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そして俺がアル、まっちゃんがシコウを背負って乗ってきたらしい車まで運ぶ。どうやら三人の基地に向かうらしい。
それにしても見た目が14,5歳のまっちゃんは一回り大きいシコウを軽々背負っているのだが……
車の後部座席にアルとシコウを座らせあることに気付く
「まっちゃん」
「ん?」
「……車運転できんの?」
得意げに、ニヤリと笑ってまっちゃんは答える。
「よゆー」
10代で車を乗り回している同僚もいることにはいた。しかし、明らかにまだ子供と言える見た目のまっちゃんが運転するのはどうかと思うのだがもうこの程度では驚かない。実際まっちゃんの運転はうまいものだった。俺はチャリ一筋で生きてきたので運転できない。そろそろ運転できるように練習してもいいのかなあ。まっちゃんが車を発進させ、助手席に座る俺をチラッと見てから話かけてきた。
「車で一時間くらいのとこにあるから」
「まっちゃんはずっとそこで暮らしてたの?」
やっとゆっくりと会話できる時間が取れる。
「いや、最近使っているだけだ」
「……まっちゃん達凄い強かった……。ありえないくらいに」
「成長が止まってから身体能力が驚くほど伸びたんだ。多分永志もそうなる」
「……まっちゃんって何歳?」
「……18だ」
「………………」
「……嘘じゃない」
疑ってるわけではない。まっちゃんと俺はおない年だったはずだし、言動や行動は18歳以上にも思える。身体能力に関しては人の域を超えてる。
ただその理由が思いつかないのだ。
「ごめん、まっちゃん、何から聞いていいのかも分かんないから俺と会ってなかった頃のこと話して」
「……そうだな、その方早い」
そう言ってまっちゃんは過去を語り始めた。