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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
33/366

2011年9月16日

※これは作者の日記ではなく、創作であり、実在の人物、団体、会社名とはいっさいの関係が無いので残念だと作者は思います。

9月16日(金)

 起きてから気がついたのだが、昨日、私は母にふれあいサロンに連れて行ってもらえなかった。編集者が来ていたからか。まあ、私をふれあいサロンなんかに連れていくことと仕事の打ち合わせのどちらが大切かといえば、それはもちろん仕事上の付き合いなのだろうから、仕方がないのだ。大体、私はふれあいサロンに行きたくて仕方がないわけでもないことだし。しかし一度ならず二度も休んでしまった。来週以降、行きづらい。いっそこのまま行くのをやめてしまおうか。行っても何も起こらないわけだし。


 と思っていたら、母は私を呼び寄せ、車に乗せた。どこへ連れて行かれるのか尋ねてみると、保健センター、と答えが返ってきた。保健センターは毎週木曜日にふれあいサロンが開かれる施設の名前である。一日遅れの今日行ってどうするつもりなのだろう、と思って尋ねてみたが、母は舌打ちを返した。これからやりたくないことをやらなければならない、そのことを嫌がっている風だった。今日の母は感情が剥き出しだった。


 保健センターの生活保健窓口に連れて行かれた。母が自分と私の名前を告げると、奥から私に数ヶ月前に狂人手帳を手渡した、私の担当者らしい人物が現れた。そして母は私の狂人手帳を担当者に手渡し、何らかの手続きを始めた。私にもなんだかよく分からない用紙が手渡され、氏名と住所の署名を求められた。そして母と担当者は生活補助金の話を少しして、窓口から立ち上がった。帰りの車に乗りながら、母は「ああ面倒くさい」と呟いた。保険金が入るから良いのではないか、と私は思ったが、「働くのとどっちが入ってくると思う?」と返された。入ってくる、というのは、家に金が入ってくる、ということなのか、と問い質してみると、またしても舌打ちが返ってきた。私の理解力の低さにイラついたのだろう、きっと。


 あと、これはもうついででいいだろう、今日の晩餐にもキノコが入っていた。昨日より量が多かった気がする。

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