3話:助っ人
「次から次へと。もう少しでこいつの首をとれる所だったのに。」「わた、気を付けろ。あいつの力は並じゃない。」「ああ。泰斗がこんなにボロボロになるってことは、それなりの奴だってことぐらいわかる。でも、俺は泰斗と俺が同じ力だなんて思ってないぜ。」「ったく、今はそんなこと言ってる場合じゃないよ。」「冗談だよ、冗談。」「お話はそこら辺にして、さっさと首を取らせてもらえますか?」「人の首を取ろうとする前に自分の首を取られる心配した方がいいと思うよ。」「言ってくれるねえ。」「泰斗、まだいけるか?」「何とか。」「よし、赤の部隊!戦闘開始だ!」「はい!」「それじゃ、いくぞ!」渡辺の指示で攻撃を始める赤の部隊。捜索専門の青の部隊とは違い攻撃専門の赤の部隊。青の部隊よりもかなり力が増していた。二つの部隊を一人で相手しているeruza。さすがにおされていた。「右だ!」『バン!』「すべての方向から攻撃を仕掛けろ!」「ちっ、さすがに一人でこいつら相手にするのはきついな。仕方ない、いったん退くか。」「逃がさないぞ。」「はぁ、そこをどけ。」「どくわけないだろ…。」『バン!』「うわっ!」「大丈夫か?みんな、絶対逃がすな!」『バン!』『バババン!』「くそ、逃げられた。」「まだ周辺にいるはずだ!探せ!」「はい!」「さすが赤の部隊だな。攻撃力も行動力も長けてるな。」「行動力の面では青の部隊もな。」「それより、早くeruzaを見つけないと。」「そうだな。」「俺らも早く行こう。」「ああ。」
その頃、ターミナル本部では、西條と小出が調査を続けていた。「どうだ、篤。」「泰斗がマーキングをつけてくれたから、ほぼ正確な位置がわかるようになった。」「本当か。じゃあ早く知らせないと。」「ん?ちっ、やられたな。」「どうしたんだ、篤。」「eruzaの奴、マーキングに気づいたらしい。」「はあ、マジか。あの超小型のやつでもダメだったか。」「あれなら気付かれないと思ったんだけど。」「ま、相手はeruzaだからな。」「ああ。それに大体の場所はわかっている。泰斗に連絡してそこら辺を中心に捜索を続けよう。」「うん。じゃあ、廉くんに伝えてくるね。」「わかった。」小出が部屋を出ると、西條は持っていた携帯で誰かに電話をしていた。