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  「あ、私そろそろ帰るから、じゃ、これから宜しく!」

   そう言って、帰っていった。それにしてもあいつ・・・・・・・・・・・

   食べるの早すぎだろ。そう、こうしてめんどくさい日常が始まったんだ。

   ―――――――――――――――――――――――――――――――

  「ってことがあったんだよな」

  「何っ!?なんでお前だけそんな特別扱い!?」

   とか、朝、勇太と話してるところだ。今日は3日目今日から昼飯ありだ。

  「そういえば、山田さ、一ヶ月謹慎だってよ」

  「へ~」

  「よかったな」

  「あ、ああ」

   たしかによかった、学校に来ないでくれて。きたらきたでめんどくさそうだ。

   が、もっとめんどくさいことが俺にあるんだ。

  「ちょっと付き合って」

   そう、コイツだコイツ。

   てか、おはようくらいいったらどうだよ。

  「碧波、朝まずあった人にはなんていうんだ?」

  「そんなのどうでもいいの、早く来て!」

   と言って青波は廊下に出ていった。

  「って、マジなのかよ!?本当にあの碧波愛と仲いいじゃねぇか!?」

  「仲がいいわけじゃない、ちょっと行ってくる」

   そうセリフを吐き捨て半ばやけくそで廊下に出る。廊下にいなかったのでちょっと 

  探してみると、おいおい、階段上がってるよ。一言くらい言っていけよ。

   と、向かった先は・・・・屋上?

   ガチャっ。お、空いた。

  「へぇ、屋上って空いてるもんなんだな」

  「なにやってんのこっち来て」

   と、屋上のベンチにもう碧波が座っていた。

  「んで、なんのようだよ」

  「はいこれ」

   ・・・・・・・・・・・・・・

  「は?」

   渡されたものは茶髪の桂だった。

  「えっと、これは?」

  「かぶって、練習するのよ、あんたを葛城君だと思って」

   何を言ってるんだこいつ、俺があんな爽やかイケメンになれるわけなかろう。

   とか、考えながらも興味本おいで俺はかつらをかぶる。

  「似合わない、てかちょっとキモイ」

  「うるせぇ、着せといて何言ってやがる」

  「まあ、いっか、とりあえず横座って」

   と言って俺は碧波の横に腰掛ける。

   ・・・・

   沈黙・・・・・

   ・・・・・・・

  「っておい!?おかしいだろ!?なんで黙ってんだよ!?」

  「あ、あんたってわかってても、なんか話しにくいのよ!」

   っと、顔を真っ赤にしていう。

   な、なんだよ照れてるのかよ・・・・・可愛いところもあるじゃん。

   とか思ってもしまったのも束の間、いきなりかつらを取られた。

  「お、おい、もう終わりか?」

  「この作戦はダメ、葛城くんはもっと、こう、爽やかでとってもかっこいいもん」

  「てか、なんであいつのこと好きなんだ?」

  「す、好き!?い、いや、本当のところまだ好きじゃないし」

  「はぁ!?」

   何いいってんだこいつ。

  「その、あの人完全に硬派で不良でタイプだし、これから好きになりたいかなって」

   す、好きじゃないけど、好きになる努力中!?なにそれ?

   碧波はもじもじ自分の髪に指を絡めながら話している。

  「い、いいでしょ!これから好きになるから好きになるまでに不良克服するの!」

   ああ、そうですか、先が長そうだ。最悪だ。早くくっつけて終わりだと思ってたの

   に。

  「じゃあ、いつ告るんだよ」

  「も、もっと話したりしたり、アプローチしたあとに決まってるじゃん!」

   ああ、ダメだ、先が長い。俺は頭を抱え込む。

  「葛城君って本当かっこいい!しょぼいあんたとは本当違うわ、あの時だってちゃん 

  と山田を押さえ込んで守ってくれたし」

   おいおい、俺も助けただろ。完全に記憶から抹消してるな。

  「ソレに知ってる?あのすっごい不良、えっと名前なんだっけな、すごくプライド

  高くて女には絶対手を上げなくてカツアゲとかはしない、えっと2つ隣の県の・・・」

  「えぇ!?」

  「な、何よ・・・・あ!思い出した!赤目の鬼!」

  「うわぁぁぁ!わわわわああああああああああああああああ」

  「って、何!?何発狂してるの!?きもっ!ちょっとどうしたのよ!?」

   コイツまで知ってるなんて我ながら何でそんなに有名なの!?

