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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
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2011年9月27日

※この日記はフィクションであり、作者とは何の関係もございません。ございませんとも。

9月27日(火)

 今日は狭間の日だ、なんてことを思った。今日は何も起こらなかったからだ。こんな日の日記には何を書けばいいのか、なんだか悩むが、読むのは自分しかいないのだから、「今日は何事もなかった」と書けばいいのではないか。でもそんなことを一度やってしまうと、明日からも日記が一行で終わってしまう日が続いてしまう気がする。だからこうしてだらだらとわざわざ「今日は何事もなかった」を引き延ばしている。


 少し考え事をしてみた。榎本なごみとは何者なのだろう。嫌いではない、私を邪険に扱わないからだ。むしろ構ってくれてうれしい。しかし何者なのだろう。何らかの形で調べられるのなら調べたい。しかしネットで検索してもわかるわけがないだろうし、じゃあハローページ? うちにハローページなんてあっただろうか。探してみたが見つからなかった。


 晩餐の席で、母に何気なく尋ねてみた。最近は何があったのか知らないが、母は普通に言葉を交わしてくれる。いつものように味のないキノコを口に入れながら、母に尋ねてみた。編集者の名前は、一体なんというのか。「榎本なごみっていう名前よ」母は親切にも編集者の下の名前まで教えてくれた。しかし編集者と榎本なごみの名前が一緒だと日記に書いていて混乱するので、というか現在私は混乱しているので、これからも編集者のことは編集者と表記することにする。それにしても、二つの意味で何者なんだ、榎本なごみは。

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