「私の友達は美少女リア充」
語尾にw(草)が生えてたりします。
気にする方はごめんなさい。
悪意はないつもりです。
説明しよう!
『ラブマジ』とは『ラブマジック☆アカデミー』の略称で、それは前世プレイしたファンタジー系の乙女ゲームのタイトルである。
乙女ゲームってなんぞ? と思う人はぐぐってくれ。
ぐーぐる先生ならなんでも知ってます。
そして『トーヤ様』とは、『ラブマジ』に出て来るツンデレってよりクールデレなイケメンで、切れ長の瞳とさらさらの黒髪が艶やかで、淡々と理知的な喋り方をするサディスティックなお方であり、世のM女達を虜にした素敵すぎる男キャラクターのことだ。
「へー、そんなイケメンに告白されたんだ? すごくね?」
「いやー、罰ゲームなのはバレバレとは言え、すごかったよー。イケメンって何してもイケメンだから困るわ!」
「分っかるー! イケメンすぎてその整ったツラをこう、思い切りひっぱたきたくなるわ!」
「やっだ、ユッキーったら激しい! だがそこがいい!」
「あっはははははは!!」
そんな風に盛り上がるのは私とユッキーこと間島幸嬢。
私の小学校と中学校時代のオタク仲間で、コスプレイヤー。
見た目は美人の上超化粧してるし茶髪で巻き毛だったりするが、オタクに見た目は関係無いんだぜ…? というのが良く分かる見本。
ちなみに私は見た目からオタクの見本。
痛みの少ない胸まである黒髪はちょっと自慢だけど、でこっぱだし眼鏡だし普通顔だしで、昔からあだ名はまず『委員長』だ。
そんなこんなで某全国チェーンファミレスで、乙女な話に盛り上がっている私達は見た目ちょっと不思議な光景なのだろう。
時々ちらちら見られるのは割と慣れっこである。
「しっかし…仮にとは言えメーコも彼氏持ちかぁ…」
ジュースのストローを咥えながら感慨深げに語るユッキー。
罰ゲーム告白ってそういうカウントに含んでいいのか?
「えー、あんなイケメン彼氏嫌だよー。あ、でもコスプレはさせたいかも」
「させたらいーじゃんw」
「無理無理www」
彼氏共々コスプレイヤーなユッキーは軽く言ってくれる。
ちくしょうリア充爆発しろ。
「ってか『トーヤ様』はねー、基本マント系だからコス作るのは簡単だろうけど、マントの下は結構細身の服だし、サイズ分からないと厳しいね!」
「気にすんのそっちかよwww でもサイズとデザイン教えてくれたら作ってやってもいーよ?」
「まじで? じゃあ機会があったら聞いておくわw そんな機会来ないだろうけどw」
「おうw 期待しないで待ってるww」
出来るだけ声を抑えてきゃっきゃとはしゃいだ私達は、頃合いを見て現地解散した。
高校は別々になったとは言え、こうして週一のペースでおしゃべりする機会を設けている私達は大分仲良しなのだろう。
なんだかんだでユッキーは私の前世の話も信じてくれてるし、良い子だ。
若干前世厨だと思われてる節があるような気がするけど、それでも構わないくらい私が彼女を好きなのだ。
ノリが良くて喋ってて楽しいし、ちょっとSっ気があるけど優しいし、仕草が可愛くて顔が美人でスタイルが良くておっぱい大きくて私の同人原稿すら手伝ってくれる最強の友達だと思う。
そう、友達だよトモダチ。
ふへへへ。
気兼ねなくオタクトークのできる友人だから、尚更大事にしないと。
うちの高校にはあんまりオタクがいないみたいで、隠れてなきゃやってらんないし。
ユッキーの背中が見えなくなった辺りで私は歩きだす。
イケメンの告白事件という、特殊なイベントの話で今日は盛り上がったが、次は冬コミの話でもしようかなぁ。
受かってたら新刊のこと考えなきゃだし。
本屋に寄っていつものマンガ雑誌を立ち読みした後、私はのんびりと帰宅した。
明日からはまた慎ましやかなオタクライフが始まると信じて疑わなかった。
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