  「その人とも仲がいいんだって!山田を止めたあと少し話せたのよ、そこで教えても

  らったの」

   や、やめてくれぇ。

  「その人もすっごくかっこいいと思うのよ、その赤目の鬼って人、一番タイプだと思

  うの、その人と仲いいから葛城くんも硬派なのね」

  「で、でも、俺は葛城の友達じゃないぞ?」

  「はぁ?何いってんの?あんたが葛城くんと友達になれるわけないじゃん」

   い、いや、そういうことじゃなくてだな!

   でも、ここで俺がその赤目の鬼です!なんて言えねぇ!!

  「それにその赤目のひと、ここの学校なんだって」

  「!?」

   な、なんて言ったこいつ。なんで俺がこの高校にきたことを知っている!?

   いやそれ以前に俺はこの高校に行くということを誰にも話してないし、親も誰にも 

  話してないって言っていた。

   だれかのデマか?

  「そ、そいつって何組だがわかるか?」

  「ええ」

   !?

  「何組だ!?」

  「な、何必死になってんの?そう、そのことで、後で一緒に見に行きましょ!」

  「え?」

  「だからもしかしたらそっちの人が運命の人かもしれないじゃない」

   黙れメルヘン。

  「だから一緒に見に行くの、赤い目ってかっこよさそうだし」

  「わ、分かった」

  「?素直ね、何かあったの?顔真っ青よ」

  「い、いや、なんでもない」

   お、俺じゃないよな、その赤目の鬼。違う人であってくれ。

   てかバレてないでいてくれ。

   そして、そんなことを悩んでるうちに初の授業は全然頭に入らず昼休み。

   俺は勇太の方の机で一緒に飯を食っている。

   碧波はギャルグループとあと、あの不良グループと食べている。

   ああ、やっぱりちゃんと話せてないよ。なんで不良と話せないんだ?俺にはり理解 

  できん。と、俺が弁当を米粒ひとつ残らず食べた瞬間だった。

  いきなり碧波が立ち上がった。そして、こっちに歩いてくる。

   ギャル達も、「愛?」「どこいくの?」

   等といっているが完全に無視。そして向かう先は・・・・

  「行くわよ」

   俺だった。なぜか小声。ああ、俺なんかと喋ってるって思われたくないのか。

  「どこに?」

  「見によ、さっき言った奴!」

  「え、あ、ああ、あれな」

   俺も立ち上がると、みかんを向いている勇太が俺を見上げていう。

  「どこ行くんだ?」

  「いや、ちょっと、すぐ戻ってくる」

   そう言って俺は少し席をあけ、碧波と一緒に廊下に出る。ああ、クラスの人の目が 

  痛い。さしずめ、なんで俺みたいなのが、碧波みたいな可愛い子と一緒にいるんだ!?

