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深層世界  作者: NAAA
第一章 
13/65

13

「もしもし……永志だ。久しぶり……。急に電話して申し訳ない……」

「……兄ちゃん、誰?」

「……すいません。間違えました」

「ふーん。じゃあもう切るね」

「うん、ごめんね。失礼します…………」




 結果としてはまっちゃんとシコウと同じものとなった。九割以上のケータイに登録されてる人とつながらなっかたのだ。まっちゃんも言っていたようにある友達に電話した時には子供がでてきた。うーん子供なんか俺は登録していたのか? しかしここ最近連絡をとっていない人、というか顔すら覚えていないから赤の他人と大差ない人に電話をかけるのは勇気がいるな……。この結果をまっちゃんに伝えるため食堂へもどるとアルとシコウがいなくなっていた。


「あれ、アルとシコウはどこか行ったの?」

「ああ、どこかに出かけたみたいだ」

「どこいったんだろうね。まっちゃん、俺も同じだったよ。ほとんどの人とは繋がらなかったし、でても僕の場合は知らない子供だった」

「そうか……。出なかった人はいったいどこに行ったんだ……」


 そう言って考え込んでしまった。はたしてこのことが意味するのはなんなのか。


「ちょっと考えてくる」


 そういうとまっちゃんは二階に上がり部屋に閉じこもってしまった。俺はそのまま食堂に残り今までで分かったことを頭の中でまとめることにした。



 ある時を境にして、俺の場合は三年前から記憶がかなり曖昧になっている。これは人によって異なるらいい。そしてそのことに気付いてる人はおそらく俺達、四人にしかいない。


 あの不思議な六人は世界から人を排除している。その理由や基準は不明。殺された人は周りの人々から忘れられる。

 

 真実を知るにはどうやらその六人を一人ずつ倒していかなければならないらしい。これは勝手な俺の予想だか、クレイオと名乗った男の言葉からあながち間違っているとは思わない。

 

 ケータイでは9割以上の人と連絡が取れなくなっていた。とれたとしても俺の場合は面識のない子供がでた。


 こんなところだろうか


 俺が考えふけっているとアルの声が入口の方から聞こえてきた。


「おーい。永志かまっさーん。ちょっと手伝ってー」

 

 どうやら用事がすんで帰ってきたみたいだ。


「分かった! すぐ行く!」


 そう答えてビルの入り口に向かうとアルとシコウがベットをどこからか持ってきたらしい。わりと軽そうに持っているが俺が手伝う必要があるのだろうか…………。


「へーベットを買ってきたの?」

「いや、拾ってきたんだー。結構いいベットでしょ!!」

「拾ってきたって……」


 アルがご機嫌に答えてくれた。 


「これは俺が使うから。一階の部屋に運ぶの手伝ってくれ」


 シコウがそう言って三人でベットを運び込んだ。これで四人分のベットがそろった。

この日はその後それぞれ自室に閉じこもることとなった。いや、アルはまた外に出かけてたようだが。


 まっちゃん、アル、シコウ、そして俺の生活は楽しいもので、あの日起こったことが信じられなくなる。特に何も事件は起きずシコウの美味しいご飯を食べ、この世界の謎について語り合う日々が続いた。毎日シコウが食事を用意するのは大変そうだったので何回か俺も食事を作ることを担当したのだが疑問に思ったことが一つ


「まっちゃん、生活費ってどうしてるの?」

「あ? あー生活費はシコウの貯金でなんとかしてる」

「……」


 こいつらシコウに頼りすぎだな……。

 どうりで毎日暇そうなわけだ。シコウも文句を言っていい気もするがなにも言わない。


「永志ー、暇だよー、なんかして遊ぼうよ! シコウもまっさんもさー」


 アルなんかはこんなことを言う始末だ。少しは働けと言おうとするとシコウが


「……じゃあ麻雀でもするか? ちょうど四人いることだし。」


 麻雀って……僕はやり方知らないし……なんかおっさん臭いよシコウ……と思っていると


「おー麻雀か。あれは面白いからな」

「え!? なになに麻雀って!!」


 まっちゃんとアルものってきた。そういえばまっちゃんはボードゲーム好きだったな。俺もボードゲームは好きな方だ。暇なのは否定できないのでここは口をはさまず流れに身を任せるとしよう。

 ルールを教えてもらい初麻雀にのぞんだ。これは確かになかなか奥が深い。どうせ経験があるまっちゃんかシコウが勝つだろうと思っていると


「ロン、親の八藩の三本場だから24900ね。あれ、永志飛んじゃった(負けちゃった)?」

「…………」


 アルが異常に強かった……。初心者なはずなのだが……。俺が弱いのは認めるがシコウとまっちゃんを差し置いて圧倒的一位だ。


「アル、おまえ……」

「…………」


 まっちゃんもシコウも驚きをかくせないようだ。

 それから何日のように麻雀が行われていたが毎回勝つのはアルだった。

 

 アルについてはよく分からない。いや、これは俺がそう思っているというだけでない。アルと二人で話す機会がありアルの過去も聞いてみたのだ。その時シコウの時気を使わせてしまったことを反省して、慎重に言葉を選んで聞いたのだが…………


「え? 僕? 僕はね…………なーんも覚えてないんだ!」

「え? それってどういうこと?」

 

 なんだ? 何かごまかそうとしてるのか?


「いやいや、そのまんまの意味だよ。なんか気付いたらそこにいたって感じ。それでいろいろ自分は何者か調べようとしてたらあの六人に殺されそうになったんだよ! ひどいよねー。あ、でも

六人のうちの一人のあのおじいさん! あの人はちょっとかばってくれてるように見えた! まあ結局オーディンってやつには殺されそうになってたんだけどさー。まったく、間一髪のところでシコウとまっさんに助けられたから良かったものの……」

「……それはいつの話?」

「半年前。自分の名前くらいしか覚えてなかったからねー」


 自分の名前くらいしか? とういうことは


「……年齢は?」

「あー16歳ってことにしてる。 なんかそれくらいに見えるでしょ!」

「…………」


 年齢不詳の不思議少年……。外に頻繁に遊ぶに行くのはアル曰く「自分探しの旅」らしい。


「アル……さんは年上かもしれないいんですね……」

「やだなー永志さんったら。 僕みたいな可愛い男の子が永志さんより年上にはみえないでしょー」

「…………」

「…………」


 


 こうして日々は過ぎていった。

麻雀しらない方は申し訳ありません。

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