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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
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2011年9月26日

※この作品はフィクションであり、作者の日記などでは断じてありません。断じて。

9月26日(月)

 キノコを食べた直後はあまりにもあまりな状態に陥るので自分でも狂いすぎているのがわかるから、その時間に日記は書かないのだが、それ以外の時間である現在、日記を書いている私は、どの程度狂っているのか、自分ではわからない。狂っていることだけは自覚できるのだが、その度合いが分からないのだ。だから、この日記に書いてあることも、どの程度真実なのか分からない。私の主観で変なものが見えていて、それが幻覚だと気づかないまま日記に書いてしまっているかもしれない。家族は私が狂うより前から居たのは分かっているが、榎本なごみも、サルも、私に危害を加える編集者も、実在しているという証拠は私の中にしかないのだ。狂っている私の中にしか。


 もう調べないと母と口約束したにもかかわらず、キノコの「マザー」が気にかかった。絶滅したとネットには書いてあったキノコをどうして母が持っているのか。図書館へ行って調べようとしてみた。しかし月曜日だったので閉館日だった。東京には月曜日でも開館している図書館が存在するらしい。東京がうらやましい。宮崎が疎ましい。


 晩餐の直前、酒の発作が来た。体が急に酒を欲しがったのである。しかし盗み飲める時間ではなかったので、我慢するしかなかった。我慢しながら味のないキノコの入った晩餐を黙って食べた。この症状がとても嫌だ。酒の発作が起こると気分が悪くなる。しかも吐き気が伴わない。つまり、食べると狂うキノコを吐くことができないのである。苦しい。

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