4話:話し合い
eruzaを逃がしてしまった泰斗と渡辺は、青の部隊を中心に捜索を続ける。そして北村、小出、西條の三人はeruzaの本拠地の探索を始めようとしていた。そんな時、二人の人物がターミナル本部を訪ねてきた。
「廉くん、泰斗がマーキングをeruzaにつけたんだけど、そのマーキングがeruzaにバレたみたいで、正確な位置まではわからなくなっちゃった。」「そうか。あの小型でもか。」「うん。でも、大体の位置はまだわかってるから、その周辺をもう少し捜索してみるように連絡をしてあいたよ。」「そうだな。それは泰斗達に任せよう。それより、篤はどこだ?」「まだインターネット室で調査を続けてると思うけど。」「なら、今すぐ呼んで来てくれ。これから新しい調査に入る。」「うん、わかった。」「それと、くれぐれも周りには気を付けてくれ。いないことを願いたいが、この本部にeruzaの仲間がいる可能性がある。」「えっ。やっぱりそうか。」「まだ決まったわけじゃないけど。とりあえず呼んで来てくれ。」「うん。」
西條を呼びに行った小出。しかしそこで、西條の不審な行動を見ることになる。そのことを西條に問いかけるが。
「篤、廉くんが呼んでるよ。」「ん、わかった。すぐ行くよ。」「ちょっと待って。今ポケットに何か隠した?」「いや、何にも隠してないよ。」「そう。なら早く来てくれ。」「わかった。」「じゃあ。」「…危なかった。もう少しでバレる所だった。それより、そっちも早く進めてくれよ。たけ。」「わかってるよ。あと、侑紀と光平が今eruzaの仲間を突き止めてくれてる。じゃ、頼んだよ。」「おう。」
「ごめん、廉くん。遅れた。」「やっと来たか、篤。それじゃあ、ミーティングを始め…。」「よっ!廉!」「おお、海老原。それに高橋。やっと来てくれたか。」「やっととかないわ。わざわざ遠い所から来てあげたのに。って言っても、千葉から東京に来ただけだけど。」「悪い悪い。これでターミナルの四天王が揃ったな。」「久しぶり、高橋。」「お、小出じゃん。」「悪霊はどうした?」「もういないよ。」「話はそこら辺にして、早く始めよう。」「はいよ、廉。」「海老原、例の資料は?」「これだよ、はい。」「ありがと。篤、小出、これはeruzaの過去についてまとめたものだ。高橋と海老原が必死に探してくれた。」「そこまでの情報はなかったけど。」「過去に殺人、薬の密売、その他色々な事件を引き起こしている。三ページの上を見てくれ。」「これって…。」「そう。十年前に起きた“南部中崩壊事件”だ。俺はこの事件を解決させるためにターミナルを設立したんだ。まあ、知ってるか。eruzaは顔写真が今は一つも見つかっていない。それにその顔を見たと思われる人は全員殺されている。家族もな。」「とりあえず、かなりヤバイってことか。」「ここまでは知ってることもあったと思うが、問題は次の件だ。」