私の知らないこと
ブラインドから差し込んだ光で目が覚めた。一瞬ここはどこだろうと迷ってしまったのは昨日ベッドの位置を変えたからだろうか。昨日までタンスで隠れていた窓から朝日が差し込んで眩しい。でも、朝が苦手な私には丁度良い目覚ましだ。家具を移動すると新しい部屋新しい空間に生まれかわる気がして少しわくわくしてしまう。下の部屋の人にいつか怒られるんじゃないかと危惧していたが、幸いいつも日曜日はでかけているようだ。しかし寝癖がひどい。長い髪がまた邪魔に思えてきた。
今日は大学が午後からなのにまだ7時過ぎだなんて。早起きは三文の得なんていうけど、目的がない早起きなんて体力の無駄遣いでしかない。いつも何をしようか迷ってうろうろしている間に出かける時間になってしまうから、今日は考えるのをやめて寝ようかななんて考えてた。ただ空腹が気になる。しかし、ベッドから出るのが億劫で迷ってしまった。キッチンの方に目をやるとと部屋の郵便受けに真っ白紙のようなものが見えた。いつもと違う状況に、その白いものに興味が湧き、ベッドから出ることに成功した。手に取ると、ただセロハンテープで封がされた真っ白な封筒だった。