   ってとこだろ。

   別に好きで一緒にいるわけじゃないけどな。

  「それで何組なんだよ?」

  「えっと、8組だったような気がする!」

   妙にテンションが高い。こいつ学校を運命の人を探すための聖地とでも思ってるん 

  じゃないだろうな?この恋愛脳が。つか葛城どうするんだよ?つってもその赤目は偽 

  物なんだけどな。と、思いながら歩いていくと見えた8組。ほかのクラスを見るのは 

  初めてかもしれないな。

  「よし、覗くわよ」

  「なぜ覗く!?」

   普通に見ろよ!とかツッコミも聞かずに、ドアを少し開ける。

  「どうだ?」

  「ん~、あっ!あれっぽい!」

   めんどくせぇな。じれったくなった俺はドアをがらっと一気に開ける。

   すると、8組の目線が一気にこっちに集まる。

  「ほら」

  「え、ほ、ほらって言われても」

  「お前がみたいって言ったんだろ、で、どれだよ」

  「あ、あの、フードをかぶってる・・・」

   フード?・・・・・・!?いた、あれか!?たしかに目が赤い。

   いや、カラコンだなあれ、純正の俺みたいに赤い目は本当に真っ赤で透き通ってす

  らいない。不気味な感じだがあいつのは・・・・少し違う・・・

  「あ、あれは偽物じゃないか?」

  「な!?どうしてよ!」

  「あれカラコンだぞ」

  「え!?で、でも、葛城くんが!」

  「あー、何でもかんでも信じるなよ」

   めんどくさい、本当にギャルだるい。

  「なら聞いてくればいいだろ、ほんにんかどうか!」

  「え!無理無理無理!不良と話せないし、少し怖いし」

   なら俺が行く。俺の偽物とかちょっとむかつくしな。俺が教室の中に入ると、

  「ちょ、まってよ!」

   と言って碧波もついてきた。

  「練習だ、お前が話しかけてみろ」

  「えぇ!?」

  「それぐらいしないと、これから先なぁ!」

  「わ、わかったわよ」

   そう言って碧波は不良グループの中で机の上に座ってる赤目の鬼さんの前にたった。

  「うおっ、なんだこの子、激カワ!」

  「え?なになに?俺に用!?」

   ああ、もうナンパされてるし。

  「え、えと、その、あの」

   ああ、ダメだ、完全にビビってる。不良慣れしてないのに不良好きって・・・

  「えっと、あの、そこのフードの人にようあるんですけど」

   と、俺が碧波の横に立つ。ああ、何だお前?とか言われるがムシムシ。

  「ほら、碧波」

  「う、うん」

   そう言って、碧波はすっと息を吸った。

  「あ、あの、あなたが赤目の鬼さんですか!?」

   直球すぎだろ!?つかおかしいだろ!?赤目の鬼さんですか!って。

   うつむきかけの顔をすっと上げ、眼光がぎらつく。ああ、あれは完全に敵視の目だ。

   それにこいつ、そこそこやりそうだな。

   目がそれを語ってやがる。そこそこの修羅場はくぐってるんな。

  「俺に何かようか」

   そう言い放つドスの聞いた声。赤目の鬼ね。

  「え、えっと、その、葛城くんに聞いたんですけど、その」

  「葛城・・・・ああ、あいつか」

  「え?友達じゃ・・・・」

  「友達?俺に友達何かいねぇよ」

   ん?待て、なんだこいつ、おかしい、なんで拳を握ってやがる。

  「えっと、じゃあ、あなたは赤目の鬼って呼ばれてる人ですか?」

  「そうだが」

   拳がゆるんだ。嘘を付いた。俺にはわかる。コイツと俺にしかわからない嘘だ。

   コイツも俺が本物とは思っちゃいないだろ。

  「や、やっぱり、葛城くんのお友達の」

   ぴくっ。まただ、また妙な反応をした。友達というワードに反応してるように見え

  る。また拳を握り締めた。何かやばい気がするんだが。

  「違う」

  「え、でも友達って、仲間って」

   そう、この瞬間だった。仲間、そう言い放った瞬間、この男はいきなり立ち上がり、

  躊躇なく、どでかい拳を碧波に打つ。

  「え?」

   碧波も何がこったかわからないようにフリーズ。またこのパターン。

   やばい、このままじゃコイツがやられる!この間のようにはいかない。

   でも、ここで助けたら・・・・・・・・・・

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しょうがないか。 

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