表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
345/366

2012年7月24日

※この作品は作者の日記ではありません。

7月24日(火)

 舞台は海。胸のあたりに影らしきものが見当たらない水着の女性の周囲をカメラはぐるぐる女性に定点しながら旋回していて……などと、また夢の話か、と書いている今現在でも思っている。しかし夢を毎日見るのだ、それも明確な明晰夢を。その明晰の仕方も、これは明晰夢であり、私はこの夢の鑑賞している、といった明晰方法なのである。このまま浅い眠りばかり続いたら、私は本当にどうなってしまうのだろう。


 小説を書きたかったが今日は勤務日なのでそれは叶わなかった。その代わり勤務場所に行くと私は即座に百合心音に呼び出され、職場内のパーテーションで区切られた一角で向かい合って座った。「最近、現実感を失ったりすることって、ない?」現実感ならずっと感じていない。狂い始めてから現実感の薄い出来事ばかり起こっている。全体的に見れば現実的な出来事もいくつか起こっているのだろうが、現実的ではない出来事の方が記憶に残っている。「そうか……」百合心音はしばらく一人でごにょごにょと呟くと、「あなた、変える必要があるんじゃないかしら」どこに、だろうか? 「あなた自身が生まれた、現実の世界に」このフィクション化されようとしている世界は現実じゃないとでも言うのだろうか。


 もしそうだとしたらフィクションをフィクション化することになり、それって矛盾なんじゃないだろうか、とも思ったが、百合心音はそれだけ忠告すると「じゃあ勤務に戻って」と言うので私は勤務に戻った。余計なことに時間を取られたおかげで勤務終了までに一区切り付けることができず、勤務時間を少し超過して勤務する羽目に陥ってしまった。しかも勤務終了時間にしっかりとタイムカードは押された状態で、である。軽いブラック、グレーである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