「ほう。そんなことがあったのか。あの小娘がね」
作り方を教えて貰おうとした経緯を話すと声を上げて笑った。
「まったくいつまでも変わらんのう」
「小さい頃からなんすかアレ」
「18くらいからああなったから大体十年近いな」
「ま、あんな変態は置いといて、軽くて丈夫な盾と丈夫な武器の作り方教えて〜な」
「いやだね。材料あるなら自分でどうにかしろ」
「ケチくせえ爺だな」
「使わせんぞ」
使えなくなるのは簡便なのでそそくさと鍛冶場に向かう。
まずは丈夫な盾を軽くする方法試してみよう。
[今回の行動で【鍛金】のレベルが上昇]
[今回の行動で【鍛冶】のレベルが上昇]
[今回の行動で【耐暑】のレベルが上昇]
一応出来たは出来たんだが、これはちょっとなぁ……。
[硬・ライトシールド]
DEF+10 耐久90 重量8
・鍛鉄し続けた金属で作られたライトシールド。堅さによる耐久と同時に防御性能も上がっている。
ライトシールドの基準値は+5、耐久30と初心者向けの装備なのだが、倍三倍という結果に納品したくない。
いま使っている短剣でも耐久60しかないのに、90の値はもったいなさすぎる。
依頼文には70から80とされていたから75を目指してライトシールドを作ろう。
[今回の行動で【鍛冶】のレベルが上昇]
[強・ライトシールド]
DEF+8 耐久73 重量8
・鍛鉄し続けた金属で作られたライトシールド。堅さによる耐久と同時に防御性能も上がっている。
[今回の行動で【鑑定】のレベルが上昇]
この依頼で貰っていた上質な鉄で軽く作ったら、2、3屑鉄に、3、4個規定未満の盾にしたあとにいい感じのが作れてしまった。
残った上質な鉄は17。なんか悪い気がする。
「半日でもう納品できる品物が出来たのか。つくづくテイマーにしとくのが勿体無いくらいだな」
「いくら言っても俺は鍛冶師にはなんねぇからな。ほかの人が難しいとか言い出すかもしれないが、俺は難易度高いテイマーのほうがいい」
「ああ、勿体無いなあ。しかし、鍛鉄だけで作り上げるとはバカみたいだな」
「バカみたいとは何だよ。ほかにもなんか方法あるのか?」
「まあ、あるにはあるが、スキルをほいほいと増やすとポイントいくらあっても足んねえし、かなり難しいと思うぞ」
そうか、難しいのか。どのくらい難しいのかわからないので顎や頬に手をやり悩む。
「それは悩んでる顔なのか? 嬉しそうな顔してすでに結論がでてそうだが」
「やるに決まっている!」
「そ、そうか。なら彫金と付与術のどちらがいい」
目の前に二つのウィンドウが現れ、それぞれの説明が書いてある。
彫金は消耗品の道具を使って装飾を施す。施した模様によって効力は違うらしい。
付与術は上昇効果を対象に付けるみたいだ。MPを使って道具、またはプレイヤーに付与するらしいが付与する場合、道具には数分かかり、プレイヤーは一定時間しかかからないとのこと。
「両方とか無理なのか?」
「それは無理だな。双子の癖にあいつらは仲が悪すぎる。お互いを貶しあっていて、片方に習いに行ったらそれでもう教えなくなる」
「面倒だな」
まあ、それでも俺が選ぶのなら一択だったんだが。
その双子の片方の住所を教えてもらい、早速だが習いに行くことにした。
[name:コクーン]
種族 人間 女 Lv8
職業:アーチャー Lv6
副職業:テイマー Lv4
STR:22
VIT:22
INT:11
SPD:26
RES:15
TEC:29
[スキル]
弓Lv6 短剣Lv9 鏢LV3
鷹の目Lv6 梟の目Lv5
アクロバティックLv6 ダッシュLv9
手品Lv6 識別Lv9(↑1)
鍛金Lv6(↑1) 錬金Lv1 鍛冶LV5(↑2) 工作Lv5
耐毒Lv1 耐暑LV4(↑1)




