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プロローグ
初めまして。
本作はいわゆるVRMMO物となっています。
また、主人公の能力についてはかなり高く設定されております。
苦手な方はご注意下さい。
『君の顔』は君がそうなりたいと望んだものだろうか?
『君の親』から生まれたいと、君は本当に望んでいたのだろうか?
『君の身長』は? 『君の体重』は? 『君の肌の色』は?
世の中は不条理だ。君にはどうすることも出来ないことが多くを占め、人生を決定する。
君はその顔で俳優になれるだろうか? 君はその身長でバスケット選手になれるだろうか?
君はその体重でアメフト選手になれるだろうか? 君にその病気がなければ、もっと人生は自由ではなかったのか?
公平性など、どこにもないと自覚しなければならない。
だが、『Virtual World』において、君を苛んだ不条理の多くは存在しない。
自分の決定だけが自分の人生を創る世界。
あるのは限りなく公平な世界。実質的な世界。
さあ、君も『Virtual World』で人間のあるべき姿を取り戻そう。
――Vrtual World 広報部より