2012年7月11日
※この作品は作者の日記ではありません。
7月11日(水)
小説の続きを書いた。こんな内容だ。そろそろ物語を終盤に持っていくことにした。そこで、吸血鬼の清人のことが好きなのか、と幽霊の鬼灯に問われた死神の希穂は、好きだよ、と答えた。その好きがどういう意味の好きなのか、病室の隣のベッドで寝ていたが故に会話が漏れ聞こえてしまったきよろは悶々と悩み続けることになる。そして退院の二日前、希穂は清人に告白する。と言っても愛の告白ではなく、もっと重大な告白である。あなたをそろそろあの世へ送ってあげなければならない、という告白である。どういうことなのか、清人は唖然となる。そして退院前日、清人の前に見知らぬ一人の男が現れる。男は清人に丁重に挨拶する。どうも、ヴァンパイアハンターです、と。ハンターは銀のナイフを懐から取り出す。その場面を、ちょうど見舞いに来ていた鬼灯が目撃する。というところまで書いた。
九州の物語化の目処が立った、と百合心音は宣言したわけだが、私がこなしている現在の生活に現実感などないのだから勝手に物語化すればいいではないか、としか思えなかった。ここで九州の物語化に抵抗するような動きを見せれば、私は何かの物語の主人公にでもなれるのではないだろうか。それこそ物語のような展開だからだ、いや、物語に出演できるのであれば、私は主人公でなくてもいい。脇役でもいい、物語の中でまともに暮らしたい。もう狂った人間として扱われる生活には飽きた。
星海社の持ち込み解禁の記事がまだ頭に残っている。そんなことをしたら文章力のない奴が大量に文章を送りつけてくるのではないか、といらん心配をしてしまうと同時に、私が送ったらどんな評価をくだされるのだろうか、という身の程知らずな欲求も頭に浮かんでくる。駄目だ。まずは今書いている小説を書き上げて、女性編集者に手渡さなければ。