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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
299/366

2012年6月8日

※この作品は作者の日記ではありません。

6月8日(金)

 二日前に小説を書いたのだからもうしばらくの間小説は書かなくていい、などということはない。断続的に、いや途切れる事無く書き続けていなければ小説はきっと完成しないだろう。だから今日も書かなくてはならなかったのだが、書けなかった。一度小説を書き始めると数日分の気力を消費してしまうらしいのだ。というのは言いわけである。本当は面倒くさいから書けないのである。私は面倒くささを乗り越えて書かなければならない。


 妹は一週間の入院が必要なほどの怪我を負っていた。退院は14日である。それはそれとして、私は小説と文学は別物だと思っている。面白いものが小説で、面白くなくても許されるものが文学である。小説は伏線が美しく畳まれてハッピーエンドで終わると喜ばれる。もちろん例外もあるが。それに対して文学は何をどう書いても、文章さえ美しければ許される。ものすごく長い詩のようなものである。しかし私は詩について特に詳しいわけではないので、この例えはきっと間違っているだろう。


 それにしても眠れない。ここ最近晩餐のキノコで一時間程度気絶するだけで、それ以外の時間はずっと起きている。おそらく原因は、酒を意図的に抜いているからだと思われる。どうして酒を抜いているのかと言えば、なんとなくである。医師の言うことを聞く気になったわけでもなければ、アルコール依存が怖くなったわけでもない。ただ単に、自分の体が酒に慣れてしまい、酔う前に気持ち悪くなってしまったからである。自分の体を人質に取られると、人はあっさりということを聞いてしまうものなのだなあ。と、私は痛感した。それにしても、こんなに寝ないで大丈夫なのだろうか、と自分のことが心配になる。妹の体の方が大変なことになっているというのに。

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