働き人
掲載日:2012/09/07
ここにいたって、僕を育ててくれるものなんてない。
ここにいたって、僕に与えてくれるものなんてない。
いくら欲しがったって、何もくれるはずもないし、逆に与えようとしたって、受け取ってくれるザルは穴だらけ。
それでも僕はまだここにいる。他に行ける場所すらないから。僕には力が無いから。身に付いてしまったのは怠ける技術と受け流される技術だけ。
明日こそ辞表をだしてやろ、そう思いながら酒を飲む。朝が来て目が覚める。何の疑問も持たずにワイシャツに手を伸ばす。
夢は結局夢のままで、いつの間にか僕を置いてゆき、同じ電車に乗っている赤の他人を照らしだし、僕はそいつから目をそらす。
明日こそ辞表をだしてやろ、そう思いながら酒を飲む。そうして明日が明後日へ、明後日が明明後日へと変化する。そのうち自然と消えてゆき、朝が僕は目覚めさせ、疑問も持たずに手を伸ばす。
明日こそ辞表をだしてやろ、そう思いながら酒を飲む。結局やるのは思うだけ。努力もせずに酒を飲む。夢の世界は夢で見よう、だから僕は酒を飲む。そうして気付けば夜遅く、僕は布団へ潜り込む。明日こそはと思いをふせ、結局いつもの明日の為に、僕はゆっくり目を閉じる。
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