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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
333/366

2012年7月12日

※この作品は作者の日記ではありません。

7月12日(木)

 テレビのお笑い番組で落語があまり取り上げられないのは、落語が伝統芸能の一種とされているのが原因であると思う。落語というものは見て笑えばそれで済むだけのもののはずである。それを伝統だの格式だのといった言葉を使って祭り上げた結果、テレビで落語を見る機会はNHKくらいしかなくなってしまった。でもネット都会のテレビ番組表を見てみると落語番組が放映されているらしかった。しかし午前4時台。いったい誰が見るのだろうか。


 久々に母が付き合っていた、というべきか今も付き合っているというべきか不明な男の編集者がやって来た。今はもう母の担当ではないはずなので、きっと個人的に会いたくなって来たのだろう。編集者はしきりに母に向かって「やり直しましょうよ」と言っていた。やはり破局していたらしい。そして復縁したいらしい。そんなに母は魅力的なのだろうか。肉親の目からすればそうは見えないのだが。「うるさいなあ」リビングでそんな二人の様子を堂々と観察していた私に、編集者は立ち上がって暴行を加え始めた。


 口の中が切れたので晩餐は遠慮しておくことにして、今回は自室のものが破壊されなかったことに感謝すべきかもしれない、と思った。特にパソコンは重要である。この中には早ければ九月には提出しなければならない小説のデータが入っている。もしこれが破壊されたら最初から書き直さなければならない。念のため文書ファイルを開いてみた。小説は無事だった。そして、さっさと書き終えなければ、とも思った。とりあえず明日には書けるよう努力してみよう。

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